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その1
しおりを挟むルミリア・ターセン伯爵令嬢
それがルミリアの今の名前と肩書であった
彼女の出身はウスタリ王国の隣国であるエトワージュ帝国
エトワージュ帝国は大陸一の帝国でありその力は隣国に影響するほどだ
そんなエトワージュ帝国の伯爵令嬢という肩書で留学してきたルミリアをウスタリ王国は歓迎した
そして何事もなく留学の1年間をやり遂げたのだ
いよいよ今日で学園生活も終わりね、とルミリアは心の中で唱えた
というのも留学をして半年が過ぎた頃、ソフィア ・ボルボッサと名乗る男爵令嬢から付き纏われていたのだ
ルミリアはソフィア のことなんてこれっぽちも眼中になかった
ルミリアにとっては羽虫がブンブン飛び回っているぐらいの認識だった
だがソフィア は違った
やれ、元平民だと侮辱された
やれ、教科書を捨てられた
やれ、足を引っ掛けられ転ばされた
やれ、第二王子と仲が良いのを嫉妬していじめてきた
など。数えれば数えるほどよく意味のわからない事を喚いて周りの同情を狙っていた
もちろんルミリアはそんなことはしていない
たかが王国の男爵令嬢ごときに嫉妬なんてしないし関係のない第二王子の名を出されたところで何も感じない
それなのに、なぜ、
「ルミリア・ターセン!!ソフィア への数々の嫌がらせを行う貴様など国母に相応しくない!!貴様とは婚約破棄をする!!」
目の前にいるこの男はなぜそんなことを口走っているのかルミリアには理解ができなかった
ーーーーーー
「貴方とは婚約をした覚えがありませんが?」
「は?」
こちらが問い返したいぐらいよ、とルミリアは思った
「私は貴方と婚約をした覚えはないと。そう申しているのです」
「な、何を言っている?!貴様は伯爵令嬢だろ?!私と婚約をしているのは伯爵令嬢だと父上がいっていたぞ!!」
「ええ。たしかに私は今はターセン伯爵令嬢と名乗っていますが…この国にはターセンなんて伯爵は存在しませんでしょう?」
私の言葉を聞いた会場にいる全ての貴族達が頷く
仮にも王子という立場なのに国内の貴族を把握していないマルク・ウスタリ第二王子にルミリアは呆れてしまった
そもそもルミリアがエトワージュ帝国からの留学生だというのは周知の事実だ
ウスタリ王国に到着した際には国王両陛下にも挨拶している上に宿泊先も王宮だ
そういえば国王両陛下に挨拶した時に第二王子の姿はなかったのをルミリアは思い出した
マルクは王子という立場を利用して学園内で横暴なことをしていた
令嬢達に詰め寄り、令息たちにはいじめをする
とても王子としての器はないような男だ
が、見た目は金髪青瞳の整った顔立ちをしていたため権力だけが欲しい令嬢たちには格好の餌食になっていたのは事実だ
ソフィアもその1人だ
「では私の婚約者は誰なんだ!!」
「それを私に聞きますの?…貴方の婚約者は今現在エトワージュ帝国に留学しているマリア・ハングスト伯爵令嬢ですわ」
未来の第二王子妃として研鑽するマリアを思い出す
彼女ほど国のことを考える心優しい令嬢はいない
ルミリアの大事な友達でもあった
今頃エトワージュ帝国の帝国院で頑張っているであろうマリアに想いを馳せた
盛大な勘違いをしているマルクに対して会場にいる皆からの視線は冷たい
そのことに気づいたのかマルクは顔を赤くしてルミリアを睨みつけてきた
「ええい!!元々は貴様が紛らわしくも伯爵令嬢だと名乗るからだ!!全て貴様が悪い!!それにソフィアに対する悪行も今ここで謝罪してもらおう!」
「そ、そうよ!今謝罪してくれたら許してあげるわ」
逆ギレし始めたマルクとソフィア に対してルミリアは大きなため息をついた
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