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三木風雅ルート

体育祭種目決め

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 6月にある体育祭の種目決め。
少し早いんじゃ?とか思ったけど、真夏にやると
熱中症でバタバタ倒れる人が出てくるから6月らしい。
金持ちの子も多く、そう言った人は暑さや寒さに弱い。


あと1ヶ月半先だけど文武両道を掲げる学校なだけ
あって、練習や準備は抜かりない。
入場門・退場門・テントの設置は前日に業者が来て
するらしい。




「先ずはクラス対抗リレーの選手を決めます。
これは男女各4人ずつで体育の時間に計測したタイムで
速かった人から選ばれます。

男子は火村蓮・安部響・加藤翔・瀬野秀哉。
女子は椎名楓・久保田栞・須磨美琴・新山千春。」


「おう、頑張るぜ。」


「するからには全力だ。」


「頑張ろうね。」




 ………運動神経がいい人って熱血が多いよね。
やる気があるのはいいことだけど。




「色別対抗リレーは男女合わせて速い人を4人。」


「男女合わせてって名目上はなってるけど、
実際は男子だけだ。
女子で6秒台はそうそういないからな。」




 秋篠宮先生がそう言った。
箱入り育ちのお嬢様ともなれば尚更。
このクラスの女子は「おーほっほっ」って高笑いしそうなお嬢様はいないみたいだけど。




「しかしうちのクラスは女子の選抜者がいるな?」


「はい。色別対抗リレーの選手は椎名楓・火村蓮・
安部響・加藤翔の4人です。」


「ちなみに椎名は何秒なんだ?」


「5.98です。」


「おお。流石だな。」




 6秒を切ってる。単純計算だと100mで11.96。
日本人の過去最高は11.21だからかなり速いと言える。




「凄いな、椎名。」


「これでもアスリートですから!普段からランニングマシーンで1日20km走ってるし。」


「陸上選手並みのハードメニュー………」




 ジャンプをする上で足の筋力をアップさせなければ
いけない。ゴツい筋肉ではなく、しなやかな筋肉になるように計算してメニューを組み立てている。




「次は借り物競争に出る人を決めるよ。
男女各5名。」




 じゃんけんで恨みっこなしの勝負。
ぷふっ、お題が【校長の鬘】とかだったら定番過ぎて笑える。


スムーズに決まった。
恨みがましい目でこっちを見ている人がいるけど無視。
下手に声をかけるとこじれる。




「騎馬戦は………………」


「綱引きは………………」




 花形競技は人気で騎馬戦は人気だけど全員が参加する
競技だから揉めずにすんだ。
4人1組のグループをつくるんだけど女子は9人。
他のクラスもそのくらいの人数。
試合をするには盛り上がりが欠けるということで参加は
男子だけみたい。




「全員リレーの順番は記録を元に決めて、
後日皆に確認する形をとる。それでいい?」


「いいよ~。」


「問題ない。」




 思っていたよりもスムーズに終わった。
いつ身体能力チートが無くなるか分からない今、
体育祭の選抜選手に選ばれるのは不安が残るけど
出せる限りを振り絞って頑張ろう。
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