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第四章
第六十一話 振り返る過去
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ギルドを出る頃にはすっかりお昼を過ぎてしまっていた。
私たちはやや人が多くなった街の中を歩き出す。
「それにしても、すごかったですねお嬢様」
「そうね。まさか、握手を求められるなんて思わなかったわ」
迷惑をかけたお詫びとお礼を兼ねて、お菓子や食べ物を冒険者ギルドへと持って行った。
すると私を見つけるなり、この前のことが凄かったと囲まれてしまった。
そしてそこから大勢で、お茶とお菓子、食べ物を囲んでの大人数でのお茶会。
あんなにも気さくで、心地いいお茶会ならいくらでいも歓迎なんだけど。
「お嬢様が全ての人に優しくするからですよ」
「でも、楽しかったわ」
「お嬢様、ずーっと笑っていましたものね。昨日、帰宅された時はあまりの顔色に心配したんですが」
「そんなに悪かった?」
「そうですよ。お食事だってお召し上がりになられなかったですし」
「ちょっと気疲れしちゃったからね」
そう、嘘ではない。
普段ああいうお茶会などに参加したこともなかったし、相手は王妃だし。
元々、社交界とか苦手だったけど、毎回あんなのだったら参加したくなくなるわね。
でもその点、チェリーはちゃんとまじめに参加してるのよね。
あの性格なら……って、これも決めつけか。
グレンたちにあんなこと言ったのだから、私もそういう風に他人を決めつけるのはだめね。
もしかしたら、違うかもしれないし。
「何はともあれ、ルカとしてはお嬢様が笑ってらっしゃるのが一番です」
「ありがとう、ルカ。さあ今日の一番の目的の雑貨屋さんに行きましょう」
「お嬢様、朝から楽しみにされていましたからね」
「昨日の夜から、だけどね」
「お嬢様、それ」
自分でも、まるで子どものようだなとは思う。
でもやっぱり、初めてのことは楽しいんだもん。仕方ないじゃない。
「そうだ。お土産も買って帰ろうかな」
「誰に、ですか?」
「ん-。妹、に?」
「え」
ま、ルカの反応はその通りだとは思う。
敵対していたし、傍から見ても姉妹仲は良くない。
でもさっきの言葉でちょっと思うところがあったのも事実。
チェリー=唯奈だと決め込んで、あの子を避けてきたのは私も同じ。
むしろ、唯花だった時以上に嫌っていたかもしれない。
たとえ魂は同じであったとしても、別の人間なのに。
「いじめたことはさすがになかったけど、苦手意識が強すぎてまともに姉としては接してこなかった気がするのよね」
「小さい頃からですか?」
「そうね……。小さい頃からずっと、姉っぽいことしてなかった気がする」
「なんか、お嬢様らしくないと言ったら失礼なのですが……いつでも誰にでもお優しいお嬢様っぽくはないですね」
「そう思う?」
「すみません、出しゃばったことを」
「いいの、いいの。だって私もそう思うから」
苦手意識と思い込み。
完璧にこれなのよね。
記憶が戻る前なのに、結構避けてたもの。
学園に入ったのだって、あの子を見ていたくなくて逃げ込んだようなものだし。
唯花だった時に、図書館に逃げ込んでいたのと同じ構図なのよね。
「今考えると、ホントにダメすぎな気がしてきたわ」
考えたらチェリーの方がもうずっと前に前世の記憶を取り戻していたのよね。
そして目の前には私がいた。
状況を聞きたくても、縋りつきたくても、私はあの子を避けてきていたし。
記憶がないから仕方ないといえばそれまでなんだろうけど。
あの子からしたら、それはどれだけ苦しかったのか、想像もつかないな。
「それでもお嬢様はすごいと思いますよ。本来ならば、あんなことをされたら絶縁ものです」
「ああ、婚約破棄ね。それもねー、なんだかおかしな方向に進んでそうで」
「おかしな?」
「ん-。でも今日は考えなーい。せっかく買い物を楽しみにしていたんだもの」
「そうですね。いっぱい買いましょう、お嬢様」
買い物をすれば少しはこの暗い気持ちも、先の見えなさも落ち着くような気がする。
そして二人でおしゃべりを楽しみながら、私たちは目的の店を目指した。
私たちはやや人が多くなった街の中を歩き出す。
「それにしても、すごかったですねお嬢様」
「そうね。まさか、握手を求められるなんて思わなかったわ」
迷惑をかけたお詫びとお礼を兼ねて、お菓子や食べ物を冒険者ギルドへと持って行った。
すると私を見つけるなり、この前のことが凄かったと囲まれてしまった。
そしてそこから大勢で、お茶とお菓子、食べ物を囲んでの大人数でのお茶会。
あんなにも気さくで、心地いいお茶会ならいくらでいも歓迎なんだけど。
「お嬢様が全ての人に優しくするからですよ」
「でも、楽しかったわ」
「お嬢様、ずーっと笑っていましたものね。昨日、帰宅された時はあまりの顔色に心配したんですが」
「そんなに悪かった?」
「そうですよ。お食事だってお召し上がりになられなかったですし」
「ちょっと気疲れしちゃったからね」
そう、嘘ではない。
普段ああいうお茶会などに参加したこともなかったし、相手は王妃だし。
元々、社交界とか苦手だったけど、毎回あんなのだったら参加したくなくなるわね。
でもその点、チェリーはちゃんとまじめに参加してるのよね。
あの性格なら……って、これも決めつけか。
グレンたちにあんなこと言ったのだから、私もそういう風に他人を決めつけるのはだめね。
もしかしたら、違うかもしれないし。
「何はともあれ、ルカとしてはお嬢様が笑ってらっしゃるのが一番です」
「ありがとう、ルカ。さあ今日の一番の目的の雑貨屋さんに行きましょう」
「お嬢様、朝から楽しみにされていましたからね」
「昨日の夜から、だけどね」
「お嬢様、それ」
自分でも、まるで子どものようだなとは思う。
でもやっぱり、初めてのことは楽しいんだもん。仕方ないじゃない。
「そうだ。お土産も買って帰ろうかな」
「誰に、ですか?」
「ん-。妹、に?」
「え」
ま、ルカの反応はその通りだとは思う。
敵対していたし、傍から見ても姉妹仲は良くない。
でもさっきの言葉でちょっと思うところがあったのも事実。
チェリー=唯奈だと決め込んで、あの子を避けてきたのは私も同じ。
むしろ、唯花だった時以上に嫌っていたかもしれない。
たとえ魂は同じであったとしても、別の人間なのに。
「いじめたことはさすがになかったけど、苦手意識が強すぎてまともに姉としては接してこなかった気がするのよね」
「小さい頃からですか?」
「そうね……。小さい頃からずっと、姉っぽいことしてなかった気がする」
「なんか、お嬢様らしくないと言ったら失礼なのですが……いつでも誰にでもお優しいお嬢様っぽくはないですね」
「そう思う?」
「すみません、出しゃばったことを」
「いいの、いいの。だって私もそう思うから」
苦手意識と思い込み。
完璧にこれなのよね。
記憶が戻る前なのに、結構避けてたもの。
学園に入ったのだって、あの子を見ていたくなくて逃げ込んだようなものだし。
唯花だった時に、図書館に逃げ込んでいたのと同じ構図なのよね。
「今考えると、ホントにダメすぎな気がしてきたわ」
考えたらチェリーの方がもうずっと前に前世の記憶を取り戻していたのよね。
そして目の前には私がいた。
状況を聞きたくても、縋りつきたくても、私はあの子を避けてきていたし。
記憶がないから仕方ないといえばそれまでなんだろうけど。
あの子からしたら、それはどれだけ苦しかったのか、想像もつかないな。
「それでもお嬢様はすごいと思いますよ。本来ならば、あんなことをされたら絶縁ものです」
「ああ、婚約破棄ね。それもねー、なんだかおかしな方向に進んでそうで」
「おかしな?」
「ん-。でも今日は考えなーい。せっかく買い物を楽しみにしていたんだもの」
「そうですね。いっぱい買いましょう、お嬢様」
買い物をすれば少しはこの暗い気持ちも、先の見えなさも落ち着くような気がする。
そして二人でおしゃべりを楽しみながら、私たちは目的の店を目指した。
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