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002 最後だけ選べた人生
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そもそも、そんな人だって知ってはいたけど……。
私が今かかっている病は通称『バラ病』
初めは風邪に似た症状から始まり、高熱が出たあと全身にバラのような赤いあざが広がっていく。
国境近くで確認されたこの病は、貧しい地方や貧民街でその感染を拡大させていった。
貴族においてもその感染者はやや増加傾向にあったものの、隣国より取り寄せたとある特効薬がその進行を食い止めた。
ただ輸入される薬は高価であり、貧しい者たちが感染を防ぐ手立ては今のところ見つかっていない。
一度感染してしまえば、その薬以外に助かるすべはなく、全身にあざが広がった後刺すような痛みで苦しみながら死んでいくのだ。
「分かっているのか? お前をあの男爵家に送り込むために、いくら使ったと思っている」
「それは……」
「せっかく平民だったお前を男爵家に嫁がせたというのに。子も産まない上に、妻の座を愛人になんぞ盗られよって」
「ですがお父様も知っていたはずではないですか。この結婚に愛などないことを!」
「それがどうしたというんだ」
「どうしたって……」
「お前に与えた役割は、子を成してあの家を乗っ取ることだぞ。愛などなんの関係があると言うんだ!」
なんの? なんのって。
愛すらない家に放り込まれ、夫となった人には初めから最愛の愛人がいる状態で、どうやって子どもができるというの。
ただでさえ、平民から金で貴族籍を買うために嫁いだのだと、夫の一族だけではなく貴族全体からも指をさされ、肩身の狭い思いをしながら生きてきたというのに。
「愛など子どものようなことを言ってどうする。そんなものがなくとも子はできるだろう」
「……」
「まったくお前がうまくやらなかったせいで、何もかも台無しだ」
「台無しって」
「与えられた仕事の一つも満足にできないヤツになど、どうして金をかけてやれるというんだ。先に使った金すら回収できていないお前になんぞ、これ以上使う金はない!」
「では、お父様は私に死ねとおっしゃるのですか?」
父の命令で結婚し、今までだって全て父の意思に従って生きてきたというのに。
確かに父が望む子どもという成果は得られなかった。
でもそれでも私は、ずっと父が望むように生きて父が望む仕事を全うしてきたじゃない。
それなのに今さら私を捨てるというの?
「もう好きにするがいい」
窓に大粒の雨が打ち付けられる音が聞こえてくる。
やや暗くなりかけた空は、外の様子もうかがえない。
何も見えない空は、どこか私の心の中を映し出しているように思えた。
「こんなに時だけ、そんな言葉を言うのですね」
出てきたのは涙ではなく、ただ乾いた笑いだけだった。
そっか。期待していた私がいけなかったのね。
知っていたのに。ずっと前から分かっていたことじゃない。
この人はこういう人なんだって。
期待するだけ無駄なんだって。
知っているのに、でも親だからと、どこかで期待してしまう自分がいた。
いつか普通にとはいかなくても、分かり合える日が来るんじゃないかって。
優しく頭をなでてくれたり、抱きしめてくれるんじゃないかって。
だけどもう、そんな日は永遠に来ない。
ホント、バカね。バカでどこまでも惨めだわ。
こんなことなら、ここに来るべきじゃなかった。
少なくとも来なければ、最後にこんな絶望を味わうこともなかったのだから。
「アンリエッタを部屋から連れ出せ。金を稼いでこないヤツなど、このダントレット商会には不要だ!」
父のひと際大きな声に、使用人が部屋の中にやってくる。
見覚えのあるその男性はややおどおどした様子で私を見ながらも、父の言葉に従い私を立ち上がらせた。
ここではそう、父の言葉が絶対だから。
逆らえば今度は自分が同じ目に合うのを誰もが知っている。
「最低ね」
自分も父親も全て。
私は使用人の手を振り払うと、部屋を飛び出した。
すれ違う使用人たちのあわれむようなその瞳から逃れるために、フードを深くかぶると足早に外へ出て街を歩く。
打ちつける春の雨はどこまでも強く、冷たい。
それでも傘すら持たない私を気遣う者など、ここには誰もいなかった。
もっとも、最初からそんな人なんていなかった気もする。
どうしてこんな風になったのかしら。
どこで私は選択を間違えてしまったんだろう。
子どもの頃?
父の仕事を手伝わされるようになった頃?
それともあの男爵家に嫁げと言われた時かな。
いくらだって、父に反抗するタイミングはあった。
でも出来なかった。
そんなのことをすれば、どうなるかなんて目に見えていたから。
あの人は、身内にも使用人にも容赦はない。
自分に逆らう人間には、酷かったもの。
「でも……こんな時になって好きにしろだなんて。ホント、勝手な人ね」
私はさしかかった橋の上で、立ち止まる。
揺れる水面に顔は写らないものの、見える手などにまでバラ様のあざが広がっているのが分かる。
昨日お風呂に入った時には、もう背中の方にまであざが広がっていたっけ。
あと数日もすれば、あざになったところが痛み出す。
そうすればもう、ただ苦しみながら死を待つしかない。
あの家に戻っても、私を看病してくれる人はいない。
動けなくなったら、食事すら出来ないというのに。
それを好きにしろだなんて。
「最初で最後の選択が、これだなんて。最低すぎるわね」
私はやっとの思いで橋の欄干に上る。
ああホント、最低な人生だったわ。
何一つ思い通りにもならなくて、こんなの私の人生って言えるのかしら。
神様なんているとは信じたこともないけど、でも最後だもの。
少しくらい恨んだっていいわよね。
最低な人生を用意してくれてありがとう。
おかげで最後だけは自分で決めれたわ。
だからもし次があるのなら、絶対に許さない。
こんな世界なんて、大嫌いよ。
最低な人生さん、さようなら。
不思議と体から力を抜くと、笑いがこみあげてくる。
「ふふふ」
そう言葉にしたあと、涙がこぼれ落ちる。
遠くで誰かの叫ぶ声と、手を伸ばしながら走ってくる影を見た気がした。
しかし宙に浮いた体はそのまま、冷たく深い川の底に落ちて行った。
私が今かかっている病は通称『バラ病』
初めは風邪に似た症状から始まり、高熱が出たあと全身にバラのような赤いあざが広がっていく。
国境近くで確認されたこの病は、貧しい地方や貧民街でその感染を拡大させていった。
貴族においてもその感染者はやや増加傾向にあったものの、隣国より取り寄せたとある特効薬がその進行を食い止めた。
ただ輸入される薬は高価であり、貧しい者たちが感染を防ぐ手立ては今のところ見つかっていない。
一度感染してしまえば、その薬以外に助かるすべはなく、全身にあざが広がった後刺すような痛みで苦しみながら死んでいくのだ。
「分かっているのか? お前をあの男爵家に送り込むために、いくら使ったと思っている」
「それは……」
「せっかく平民だったお前を男爵家に嫁がせたというのに。子も産まない上に、妻の座を愛人になんぞ盗られよって」
「ですがお父様も知っていたはずではないですか。この結婚に愛などないことを!」
「それがどうしたというんだ」
「どうしたって……」
「お前に与えた役割は、子を成してあの家を乗っ取ることだぞ。愛などなんの関係があると言うんだ!」
なんの? なんのって。
愛すらない家に放り込まれ、夫となった人には初めから最愛の愛人がいる状態で、どうやって子どもができるというの。
ただでさえ、平民から金で貴族籍を買うために嫁いだのだと、夫の一族だけではなく貴族全体からも指をさされ、肩身の狭い思いをしながら生きてきたというのに。
「愛など子どものようなことを言ってどうする。そんなものがなくとも子はできるだろう」
「……」
「まったくお前がうまくやらなかったせいで、何もかも台無しだ」
「台無しって」
「与えられた仕事の一つも満足にできないヤツになど、どうして金をかけてやれるというんだ。先に使った金すら回収できていないお前になんぞ、これ以上使う金はない!」
「では、お父様は私に死ねとおっしゃるのですか?」
父の命令で結婚し、今までだって全て父の意思に従って生きてきたというのに。
確かに父が望む子どもという成果は得られなかった。
でもそれでも私は、ずっと父が望むように生きて父が望む仕事を全うしてきたじゃない。
それなのに今さら私を捨てるというの?
「もう好きにするがいい」
窓に大粒の雨が打ち付けられる音が聞こえてくる。
やや暗くなりかけた空は、外の様子もうかがえない。
何も見えない空は、どこか私の心の中を映し出しているように思えた。
「こんなに時だけ、そんな言葉を言うのですね」
出てきたのは涙ではなく、ただ乾いた笑いだけだった。
そっか。期待していた私がいけなかったのね。
知っていたのに。ずっと前から分かっていたことじゃない。
この人はこういう人なんだって。
期待するだけ無駄なんだって。
知っているのに、でも親だからと、どこかで期待してしまう自分がいた。
いつか普通にとはいかなくても、分かり合える日が来るんじゃないかって。
優しく頭をなでてくれたり、抱きしめてくれるんじゃないかって。
だけどもう、そんな日は永遠に来ない。
ホント、バカね。バカでどこまでも惨めだわ。
こんなことなら、ここに来るべきじゃなかった。
少なくとも来なければ、最後にこんな絶望を味わうこともなかったのだから。
「アンリエッタを部屋から連れ出せ。金を稼いでこないヤツなど、このダントレット商会には不要だ!」
父のひと際大きな声に、使用人が部屋の中にやってくる。
見覚えのあるその男性はややおどおどした様子で私を見ながらも、父の言葉に従い私を立ち上がらせた。
ここではそう、父の言葉が絶対だから。
逆らえば今度は自分が同じ目に合うのを誰もが知っている。
「最低ね」
自分も父親も全て。
私は使用人の手を振り払うと、部屋を飛び出した。
すれ違う使用人たちのあわれむようなその瞳から逃れるために、フードを深くかぶると足早に外へ出て街を歩く。
打ちつける春の雨はどこまでも強く、冷たい。
それでも傘すら持たない私を気遣う者など、ここには誰もいなかった。
もっとも、最初からそんな人なんていなかった気もする。
どうしてこんな風になったのかしら。
どこで私は選択を間違えてしまったんだろう。
子どもの頃?
父の仕事を手伝わされるようになった頃?
それともあの男爵家に嫁げと言われた時かな。
いくらだって、父に反抗するタイミングはあった。
でも出来なかった。
そんなのことをすれば、どうなるかなんて目に見えていたから。
あの人は、身内にも使用人にも容赦はない。
自分に逆らう人間には、酷かったもの。
「でも……こんな時になって好きにしろだなんて。ホント、勝手な人ね」
私はさしかかった橋の上で、立ち止まる。
揺れる水面に顔は写らないものの、見える手などにまでバラ様のあざが広がっているのが分かる。
昨日お風呂に入った時には、もう背中の方にまであざが広がっていたっけ。
あと数日もすれば、あざになったところが痛み出す。
そうすればもう、ただ苦しみながら死を待つしかない。
あの家に戻っても、私を看病してくれる人はいない。
動けなくなったら、食事すら出来ないというのに。
それを好きにしろだなんて。
「最初で最後の選択が、これだなんて。最低すぎるわね」
私はやっとの思いで橋の欄干に上る。
ああホント、最低な人生だったわ。
何一つ思い通りにもならなくて、こんなの私の人生って言えるのかしら。
神様なんているとは信じたこともないけど、でも最後だもの。
少しくらい恨んだっていいわよね。
最低な人生を用意してくれてありがとう。
おかげで最後だけは自分で決めれたわ。
だからもし次があるのなら、絶対に許さない。
こんな世界なんて、大嫌いよ。
最低な人生さん、さようなら。
不思議と体から力を抜くと、笑いがこみあげてくる。
「ふふふ」
そう言葉にしたあと、涙がこぼれ落ちる。
遠くで誰かの叫ぶ声と、手を伸ばしながら走ってくる影を見た気がした。
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