12 / 13
夜会1
しおりを挟む
「イオ、どう?」
「かわいいだけでなく美しさも兼ね備えているんだね」
「ふふふ」
夜会当日。ドレスを着るのは日本人の意識を持つ自分にとっては違和感ありまくりだし、高価な宝石を身につけるのは精神的に負荷がかかるけど好きな人の隣にいるためだ。王子の妻となるのだから頑張らないと。
家庭教師に王国や周辺諸国の歴史、貴族の対処法、マナー、ダンス等を教わっている。普通の平民…いや、まあ前世も平民といえば平民か。日本は教育水準が高い方だし、自分は頭が悪いというわけではないので飲み込みは良い方だとは思う。
「イオ、どうしたの?」
「ん?」
「うーん。説明しづらいんだけれど、いつもと様子が違うような感じがして」
「リア………」
イディオスは驚いた。今日起こりうる出来事を心配かけまいと内緒にしていたが、表に出ていたのか。話そうか話さないかどうしようか。
「イオ」
セシリアはそんなイディオスの葛藤に気づいたのか優しく声をかけた。
「イオ、私は貴方の何?」
「この世で何よりも大切な番」
即答で答えてきた。
「そうだよね。私はね、貴方に寄り添って生きていきたいと思っているの。王族に嫁ぐ時点で色々覚悟したつもり。今日、何かあるんでしょう?」
騎士との訓練を見ていたときに敵意のある視線に気づいた。番文化がある国とはいえ今では番の本能が無い人が大半である。王子・容姿端麗・お金持ちといった高いスペックを兼ね備えたぽっと出の平民を快く思わない貴族もいる。夜会には多くの人が招待されていてそういった人もいることだろう。
「…………おいたをする女が出る可能性が高いんだ。色々と保護魔法をかけているとはいえ少し心配で」
「私は大丈夫。イオが守ってくれているんでしょう?それに私も守られているばかりじゃないよ。何かあったとき守ってみせるから」
「俺のリアは強くて美しくてかわいくもあるなんて最強だ。そうだね。リアが信頼してくれている自分を信頼することにするよ」
皆に認められる人間なんていない。だけど、城に来てから多くの人に認められるよう努力をしてきたし、これからも努力をしていく。その令嬢には認められることはないかもしれない。でも、その努力の姿勢で1人でも多くの人を味方につけ、イディオスの支えとなることが私の目標だ。
そんな風にポジティブに考えているセシリアとは違い、イディオスはどう女を処理するか考えていた。
(目の前で断罪するとリアが気に病むか?いや、リアはクレバーなところがある。罰を与えてもそれに値することなら思い悩みはしないはず。
夜会で見せしめにすることによってセルバンテス家の令嬢ほどではないけれどリアを疎ましく思っている奴らを牽制することができる。絶対に守ってみせる)
男の話していた眉唾物の「魅了の魔道具」や「呪術」を最大限警戒して夜会に臨む。
「かわいいだけでなく美しさも兼ね備えているんだね」
「ふふふ」
夜会当日。ドレスを着るのは日本人の意識を持つ自分にとっては違和感ありまくりだし、高価な宝石を身につけるのは精神的に負荷がかかるけど好きな人の隣にいるためだ。王子の妻となるのだから頑張らないと。
家庭教師に王国や周辺諸国の歴史、貴族の対処法、マナー、ダンス等を教わっている。普通の平民…いや、まあ前世も平民といえば平民か。日本は教育水準が高い方だし、自分は頭が悪いというわけではないので飲み込みは良い方だとは思う。
「イオ、どうしたの?」
「ん?」
「うーん。説明しづらいんだけれど、いつもと様子が違うような感じがして」
「リア………」
イディオスは驚いた。今日起こりうる出来事を心配かけまいと内緒にしていたが、表に出ていたのか。話そうか話さないかどうしようか。
「イオ」
セシリアはそんなイディオスの葛藤に気づいたのか優しく声をかけた。
「イオ、私は貴方の何?」
「この世で何よりも大切な番」
即答で答えてきた。
「そうだよね。私はね、貴方に寄り添って生きていきたいと思っているの。王族に嫁ぐ時点で色々覚悟したつもり。今日、何かあるんでしょう?」
騎士との訓練を見ていたときに敵意のある視線に気づいた。番文化がある国とはいえ今では番の本能が無い人が大半である。王子・容姿端麗・お金持ちといった高いスペックを兼ね備えたぽっと出の平民を快く思わない貴族もいる。夜会には多くの人が招待されていてそういった人もいることだろう。
「…………おいたをする女が出る可能性が高いんだ。色々と保護魔法をかけているとはいえ少し心配で」
「私は大丈夫。イオが守ってくれているんでしょう?それに私も守られているばかりじゃないよ。何かあったとき守ってみせるから」
「俺のリアは強くて美しくてかわいくもあるなんて最強だ。そうだね。リアが信頼してくれている自分を信頼することにするよ」
皆に認められる人間なんていない。だけど、城に来てから多くの人に認められるよう努力をしてきたし、これからも努力をしていく。その令嬢には認められることはないかもしれない。でも、その努力の姿勢で1人でも多くの人を味方につけ、イディオスの支えとなることが私の目標だ。
そんな風にポジティブに考えているセシリアとは違い、イディオスはどう女を処理するか考えていた。
(目の前で断罪するとリアが気に病むか?いや、リアはクレバーなところがある。罰を与えてもそれに値することなら思い悩みはしないはず。
夜会で見せしめにすることによってセルバンテス家の令嬢ほどではないけれどリアを疎ましく思っている奴らを牽制することができる。絶対に守ってみせる)
男の話していた眉唾物の「魅了の魔道具」や「呪術」を最大限警戒して夜会に臨む。
10
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
逃した番は他国に嫁ぐ
基本二度寝
恋愛
「番が現れたら、婚約を解消してほしい」
婚約者との茶会。
和やかな会話が落ち着いた所で、改まって座を正した王太子ヴェロージオは婚約者の公爵令嬢グリシアにそう願った。
獣人の血が交じるこの国で、番というものの存在の大きさは誰しも理解している。
だから、グリシアも頷いた。
「はい。わかりました。お互いどちらかが番と出会えたら円満に婚約解消をしましょう!」
グリシアに答えに満足したはずなのだが、ヴェロージオの心に沸き上がる感情。
こちらの希望を受け入れられたはずのに…、何故か、もやっとした気持ちになった。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
運命の番?棄てたのは貴方です
ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。
番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。
※自己設定満載ですので気を付けてください。
※性描写はないですが、一線を越える個所もあります
※多少の残酷表現あります。
以上2点からセルフレイティング
【完結】2番目の番とどうぞお幸せに〜聖女は竜人に溺愛される〜
雨香
恋愛
美しく優しい狼獣人の彼に自分とは違うもう一人の番が現れる。
彼と同じ獣人である彼女は、自ら身を引くと言う。
自ら身を引くと言ってくれた2番目の番に心を砕く狼の彼。
「辛い選択をさせてしまった彼女の最後の願いを叶えてやりたい。彼女は、私との思い出が欲しいそうだ」
異世界に召喚されて狼獣人の番になった主人公の溺愛逆ハーレム風話です。
異世界激甘溺愛ばなしをお楽しみいただければ。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!
ユウ
恋愛
平凡な伯爵令嬢のリネットは優しい婚約者と妹と穏やかで幸福な日々を送っていた。
相手は公爵家の嫡男であり第一王子殿下の側近で覚えもめでたく社交界の憧れの漆黒の騎士と呼ばれる貴族令息だった。
結婚式前夜、婚約者の妹に会いに学園に向かったが、そこで事件が起きる。
現在学園で騒動を起こしている第二王子とその友人達に勘違いから暴行を受け階段から落ちてしまう…
その時に前世の記憶を取り戻すのだった…
「悪役令嬢の兄の婚約者って…」
なんとも微妙なポジション。
しかも結婚前夜で傷物になる失態を犯してしまったリネットは婚約解消を望むのだが、悪役令嬢の義妹が王子に婚約破棄を突きつける事件に発展してしまう。
婚約者が実は私を嫌っていたので、全て忘れる事にしました
Kouei
恋愛
私セイシェル・メルハーフェンは、
あこがれていたルパート・プレトリア伯爵令息と婚約できて幸せだった。
ルパート様も私に歩み寄ろうとして下さっている。
けれど私は聞いてしまった。ルパート様の本音を。
『我慢するしかない』
『彼女といると疲れる』
私はルパート様に嫌われていたの?
本当は厭わしく思っていたの?
だから私は決めました。
あなたを忘れようと…
※この作品は、他投稿サイトにも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる