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第1章 新人編
第4話ー① もう一人の自分
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キリヤと優香は1年半ぶりに学生時代を過ごしていた保護施設にやってきていた。
「先生には連絡入れたんだっけ?」
「うん。すぐに行くって」
キリヤと優香はエントランスゲートの前で、暁が来るのを待っていた。
キリヤたちは研究所から施設の入場を許可されているものの、施設の教師である暁の許可がなければ、このゲートは潜れないようになっていた。
そして建物の中から黒いジャージを着て、黒髪をなびかせながら大きく手を振っている男性が出てくる。
「おーい! 待たせたな!!」
「先生!!」
キリヤはその声に応えるように大きな声で手を振り返した。
そう、彼が僕たちの恩師、三谷暁先生だ――。
暁はゲート前に着き、ゲストパスをキリヤに手渡した。
そしてキリヤたちはそのパスを使い、施設の敷地内へと入った。
「ありがとう、先生!」
「おう!! それにしても久しぶりだな、キリヤ! 優香も!!」
暁は笑いながらそう言った。
「そうですね、お久しぶりです、先生」
優香は微笑みながら、暁にそう告げる。
「確かにここへ来るのは1年半ぶりくらいか。先生は相変わらずみたいで安心したよ!」
キリヤが笑顔でそう言うと、
「そうか? でもそういう2人は雰囲気が変わったな! 大人っぽくなったていうか……」
暁はそう言いながら、2人をまじまじと見つめた。
「僕はそんなに変わったつもりはないんだけどな、あはは」
そんなに見つめられると恥ずかしいな――そんなことを思って、頬を掻くキリヤ。
「そっか! それで、仕事は順調か?」
「ま、まあ。そこそこに」
「そうか。それならよかったよ! じゃあ、立ち話もなんだから、食堂に行こうか! まゆおたちが待ってるからさ!」
暁は笑顔でそう告げた。
「そうなんだ!」
「みんな、2人に会えるって楽しみにしているんだぞ?」
「それは嬉しいね、優香!」
「ええ、そうですね」
そしてキリヤたちは食堂へ向かって歩き出す。
「ねえキリヤ君。ここに来た目的、忘れていないよね?」
優香はキリヤにこっそりと問う。
「先生にもう一人の自分と会話したかどうかの確認、でしょ? もちろんわかっているよ」
「うんうん」
優香は納得したようで、満足そうに頷いていた。
「そういえば、2人が卒業した後にまた新しい生徒が増えてな。少し癖は強いけど、なかなか面白い3人だから、仲良くしてやってくれ」
暁は歩きながら楽しそうにそう言っていた。
「うん。きっと先生の生徒だもん。良い子たちに決まっているよ」
キリヤはそう言いながら、暁に微笑む。
キリヤたちが食堂に着くと、そこには顔をよく知るまゆおと結衣、そして真一がいた。
「キリヤ君! 久しぶり!」
まゆおはそう言いながら、キリヤたちに微笑みかける。
「まゆお! 元気そうだね!! みんなも久しぶり!」
「本当にお久しぶりですな。お二人とも元気にしておられましたか!!」
「ええ。私達は元気にやっていましたよ。流山さんはどうでした?」
優香は笑顔で結衣に尋ねていた。
元気にやっていたと優香は言っていたけれど、本当は少し前まで危ない状態だったんだよね――キリヤは優香を見ながらそんなことを考えていた。
「そういえば、前に電話でさ……ってキリヤ? どうしたんだ? なんだか不安な顔をしているみたいだけど?」
キリヤの表情を心配した暁が顔を覗き込みながら、キリヤにそう尋ねる。
そう言われたキリヤははっとして、
「え……うーん。大丈夫! やっぱり、今じゃないよね。うん。またあとで詳しく話すよ」
そう言って笑った。
「ん? あ、ああ。わかった」
暁は少し疑問を抱きつつも、納得したようだった。
あまり先生に心配かけちゃダメだよね――そう思ったキリヤは、結衣たちの元へと向かった。
「先生には連絡入れたんだっけ?」
「うん。すぐに行くって」
キリヤと優香はエントランスゲートの前で、暁が来るのを待っていた。
キリヤたちは研究所から施設の入場を許可されているものの、施設の教師である暁の許可がなければ、このゲートは潜れないようになっていた。
そして建物の中から黒いジャージを着て、黒髪をなびかせながら大きく手を振っている男性が出てくる。
「おーい! 待たせたな!!」
「先生!!」
キリヤはその声に応えるように大きな声で手を振り返した。
そう、彼が僕たちの恩師、三谷暁先生だ――。
暁はゲート前に着き、ゲストパスをキリヤに手渡した。
そしてキリヤたちはそのパスを使い、施設の敷地内へと入った。
「ありがとう、先生!」
「おう!! それにしても久しぶりだな、キリヤ! 優香も!!」
暁は笑いながらそう言った。
「そうですね、お久しぶりです、先生」
優香は微笑みながら、暁にそう告げる。
「確かにここへ来るのは1年半ぶりくらいか。先生は相変わらずみたいで安心したよ!」
キリヤが笑顔でそう言うと、
「そうか? でもそういう2人は雰囲気が変わったな! 大人っぽくなったていうか……」
暁はそう言いながら、2人をまじまじと見つめた。
「僕はそんなに変わったつもりはないんだけどな、あはは」
そんなに見つめられると恥ずかしいな――そんなことを思って、頬を掻くキリヤ。
「そっか! それで、仕事は順調か?」
「ま、まあ。そこそこに」
「そうか。それならよかったよ! じゃあ、立ち話もなんだから、食堂に行こうか! まゆおたちが待ってるからさ!」
暁は笑顔でそう告げた。
「そうなんだ!」
「みんな、2人に会えるって楽しみにしているんだぞ?」
「それは嬉しいね、優香!」
「ええ、そうですね」
そしてキリヤたちは食堂へ向かって歩き出す。
「ねえキリヤ君。ここに来た目的、忘れていないよね?」
優香はキリヤにこっそりと問う。
「先生にもう一人の自分と会話したかどうかの確認、でしょ? もちろんわかっているよ」
「うんうん」
優香は納得したようで、満足そうに頷いていた。
「そういえば、2人が卒業した後にまた新しい生徒が増えてな。少し癖は強いけど、なかなか面白い3人だから、仲良くしてやってくれ」
暁は歩きながら楽しそうにそう言っていた。
「うん。きっと先生の生徒だもん。良い子たちに決まっているよ」
キリヤはそう言いながら、暁に微笑む。
キリヤたちが食堂に着くと、そこには顔をよく知るまゆおと結衣、そして真一がいた。
「キリヤ君! 久しぶり!」
まゆおはそう言いながら、キリヤたちに微笑みかける。
「まゆお! 元気そうだね!! みんなも久しぶり!」
「本当にお久しぶりですな。お二人とも元気にしておられましたか!!」
「ええ。私達は元気にやっていましたよ。流山さんはどうでした?」
優香は笑顔で結衣に尋ねていた。
元気にやっていたと優香は言っていたけれど、本当は少し前まで危ない状態だったんだよね――キリヤは優香を見ながらそんなことを考えていた。
「そういえば、前に電話でさ……ってキリヤ? どうしたんだ? なんだか不安な顔をしているみたいだけど?」
キリヤの表情を心配した暁が顔を覗き込みながら、キリヤにそう尋ねる。
そう言われたキリヤははっとして、
「え……うーん。大丈夫! やっぱり、今じゃないよね。うん。またあとで詳しく話すよ」
そう言って笑った。
「ん? あ、ああ。わかった」
暁は少し疑問を抱きつつも、納得したようだった。
あまり先生に心配かけちゃダメだよね――そう思ったキリヤは、結衣たちの元へと向かった。
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