王太子に愛されないので、隣国王子に拾われました

鍛高譚

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第4章:ざまあ――屈辱と決別する花嫁

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 深夜の舞踏会が終わり、オデット・ド・ブランシュフォールは自室で浅い眠りについた。そして翌朝、いや、正確には早朝、窓の外から差し込む微かな光に目を覚ます。
 まだ寝台に横になったまま、ぼんやりと天井を眺めていると、昨夜の出来事が次々と頭をよぎった。王太子アルベールが堂々と愛人ミレイユを連れ歩き、あのルイーゼ公爵夫人が嫌味たっぷりに絡んでくる。さらにはグラスへの薬物混入騒ぎ――そして、隣国アルヴェール王国の筆頭秘書官から受け取ったレオポルド王子の書簡。
 (あれは、まるで私の“逃げ道”を示すような手紙だった。だけど、本当に私は……?)
 王太子妃になるのが当たり前とされてきた人生。それを捨てることの大きさを、オデットは改めて痛感する。だが同時に、昨夜のアルベールや宮廷の人々の態度を思い出すと、もうこれ以上彼らに踏みにじられるのは嫌だ――という思いが胸中にふつふつと湧いてくる。
 (いずれ決断のときが来る。もしかしたら、それは意外に早いのかもしれない……)
 そう自覚しつつも、とりあえず今日は自分の身辺を落ち着かせる必要がある。オデットは身を起こし、窓を開け放って冷たい朝の空気を一気に吸い込んだ。夜明けの光が、まだ沈んだ気持ちの自分をどこか洗い清めてくれるような錯覚を覚える。
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