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第2章:陰謀の序曲と公爵令嬢の決意
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同じ頃、ルドルフ公爵とマリア夫人も動いていた。王家の高官たちへの根回しや、他の有力貴族との連携を図り、ライオネルの暴挙を正面から阻止しようとしている。中でも信頼を寄せられるのは、エルフィンベルク家と古くから友好関係にあるロムウェル・ヘスティア公爵家だ。彼らもシルフィーネに同情的であり、グラント侯爵家の動きに疑念を抱いているという。
さらには、近隣諸国の王太子や外交官とのパイプを使い、エルフィンベルク家の動きを支援してくれそうな国際的な勢力にもコンタクトを取る。これは万が一、国内の王家や貴族に取り囲まれた場合の「逃げ道」を確保するためでもある。公爵夫人マリアの機転によるところが大きく、彼女は若い頃に社交界で培った広い人脈を活かしていた。
「最悪の場合、国王陛下自らがグラント侯爵家を擁護してくることも考えられます。ですが、エルフィンベルク家は国の経済を支える重要な大貴族……簡単に潰されるわけにはいきません」
「ええ。それに、この国王陛下はそこまで強権的な方ではない。むしろ、王家の身内が争いを起こすことを嫌う傾向にあります。こちらが慎重に動けば、陛下も無理に踏み込むことはないかもしれない」
ルドルフ公爵とマリア夫人は、夕刻の書斎でそんな密談を交わす。二人は長年連れ添った夫婦でありながら、政治的にはそれぞれ独自に動けるほどの実力者だ。シルフィーネが成長するにあたっても、二人は惜しみなく知識と経験を伝えてきた。
だからこそ、この婚約破棄問題で娘が苦しむ姿を見るのは心が痛むが、同時に娘が自分の力で乗り越えようとする姿に誇りを感じてもいた。
「とにかく、あの子を一人で抱え込ませないようにしましょう。私たちも全力で守る準備をしている、と伝えてあげなくては」
「分かっている。シルフィーネは強い娘だが、まだ十六の少女。親として支えられるところはしっかり支えてやろう」
二人はそう固く決意を交わすと、夜が更けるまで書斎に留まり、可能な限りの対策を練り続けたのだった。
さらには、近隣諸国の王太子や外交官とのパイプを使い、エルフィンベルク家の動きを支援してくれそうな国際的な勢力にもコンタクトを取る。これは万が一、国内の王家や貴族に取り囲まれた場合の「逃げ道」を確保するためでもある。公爵夫人マリアの機転によるところが大きく、彼女は若い頃に社交界で培った広い人脈を活かしていた。
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