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6章 不穏な占い
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~星の図書館 植物園~
数分間階段を登り続け二人は最上階の空間へとやって来た。目の前には多くの植物が広がり中央には真っ白なテラスがあった
ハロス「今更だけどなんで図書館の上に植物園があるんですか…」
エトアル「綺麗でしょ?」
ハロス「いやそう言う事じゃなくて…それにあんまり花とかは多く無いですよね」
エトアル「まぁ薬草とかだしね~」
ハロス「ここにあるのって薬草なんですか?」
エトアル「全部じゃないけど…アレは麻痺毒になるね。それからアレとアッチの黄色いやつを調合すれば治療薬になる」
辺りを見回しながら一つずつ指を指していく
ハロス「良く覚えてますね…エトアルさんが全部育ててるんですか?」
エトアル「そうだね。調合はリーくんがやってるけどこの植物園は私のプライベートルームみたいなモノだから」
ハロス「町の人間が自由に出入りできるプライベートルーム…ですかw」
エトアル「あの螺旋階段を登ってまで最上階に来るのは占いしたい子たちだけだからね」
ハロス「一日一回図書館を全部見て回ったら過労死しますよ」
リーベリア「それでも毎日掃除はしてるよ?」
微笑みながらリーベリアは数冊の本と飲み物を持って螺旋階段を登ってきた
エトアル「使えそうな本はあったの?」
リーベリア「いくつか覚えがあったから取ってきた。まぁ後は地道に探すしか無いかな」
ハロス「この規模の図書館を毎日掃除ってどうやってるんですか…?それに本とかも確認しないとですよね」
リーベリア「そうだね、ページが破れてたり外れてたりするからさ。それに本が無くなってないか…とかもね」
ハロス「前に無くなったことがあったんですか?」
この図書館では二人に声を掛ければ貸し出しは自由にしていて、この町自体あまり余所の人間は訪れないため本が無くなるというのは珍しいのだ
リーベリア「知り合いに自由人が居てね…町の方には殆ど来ないけどたまにフラ~っとここに来ては無言で本を持っていく」
エトアル「また何個かなくなってたし回収しに行かないとね」
ハロス「どんな人なんですか?」
エトアル「…騎士の家系…かな?」
ハロス「何故疑問系…?」
リーベリア「島国の生まれでね、前に戦争が起こったときに【こっちにいるより面白そうだな】って言ってこの国に来たんだよ。この国と彼等の故郷では言葉が違うから厳密には騎士ではないんだ」
エトアル「良く分からない人だから気にしなくて良いけどね、まぁ元が敵国の人間だから王都から遠いこの近くに住んでるの」
ハロス「そうなんですか…会ってみたいですね」
リーベリア「気紛れな奴だからもう会ってるかもね」
ふと、森の方を一瞥しながらそう呟いたリーベリアの言葉をかき消すかの様にエトアルが話を替えた
エトアル「世間話ばっかりしちゃったわねw取り敢えずハロスくんは何を占いたい?」
ハロス「…俺はアイツ等に勝てますか?」
エトアル「…そうね」
広げられたカードの束から一枚を引き出した。選ばれたのは大アルカナではなく小アルカナのカード
ハロス「これ…ロッドの五?」
リーベリア「ロッドは火の性質だね。強い感情とか直感…かな」
エトアル「そうね、正位置のロッドは良い意味が多いけど五が出たなら少し心配かな」
ハロス「描かれてるのが争ってるように見えますね」
エトアル「実際そうよ、ロッドの五で正位置の場合は《結論の出ない激しい争い》を意味するからね」
ハロス「俺は勝てないって事ですか?」
リーベリア「でも結論が出ないなら負けてる訳でもないんじゃない?」
エトアル「少なくとも長期戦になるかもね。それか…」
ハロス「それか…?」
エトアル「ハロスくん一人だと争いは激昂化するかも…可能性として貴方の相手をするのがラルカちゃんかもしれないからね」
彼女の意思か、はたまた操られているのか分からないがこの場に居ない事は事実だった。そして自分達が楽しむ事だけを考えているあの二人がどうするかも予想はつく
リーベリア「それはあんまり見たくはないな」
ハロス「場合によってはラルカを殺さないといけないんですか…?」
エトアル「…ハロスくんの選択次第よ。貴方が望むハッピーエンドはどんなもの?」
ハロス「ハッピーエンドなんて…あるんでしょうか」
リーベリア「じゃあハロスくんは《ヒーロー》と《ヴィラン》どちらを選ぶ?」
ハロス「ヒーローとヴィラン…ですか?そんなのどっちでも良いです。俺は俺が助けたいと思ったものだけを優先します」
エトアル「それなら貴方はヴィランになるのかもね」
ハロス「ヴィラン…ですか?でもそれなら俺らしくやりますよw俺のモノは誰にも手出しさせない…欲しいもんは全部奪います」
リーベリア「じゃあ君は誰も逆らえないくらいに強くならないとだね」
ハロス「そうですね…」
人を守るヒーローではなくヴィランと呼ばれた。二人の言葉の裏には何が隠されているのかは理解出来なかった。朝市が開かれ街の方が賑やかになってきたから少し休憩を挟み夜にまた話す事にしてハロスはリーベリアが持ってきた本を読み始めた
数分間階段を登り続け二人は最上階の空間へとやって来た。目の前には多くの植物が広がり中央には真っ白なテラスがあった
ハロス「今更だけどなんで図書館の上に植物園があるんですか…」
エトアル「綺麗でしょ?」
ハロス「いやそう言う事じゃなくて…それにあんまり花とかは多く無いですよね」
エトアル「まぁ薬草とかだしね~」
ハロス「ここにあるのって薬草なんですか?」
エトアル「全部じゃないけど…アレは麻痺毒になるね。それからアレとアッチの黄色いやつを調合すれば治療薬になる」
辺りを見回しながら一つずつ指を指していく
ハロス「良く覚えてますね…エトアルさんが全部育ててるんですか?」
エトアル「そうだね。調合はリーくんがやってるけどこの植物園は私のプライベートルームみたいなモノだから」
ハロス「町の人間が自由に出入りできるプライベートルーム…ですかw」
エトアル「あの螺旋階段を登ってまで最上階に来るのは占いしたい子たちだけだからね」
ハロス「一日一回図書館を全部見て回ったら過労死しますよ」
リーベリア「それでも毎日掃除はしてるよ?」
微笑みながらリーベリアは数冊の本と飲み物を持って螺旋階段を登ってきた
エトアル「使えそうな本はあったの?」
リーベリア「いくつか覚えがあったから取ってきた。まぁ後は地道に探すしか無いかな」
ハロス「この規模の図書館を毎日掃除ってどうやってるんですか…?それに本とかも確認しないとですよね」
リーベリア「そうだね、ページが破れてたり外れてたりするからさ。それに本が無くなってないか…とかもね」
ハロス「前に無くなったことがあったんですか?」
この図書館では二人に声を掛ければ貸し出しは自由にしていて、この町自体あまり余所の人間は訪れないため本が無くなるというのは珍しいのだ
リーベリア「知り合いに自由人が居てね…町の方には殆ど来ないけどたまにフラ~っとここに来ては無言で本を持っていく」
エトアル「また何個かなくなってたし回収しに行かないとね」
ハロス「どんな人なんですか?」
エトアル「…騎士の家系…かな?」
ハロス「何故疑問系…?」
リーベリア「島国の生まれでね、前に戦争が起こったときに【こっちにいるより面白そうだな】って言ってこの国に来たんだよ。この国と彼等の故郷では言葉が違うから厳密には騎士ではないんだ」
エトアル「良く分からない人だから気にしなくて良いけどね、まぁ元が敵国の人間だから王都から遠いこの近くに住んでるの」
ハロス「そうなんですか…会ってみたいですね」
リーベリア「気紛れな奴だからもう会ってるかもね」
ふと、森の方を一瞥しながらそう呟いたリーベリアの言葉をかき消すかの様にエトアルが話を替えた
エトアル「世間話ばっかりしちゃったわねw取り敢えずハロスくんは何を占いたい?」
ハロス「…俺はアイツ等に勝てますか?」
エトアル「…そうね」
広げられたカードの束から一枚を引き出した。選ばれたのは大アルカナではなく小アルカナのカード
ハロス「これ…ロッドの五?」
リーベリア「ロッドは火の性質だね。強い感情とか直感…かな」
エトアル「そうね、正位置のロッドは良い意味が多いけど五が出たなら少し心配かな」
ハロス「描かれてるのが争ってるように見えますね」
エトアル「実際そうよ、ロッドの五で正位置の場合は《結論の出ない激しい争い》を意味するからね」
ハロス「俺は勝てないって事ですか?」
リーベリア「でも結論が出ないなら負けてる訳でもないんじゃない?」
エトアル「少なくとも長期戦になるかもね。それか…」
ハロス「それか…?」
エトアル「ハロスくん一人だと争いは激昂化するかも…可能性として貴方の相手をするのがラルカちゃんかもしれないからね」
彼女の意思か、はたまた操られているのか分からないがこの場に居ない事は事実だった。そして自分達が楽しむ事だけを考えているあの二人がどうするかも予想はつく
リーベリア「それはあんまり見たくはないな」
ハロス「場合によってはラルカを殺さないといけないんですか…?」
エトアル「…ハロスくんの選択次第よ。貴方が望むハッピーエンドはどんなもの?」
ハロス「ハッピーエンドなんて…あるんでしょうか」
リーベリア「じゃあハロスくんは《ヒーロー》と《ヴィラン》どちらを選ぶ?」
ハロス「ヒーローとヴィラン…ですか?そんなのどっちでも良いです。俺は俺が助けたいと思ったものだけを優先します」
エトアル「それなら貴方はヴィランになるのかもね」
ハロス「ヴィラン…ですか?でもそれなら俺らしくやりますよw俺のモノは誰にも手出しさせない…欲しいもんは全部奪います」
リーベリア「じゃあ君は誰も逆らえないくらいに強くならないとだね」
ハロス「そうですね…」
人を守るヒーローではなくヴィランと呼ばれた。二人の言葉の裏には何が隠されているのかは理解出来なかった。朝市が開かれ街の方が賑やかになってきたから少し休憩を挟み夜にまた話す事にしてハロスはリーベリアが持ってきた本を読み始めた
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