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プロローグ
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とても学園の中とは思えない程煌びやかな会場。
1年に1度の学園内の舞踏会。4学年が全員揃う大きな舞踏会なので、会場はとても大きい。
ここ王立学園は、貴族専用の学校であり男爵から公爵、そして王族も通う大きな学校である。
貴族が通うだけあって作りは全て一級品。
学力水準も他の学校に比べると高い。そのため、クラス分けは学力でほぼ決まる。
AクラスからDクラスまであるクラスは、学力が高い者がAクラス、そこから段々下がっていく。
Aクラスであれば爵位が低くても大抵、望む仕事に就くことが出来る。反対にDクラスだとほとんど望む仕事には就けないと思っていい。就くことが出来ても出世などは望めない。女性も仕事はおろか、爵位が低ければ低いほど婚約者を見つけることも難しくなってしまう。
なかなか厳しい学園ではあるが、王立なのは唯一ここだけなので、ここに入ることが貴族の間では一種のステータスになっているのだ。
そんな王立学園では今、1年を締めくくる行事である学園舞踏会が行われていた。
今日ばかりは皆、制服を脱ぎ本物の舞踏会のようにドレスを着て着飾っている。
4年生にとっては最後の舞踏会であり、この後はもう卒業式を待つばかりだ。
宴もたけなわ、あと少しすれば在校生の中でトップの成績と権力を誇る王弟であるゲイブリエル・アッガルディ殿下が挨拶をして締めくくる時間になる。
「殿下、そろそろご準備を」
学園長に促され舞台へ上がるゲイブリエル殿下。国王と同じプラチナシルバー色の髪を少し長めにした長身。ブルーサファイアの瞳は、見るもの全てを魅了してしまうのではと噂される程美しい。
「待ってください!!」
そんなゲイブリエル殿下の後ろから声を掛けてきたのは彼の甥、つまり王の息子だった。
こちらは鮮やかな金色の髪、栗色の瞳で可愛らしい顔立ちをしている。髪も瞳の色も王妃に似たようだ。
「ダヴィデ?どうした?」
ゲイブリエル殿下が不思議そうにダヴィデ殿下を見つめる。
「どうしてもここで、言わなければいけない事があるのです。兄上の前に少しいいでしょうか?」
叔父と甥の関係ではあるが、歳が近い事もあってダヴィデ殿下はゲイブリエル殿下を兄と呼んでいる。
「私は別に構わないが……」
学園長と目を合わせれば、大きな溜息と共に頷いた。
「いいそうだ。何をするのか知らないけれど、なるべく手短にするんだぞ」
ゲイブリエル殿下が微笑と共に了承すれば、ニヤッと笑うダヴィデ殿下。
「皆、楽しく過ごしている所すまないが、どうしてもここで話したいことがある」
舞台の中央に立ち、大きな声で叫ぶように発言する王子に、皆の視線が注目した。
すると、一人の令嬢が舞台に上がり、当然のようにダヴィデ殿下の横に並び彼の腕に絡みつく。小柄な身体にオレンジのフワフワした髪をなびかせて、ヘーゼルカラーの瞳はくりくりしている。その令嬢を見てニヤッとした王子は更に声を張り上げるように叫んだ。
「私はここで宣言する!アリアンナ・ヴォルテーラ公爵令嬢との婚約を、この場を持って破棄する!!」
シンと静まる会場。皆に声が届いたことに満足そうににやつくダヴィデ殿下と隣に並ぶ令嬢。
そしてしばしの沈黙の後、やって来たのは会場が揺れる程の大歓声だった。
1年に1度の学園内の舞踏会。4学年が全員揃う大きな舞踏会なので、会場はとても大きい。
ここ王立学園は、貴族専用の学校であり男爵から公爵、そして王族も通う大きな学校である。
貴族が通うだけあって作りは全て一級品。
学力水準も他の学校に比べると高い。そのため、クラス分けは学力でほぼ決まる。
AクラスからDクラスまであるクラスは、学力が高い者がAクラス、そこから段々下がっていく。
Aクラスであれば爵位が低くても大抵、望む仕事に就くことが出来る。反対にDクラスだとほとんど望む仕事には就けないと思っていい。就くことが出来ても出世などは望めない。女性も仕事はおろか、爵位が低ければ低いほど婚約者を見つけることも難しくなってしまう。
なかなか厳しい学園ではあるが、王立なのは唯一ここだけなので、ここに入ることが貴族の間では一種のステータスになっているのだ。
そんな王立学園では今、1年を締めくくる行事である学園舞踏会が行われていた。
今日ばかりは皆、制服を脱ぎ本物の舞踏会のようにドレスを着て着飾っている。
4年生にとっては最後の舞踏会であり、この後はもう卒業式を待つばかりだ。
宴もたけなわ、あと少しすれば在校生の中でトップの成績と権力を誇る王弟であるゲイブリエル・アッガルディ殿下が挨拶をして締めくくる時間になる。
「殿下、そろそろご準備を」
学園長に促され舞台へ上がるゲイブリエル殿下。国王と同じプラチナシルバー色の髪を少し長めにした長身。ブルーサファイアの瞳は、見るもの全てを魅了してしまうのではと噂される程美しい。
「待ってください!!」
そんなゲイブリエル殿下の後ろから声を掛けてきたのは彼の甥、つまり王の息子だった。
こちらは鮮やかな金色の髪、栗色の瞳で可愛らしい顔立ちをしている。髪も瞳の色も王妃に似たようだ。
「ダヴィデ?どうした?」
ゲイブリエル殿下が不思議そうにダヴィデ殿下を見つめる。
「どうしてもここで、言わなければいけない事があるのです。兄上の前に少しいいでしょうか?」
叔父と甥の関係ではあるが、歳が近い事もあってダヴィデ殿下はゲイブリエル殿下を兄と呼んでいる。
「私は別に構わないが……」
学園長と目を合わせれば、大きな溜息と共に頷いた。
「いいそうだ。何をするのか知らないけれど、なるべく手短にするんだぞ」
ゲイブリエル殿下が微笑と共に了承すれば、ニヤッと笑うダヴィデ殿下。
「皆、楽しく過ごしている所すまないが、どうしてもここで話したいことがある」
舞台の中央に立ち、大きな声で叫ぶように発言する王子に、皆の視線が注目した。
すると、一人の令嬢が舞台に上がり、当然のようにダヴィデ殿下の横に並び彼の腕に絡みつく。小柄な身体にオレンジのフワフワした髪をなびかせて、ヘーゼルカラーの瞳はくりくりしている。その令嬢を見てニヤッとした王子は更に声を張り上げるように叫んだ。
「私はここで宣言する!アリアンナ・ヴォルテーラ公爵令嬢との婚約を、この場を持って破棄する!!」
シンと静まる会場。皆に声が届いたことに満足そうににやつくダヴィデ殿下と隣に並ぶ令嬢。
そしてしばしの沈黙の後、やって来たのは会場が揺れる程の大歓声だった。
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