婚約お断り令嬢ですわ ~奇行で縁談を潰していたら本命騎士に再会しました~

鍛高譚

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33話

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――四度の婚約破棄を経て、ようやく訪れた静寂。
誰もが「もうこの公爵令嬢に近寄るな」と囁き合い、貴族社会での私の評価は地に落ちた。

奇行を繰り返したせいで「非常識な娘」、二度目の婚約者が平民の恋人を囲っていたスキャンダルにも巻き込まれ「見る目がない娘」、王族に対して痛烈な皮肉を捧げたため「無謀で怖い女」。
更には、侯爵家の四男を“仮面の道化師”のように扱い、最終的には彼の方から破談を申し出させた……。

さすがに、これ以上の縁談は舞い込むまい。
両親も、呆れることを通り越して半分あきらめ顔。
「あとはアンネローゼの好きにさせるしかない」と言わんばかりで、私はついに自由を手に入れた。

けれど、その“自由”は思ったほど甘美なものではなかった。
思い描いていた未来と現実の隔たりは大きい。
――いつか、私の想い人であるあの人、エドガーと結ばれる日が来るのかしら。

――それでも、私はもう迷わない。
四度の破談を乗り越えて、ようやく心に固めた覚悟がある。

「自分の人生は、自分の意思で決める。
 たとえ貴族の世界がどう言おうと、私は私が選んだ相手と結婚する――」

だが、貴族社会の“形式”を飛び越えて、平民出身の騎士と結ばれるのは容易な話ではない。
それを実現するには、少なからず周りの理解と、“公爵令嬢”としての私の決断が必要だ。

胸中に秘めた想いを、今こそ形にすべき時が来たのではないか――そんな予感に包まれていた。
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