竜人の溺愛

クロウ

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出会い2

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(どこ?こっちか。早く会いたい)




 城下にいる人々は竜化できるのは王族だと理解し、逃げ惑う様子はない。むしろ王族が番を見つけられたのだと興奮してお祭り騒ぎだ。


竜には番制度というものがある。番を見つけた竜人は長い間蜜月に入る。血が濃い竜人ほど期間が長く、長くて1年ほど。その期間の業務や給与の支払いについて定められたものだ。


と言っても再度のことになるが番の本能がある者は大抵が上位貴族。お金に困ることはないから適用されるのは蜜月中の業務についてだ。


 イディオスが辿り着いたのは城下に入るために検査を
受けている人々の列。


列にいる人達は竜の機嫌を損ねて食われまいと悲鳴をあげそうになるのを必死にこらえ、竜の動向を必死に見守っている。




(いた)




 列の中央付近にいた。竜化を解いてから近づく。目的の人へと一直線。イディオスの目的の人が分かったのか、近くにいた人達は蜘蛛の子を散らすように場を離れた。


本人は目を見開いて驚いている。




(そんな姿もかわいい)


「えっ?え?」


「戸惑う姿もかわいいね」


「え?」


「愛しの番。名前を教えてくれ」


「あ、せ、セシリアです」


「僕はイディオス。イオって呼んで、セシリア」


「い、イオ?」




 かわいい、かわいいかわいいかわいいなあ。直ぐにドレスや装飾品を注文しないと。父上や兄上のことだからその辺は準備してくれているだろうなあ。楽しみ。


コテンッと首をかしげる姿がかわいい。




「じゃあ城へ行こう?通るぞ」




 「行こう」と「通るぞ」の声色が違いすぎ。




「ハッ!」


「あ、あの!」


「何?」


「私、働きに王都に来たんです。」


「運命の出会いだね。僕の妃として働こうか。給与はドレス・宝石、何でもいいよ」


「イオ様を見ても………


「イオ」




 言外に籠められた思い。イオという呼び名以外は許さないぞという副音声が聞こえてきた。




「イオを見ても何も感じなかったですし、
番というのはまちが………


「え?」


「ひいっ」


「今、何て言った?周りが騒がしくて聞こえなかった」




 因みに周囲の人々は一言も声を発していない。




「ま、まだイオのことを知らないですし、
お付き合いをするのは互いを知ってからでもと」


「もっと僕のことを知りたいって?かわいいことを言うなあ。じゃあ詳しくは城で話そうか」




 お姫様抱っこで城下を歩くなど羞恥の極み。滅茶苦茶注目されている。




「かわいい、かわいいセシリア。絶対に逃がさないよ」




 周囲の視線にプルプルとしているセシリアにはその声は聞こえなかった。
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