王太子に愛されないので、隣国王子に拾われました

鍛高譚

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第1章:屈辱の婚約と白い結婚の宣告

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 オデット・ド・ブランシュフォール――
 王国随一の美貌と謳われる侯爵家令嬢。その青い瞳は、透き通った湖面を思わせ、長く伸びる金髪は陽光を帯びると白金の輝きを放つ。華奢な体躯ながらもしなやかな体のラインを持つ彼女は、幼い頃から「将来はこの国の王妃になるに違いない」と人々から期待されてきた。実際、幼少の頃からオデットは王宮の周囲に集まる上級貴族たちの注目を一身に集め、彼女の礼儀作法や品性、そして優秀な学問の成績は、多くの者の賛辞を得ていたのである。

 さらに、オデットの家門であるブランシュフォール侯爵家は歴史と格式を重んじる由緒正しい名門だった。古くから軍事面でも外交面でも王家を支え、時代が変わっても王家と深い信頼関係を築いている。父親のベルナール・ド・ブランシュフォール侯爵は、国王からの信頼が厚く、宮廷の評議でも重要な役職を担っていた。
 当然、そんな娘であるオデットも周囲から大きな期待を受けていたし、本人もそれを自覚していた。彼女は幼い頃から、「自分はいずれ王家の人間になるのだ」と言われ続け、貴族令嬢としてあらゆる面で高水準の教育を受けてきたのだ。剣舞に詩歌、宮廷ダンスやテーブルマナー――どれを取ってもそつがない。その姿には、ブランシュフォール家の誇りが詰まっていると言われても過言ではないだろう。

 その期待通り、オデットは次期王太子であるアルベール殿下の婚約者となった。正式に婚約が決まったのは彼女が十六歳のころ。誰もが納得する政略婚であったが、同時に「美しく聡明な令嬢と英邁な王太子殿下」という組み合わせは、王国に明るい未来を約束するものとして、国中の人々からも歓迎されたのである。

 ──しかし、結論から言えば、オデットの運命は華やかな祝福のままでは終わらなかった。

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