異世界転生~無自覚に愛されちゃってます~

クロウ

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到着1

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「ねえ、フェル?」

『何だ?』

「小さくなって。」

『何故だ?
大きい方が威圧感があって、悪いやからが寄ってこないではないか。』

「うん、そうなんだけどね。
大きすぎて目立つから。」



フェルに小さくなってもらってから、門へと近づいた。

………可愛すぎて辛い。
人目があるから思いっきり可愛がれないのが辛い。
だからせめて、強く抱き締めることにした。



「むぎゅっ」



辺りは人が沢山いる。
私は子供だから、大人よりも身長が低いため、
埋もれかけている。

ちゃんと列に並んでいるのに身長が低くて視界に入っていないせいか、抜かされていく。
1度「並んでいます!」と言ったのだが、
怖い顔で睨み付けられ、それ以降は言えずにいた。



「うう………。」

『セシリア、こやつらを殲滅しても良いか?』

「駄目。」



愛しのフェルはいちいち物騒だ。
でも可愛いから許す。

そんなこんなで1時間くらい待ち続けていたら、
とんとんとんと肩を軽く叩かれた。



ビックゥ



「驚かせてしまってすまない。」



少し低めの、落ち着いた声が聞こえた。
そーっと振り向くと、そこにはイケメンがいた。



「驚かせてしまってすまないな。
俺は黒騎士団に所属している、アレクシスと言う。」

「あ、私は、セシリアです。」

「セシリア、あっちで手続きをしよう。」

「え?」


「先程から何度か抜かされているのを見た。
かなり前からいるのだろう?
こっちで手続きをしてやる。」



私の歩調に合わせて、ゆっくりと歩いてくれる。



「腕に抱いているのは何だ?」

「フェル、って名前です。森で出会ったんですよ。」

「そうか。」



何気ない会話をしていたら、直ぐに手続きの所に来た。



「この水晶に手を翳してくれ。」



翳してみるが、何も起こらない。
どうやら何か起こったら、犯罪者ということらしい。



「身分証明書はあるか?」

「!?」



そんなのは無いぞ。
だってこの世界で生まれてないんだし。
どうしよどうしよ。

あまりにもおろおろとしてしまったからか、
アレクシスさんが慌ててフォローしてくれた。



「ああ、身分証明書が無くても銀貨3枚あれば町に入れるんだが………無いみたいだな。」



察してくれた。



『セシリア、薬草を売れば銀貨3枚にはなるぞ。』

「あっ!」

「どうした?」

「あ、あの、薬草を持っているんですけれど、
それを売れば銀貨3枚くらいにはなるかなって………。」

「見せてくれ。」



森で拾った薬草を何束かアレクシスさんに渡した。
量が少なかったかな?
ならまだまだあるから渡せるんだけど。



「…………この薬草はどこで採取した?」



先程よりも幾分か低い声でそう問われた。
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