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第二章
第三十二話 二人だけの時間
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仕入値の計算は普通にかけ算と足し算で出来るの。
私はもらった紙で筆算をし、合計額があっているか確かめるだけ。
それだけで、武器類から食品まで、30枚近くある。
問題はその次。
まずは、手数料についてだ。
初期段でいきなり大きな金額になってしまうと嫌煙されるため、基本は1%から。
これには利点もある。
これくらいならという相手方の安心感もそうだが、計算がしやすいのだ。
また安いのものには課税しない。
そうすれば、露店商などにまで税を求めるようになった時でも安心だ。
基本的に露天で高い物といえば、アクセサリーくらいだろう。
誰が見ても分かりやすいように、1%もらう時の表を作成する。
「計算ばっかりで、大変だろう」
執務室の机で、疲れたようにキースさまは伸びをした。
たしかにこの小一時間、ずっと計算ばかりしている。
計算機があると早いのだが、まぁそこは期待してはいない。
「でも計算だけなら、頭を使うことはないですから」
「計算が頭を使わないのか?」
「ええ。だってそのまま計算するだけですし」
「前々から思ってるんだが、グレンも君の頭の構造を覗いてみたいよ」
「えええ。そうですか?」
計算だけならさほど頭を使わない気がするんだけど、違うのかな。
キースとの談笑をはさみつつ、私は次の書類にとりかかった。
次はギルドの表だ。
冒険者ギルドでは依頼があった場合、手数料と紹介料として約30%取っているらしい。
そのギルドが手にした手数料から1%、そして登録料にかかる手数料から約10%もらう。
登録料はカードを発行するだけなのだが、これは冒険者ギルドがその人の身分を証明するという意味合いがある。
なので、簡単には発行出来ないのだ。
カードの審査にいろいろ工程があるようなので、反発は避けられない。
そのため代案としてカードを持つ冒険者の身分を、国も保証するという案をキースが出したと書かれていた。
ギルドとしても、国が保証するとなればその意味合いは大きいだろう。
「ここに書かれている元冒険者たちの再雇用についてなのですが。冒険者たちの広場に、兵して立ってもらうのもいいかもしれませんね。冒険者は気が荒い方も多いようですから」
「冒険者広場なんて、よく知っていたな」
「学園のすぐ近くにもありましたから、何度か見たことがあるんです」
冒険者たちはいろいろな所を渡り歩くため、テントで生活する者が多い。
特に王都の宿屋など、高すぎてとても泊まれるものではないだろう。
森の中でテントを張ることもあるそうだが、依頼を終えると次の依頼までは街の中などにテントを張り、そこで生活するのだ。
そのためよほど狭い村でない限りは、冒険者がテントを張ってもいい広場が出来ている。
「広場の警備としての再雇用なら、引退してからの職業問題も解決出来るし。確かにギルドはいい顔するだろう」
どこの世界で働きたい人が働ける環境を作るのは、必須なことのはずだ。
もう少し、何か雇用問題の解決策があるといいのだけれど。
そっちは専攻じゃないのよね。
こんなことなら、もっとたくさんの本を読んでくればよかったなぁ。
「あ、キース様。そーいえば、魔物って食べられるんですか?」
「ぶっ」
前々から気になっていたことを口にすると、びっくりしたようにキースが吹き出す。
「食べられるのか?」
「いや、食べられないんですか? 大きいですし、切ったら所詮肉じゃないんですか?」
この反応、もしかして私の発言変だったかしら。
唯花の時に読んだ異世界モノの話では、おいしく調理されていた本などあったのだけど。
この世界では魔物を食べるという話を聞いたここはなかったから。
家族に聞けばチェリーの耳に入り、私が記憶を戻したことがバレてしまうかもしれない。
だから、今まで誰にも聞けずにいたんだけど。
もしかしなくても、聞かない方が良かったみたい。
「魔物を食べるなど聞いたことはないが、令嬢の言う台詞ではないことは確かだな」
うえーん。
さすがにキースさまも若干引いているし。
これは本格的に失敗ね。
確かに、魔物を食べると言うような貴族令嬢はいないだろう。
もう、恥ずかしすぎて帰りたい。
「魔物なんて本でしか見たことないので……。大きいし、もし食べられるのならば買い取りとか出来るだろうし、食糧難があった時も比較的にいいかなと思っただけです」
言い訳をしながら、恥ずかしさのあまりだんだん声が小さくなっていく。
「皮や鱗、爪などは加工して使えるが、確かに肉のことまでは考えたとこもなかったな。うん、面白い発想だ。今度ギルドへ行った時に確認してみよう。食べてうまければ、儲けもんだ」
「いえ、でも言って恥をかくと……」
「恥なんて、かける時はかけておけばいいさ。それで解決出来る問題があるならば、安いもんだ。他にももっと変わった話があればいくらでも聞かせて欲しい」
こうやって話し合うのは、やはり嫌いじゃない。
自分の知識とか、思いとか。
そういうことを誰かと話し合うことが、こんなにも楽しいなんて思ってもみなかった。
私はもらった紙で筆算をし、合計額があっているか確かめるだけ。
それだけで、武器類から食品まで、30枚近くある。
問題はその次。
まずは、手数料についてだ。
初期段でいきなり大きな金額になってしまうと嫌煙されるため、基本は1%から。
これには利点もある。
これくらいならという相手方の安心感もそうだが、計算がしやすいのだ。
また安いのものには課税しない。
そうすれば、露店商などにまで税を求めるようになった時でも安心だ。
基本的に露天で高い物といえば、アクセサリーくらいだろう。
誰が見ても分かりやすいように、1%もらう時の表を作成する。
「計算ばっかりで、大変だろう」
執務室の机で、疲れたようにキースさまは伸びをした。
たしかにこの小一時間、ずっと計算ばかりしている。
計算機があると早いのだが、まぁそこは期待してはいない。
「でも計算だけなら、頭を使うことはないですから」
「計算が頭を使わないのか?」
「ええ。だってそのまま計算するだけですし」
「前々から思ってるんだが、グレンも君の頭の構造を覗いてみたいよ」
「えええ。そうですか?」
計算だけならさほど頭を使わない気がするんだけど、違うのかな。
キースとの談笑をはさみつつ、私は次の書類にとりかかった。
次はギルドの表だ。
冒険者ギルドでは依頼があった場合、手数料と紹介料として約30%取っているらしい。
そのギルドが手にした手数料から1%、そして登録料にかかる手数料から約10%もらう。
登録料はカードを発行するだけなのだが、これは冒険者ギルドがその人の身分を証明するという意味合いがある。
なので、簡単には発行出来ないのだ。
カードの審査にいろいろ工程があるようなので、反発は避けられない。
そのため代案としてカードを持つ冒険者の身分を、国も保証するという案をキースが出したと書かれていた。
ギルドとしても、国が保証するとなればその意味合いは大きいだろう。
「ここに書かれている元冒険者たちの再雇用についてなのですが。冒険者たちの広場に、兵して立ってもらうのもいいかもしれませんね。冒険者は気が荒い方も多いようですから」
「冒険者広場なんて、よく知っていたな」
「学園のすぐ近くにもありましたから、何度か見たことがあるんです」
冒険者たちはいろいろな所を渡り歩くため、テントで生活する者が多い。
特に王都の宿屋など、高すぎてとても泊まれるものではないだろう。
森の中でテントを張ることもあるそうだが、依頼を終えると次の依頼までは街の中などにテントを張り、そこで生活するのだ。
そのためよほど狭い村でない限りは、冒険者がテントを張ってもいい広場が出来ている。
「広場の警備としての再雇用なら、引退してからの職業問題も解決出来るし。確かにギルドはいい顔するだろう」
どこの世界で働きたい人が働ける環境を作るのは、必須なことのはずだ。
もう少し、何か雇用問題の解決策があるといいのだけれど。
そっちは専攻じゃないのよね。
こんなことなら、もっとたくさんの本を読んでくればよかったなぁ。
「あ、キース様。そーいえば、魔物って食べられるんですか?」
「ぶっ」
前々から気になっていたことを口にすると、びっくりしたようにキースが吹き出す。
「食べられるのか?」
「いや、食べられないんですか? 大きいですし、切ったら所詮肉じゃないんですか?」
この反応、もしかして私の発言変だったかしら。
唯花の時に読んだ異世界モノの話では、おいしく調理されていた本などあったのだけど。
この世界では魔物を食べるという話を聞いたここはなかったから。
家族に聞けばチェリーの耳に入り、私が記憶を戻したことがバレてしまうかもしれない。
だから、今まで誰にも聞けずにいたんだけど。
もしかしなくても、聞かない方が良かったみたい。
「魔物を食べるなど聞いたことはないが、令嬢の言う台詞ではないことは確かだな」
うえーん。
さすがにキースさまも若干引いているし。
これは本格的に失敗ね。
確かに、魔物を食べると言うような貴族令嬢はいないだろう。
もう、恥ずかしすぎて帰りたい。
「魔物なんて本でしか見たことないので……。大きいし、もし食べられるのならば買い取りとか出来るだろうし、食糧難があった時も比較的にいいかなと思っただけです」
言い訳をしながら、恥ずかしさのあまりだんだん声が小さくなっていく。
「皮や鱗、爪などは加工して使えるが、確かに肉のことまでは考えたとこもなかったな。うん、面白い発想だ。今度ギルドへ行った時に確認してみよう。食べてうまければ、儲けもんだ」
「いえ、でも言って恥をかくと……」
「恥なんて、かける時はかけておけばいいさ。それで解決出来る問題があるならば、安いもんだ。他にももっと変わった話があればいくらでも聞かせて欲しい」
こうやって話し合うのは、やはり嫌いじゃない。
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そういうことを誰かと話し合うことが、こんなにも楽しいなんて思ってもみなかった。
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