28 / 68
7話④
しおりを挟む
「えっ……。これ男同士?」
アラヤのつぶやく声が耳に入った。
「……え?」
「ほらこれ」
アラヤは連番になっている分割ファイルのひとつを指さしている。
小さなサムネの中で、男性同士が絡み合っていた。
ひとりがベッドに仰向け。もうひとりがベッド脇からのしかかっている様子だ。
俺は興味を引かれる。
「フジノのおじさん、守備範囲広すぎない?」
アラヤはつぶやくように言って、ファイルをダブルクリックした。
すると動画再生ソフトが小さめに開き、サムネの中にいたふたりが動き始める。
まず、画面手前で腰を振る男の背中に目を引かれた。顔はよく見えない。
それから仰向けに寝ている方の顔。彫刻みたいにきれいだった。
東洋人じゃない、見たところふたりとも白人のようだ。いわゆる洋モノか。
彫刻の男はされるがままで、甘い息を吐き出している。
その表情に、苦悶の色は見られなかった。
むしろちょっと気持ちよさそう。
男同士のセックスだって、当事者にとっては日常ですよ、って言っているみたいに思えた。
なんだか拍子抜けした。
エロいっていうのとは違う、純粋にいいなと思う。うらやましいって気持ちに近いかも?
少なくとも男4人ががっついて見るようなものじゃない気がした。
横を向くと、有名セクシー女優を見ていたはずのフジノたちまで、こっちの画面に釘付けになっている状態なんだけど……。
「うわ、未知の世界……」
オオモリがため息を吐き出した。
「もしかして好き?」
フジノが意外そうに見る。
「そうじゃないけど、意外に嫌悪感ない」
「あ~……。わかる」
フジノもわかるのか。俺は内心驚く。
男同士ってもっと気持ち悪がられるものだと思ってたけど、みんな案外あっさりしていた。
動画の男が外国人で、嫌悪感を抱きようがないほどの美人だからなのかもしれない。
と、そこでフジノが俺を見て、とんでもないことを言いだす。
「なっ! 奥の人、三組の、えーとあいつに似てない? そうそう、瓜生」
「はあっ!? ふ、ふざ……ふざけんなっ。瓜生に失礼だろ!」
さすがに動揺を隠せなかった。
色白で柔和な雰囲気は、確かに共通しているかもしれない。
でも目も鼻も口も全然違って……。背の高さだって、瓜生とは一回りか二回り違うはず……。
いや、それはどうでもよくて! 俺の瓜生を勝手に重ねないでほしい!
「え、なんで怒んの?」
フジノはきょとんとしている。
「なんでって。友達を、エロい目で見るのはダメ!!」
いったいどの口がって感じだけど……。
俺は本気でフジノを諭した。
アラヤのつぶやく声が耳に入った。
「……え?」
「ほらこれ」
アラヤは連番になっている分割ファイルのひとつを指さしている。
小さなサムネの中で、男性同士が絡み合っていた。
ひとりがベッドに仰向け。もうひとりがベッド脇からのしかかっている様子だ。
俺は興味を引かれる。
「フジノのおじさん、守備範囲広すぎない?」
アラヤはつぶやくように言って、ファイルをダブルクリックした。
すると動画再生ソフトが小さめに開き、サムネの中にいたふたりが動き始める。
まず、画面手前で腰を振る男の背中に目を引かれた。顔はよく見えない。
それから仰向けに寝ている方の顔。彫刻みたいにきれいだった。
東洋人じゃない、見たところふたりとも白人のようだ。いわゆる洋モノか。
彫刻の男はされるがままで、甘い息を吐き出している。
その表情に、苦悶の色は見られなかった。
むしろちょっと気持ちよさそう。
男同士のセックスだって、当事者にとっては日常ですよ、って言っているみたいに思えた。
なんだか拍子抜けした。
エロいっていうのとは違う、純粋にいいなと思う。うらやましいって気持ちに近いかも?
少なくとも男4人ががっついて見るようなものじゃない気がした。
横を向くと、有名セクシー女優を見ていたはずのフジノたちまで、こっちの画面に釘付けになっている状態なんだけど……。
「うわ、未知の世界……」
オオモリがため息を吐き出した。
「もしかして好き?」
フジノが意外そうに見る。
「そうじゃないけど、意外に嫌悪感ない」
「あ~……。わかる」
フジノもわかるのか。俺は内心驚く。
男同士ってもっと気持ち悪がられるものだと思ってたけど、みんな案外あっさりしていた。
動画の男が外国人で、嫌悪感を抱きようがないほどの美人だからなのかもしれない。
と、そこでフジノが俺を見て、とんでもないことを言いだす。
「なっ! 奥の人、三組の、えーとあいつに似てない? そうそう、瓜生」
「はあっ!? ふ、ふざ……ふざけんなっ。瓜生に失礼だろ!」
さすがに動揺を隠せなかった。
色白で柔和な雰囲気は、確かに共通しているかもしれない。
でも目も鼻も口も全然違って……。背の高さだって、瓜生とは一回りか二回り違うはず……。
いや、それはどうでもよくて! 俺の瓜生を勝手に重ねないでほしい!
「え、なんで怒んの?」
フジノはきょとんとしている。
「なんでって。友達を、エロい目で見るのはダメ!!」
いったいどの口がって感じだけど……。
俺は本気でフジノを諭した。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】言えない言葉
未希かずは(Miki)
BL
双子の弟・水瀬碧依は、明るい兄・翼と比べられ、自信がない引っ込み思案な大学生。
同じゼミの気さくで眩しい如月大和に密かに恋するが、話しかける勇気はない。
ある日、碧依は兄になりすまし、本屋のバイトで大和に近づく大胆な計画を立てる。
兄の笑顔で大和と心を通わせる碧依だが、嘘の自分に葛藤し……。
すれ違いを経て本当の想いを伝える、切なく甘い青春BLストーリー。
第1回青春BLカップ参加作品です。
1章 「出会い」が長くなってしまったので、前後編に分けました。
2章、3章も長くなってしまって、分けました。碧依の恋心を丁寧に書き直しました。(2025/9/2 18:40)
【完】君に届かない声
未希かずは(Miki)
BL
内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。
ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。
すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。
執着囲い込み☓健気。ハピエンです。
はじまりの朝
さくら乃
BL
子どもの頃は仲が良かった幼なじみ。
ある出来事をきっかけに離れてしまう。
中学は別の学校へ、そして、高校で再会するが、あの頃の彼とはいろいろ違いすぎて……。
これから始まる恋物語の、それは、“はじまりの朝”。
✳『番外編〜はじまりの裏側で』
『はじまりの朝』はナナ目線。しかし、その裏側では他キャラもいろいろ思っているはず。そんな彼ら目線のエピソード。
寡黙な剣道部の幼馴染
Gemini
BL
【完結】恩師の訃報に八年ぶりに帰郷した智(さとし)は幼馴染の有馬(ありま)と再会する。相変わらず寡黙て静かな有馬が智の勤める大学の学生だと知り、だんだんとその距離は縮まっていき……
《完結》僕が天使になるまで
MITARASI_
BL
命が尽きると知った遥は、恋人・翔太には秘密を抱えたまま「別れ」を選ぶ。
それは翔太の未来を守るため――。
料理のレシピ、小さなメモ、親友に託した願い。
遥が残した“天使の贈り物”の数々は、翔太の心を深く揺さぶり、やがて彼を未来へと導いていく。
涙と希望が交差する、切なくも温かい愛の物語。
【完結】俺はずっと、おまえのお嫁さんになりたかったんだ。
ペガサスサクラ
BL
※あらすじ、後半の内容にやや二章のネタバレを含みます。
幼なじみの悠也に、恋心を抱くことに罪悪感を持ち続ける楓。
逃げるように東京の大学に行き、田舎故郷に二度と帰るつもりもなかったが、大学三年の夏休みに母親からの電話をきっかけに帰省することになる。
見慣れた駅のホームには、悠也が待っていた。あの頃と変わらない無邪気な笑顔のままー。
何年もずっと連絡をとらずにいた自分を笑って許す悠也に、楓は戸惑いながらも、そばにいたい、という気持ちを抑えられず一緒に過ごすようになる。もう少し今だけ、この夏が終わったら今度こそ悠也のもとを去るのだと言い聞かせながら。
しかしある夜、悠也が、「ずっと親友だ」と自分に無邪気に伝えてくることに耐えきれなくなった楓は…。
お互いを大切に思いながらも、「すき」の色が違うこととうまく向き合えない、不器用な少年二人の物語。
主人公楓目線の、片思いBL。
プラトニックラブ。
いいね、感想大変励みになっています!読んでくださって本当にありがとうございます。
2024.11.27 無事本編完結しました。感謝。
最終章投稿後、第四章 3.5話を追記しています。
(この回は箸休めのようなものなので、読まなくても次の章に差し支えはないです。)
番外編は、2人の高校時代のお話。
林檎を並べても、
ロウバイ
BL
―――彼は思い出さない。
二人で過ごした日々を忘れてしまった攻めと、そんな彼の行く先を見守る受けです。
ソウが目を覚ますと、そこは消毒の香りが充満した病室だった。自分の記憶を辿ろうとして、はたり。その手がかりとなる記憶がまったくないことに気付く。そんな時、林檎を片手にカーテンを引いてとある人物が入ってきた。
彼―――トキと名乗るその黒髪の男は、ソウが事故で記憶喪失になったことと、自身がソウの親友であると告げるが…。
十七歳の心模様
須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない…
ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん
柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、
葵は初めての恋に溺れていた。
付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。
告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、
その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。
※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる