【外伝】 白雪姫症候群 ースノーホワイト・シンドロームー

しらす丼

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第2章 魔女たちの暗躍編

第2話ー③ 眠り姫との再会

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 鉄の扉からもっと先に進むと、先ほどまでの日本の古き良き雰囲気はなく、研究所のような白い廊下が続いていた。

「ここは近代的な造りなんだね……」
「あの外見からは想像できないっしょ?」
「うん。そうだね……」

 キリヤはそう言って、感心しながらその廊下を歩く。

 そしてその廊下の終わりに、一つの部屋があった。

「ここにこの施設のおさがいるから」

 いろははキリヤの顔をまっすぐに見てそう言った。

「お、おさ……」

 キリヤはそう言って、ごくりと唾をのむ。

 いろはがそんな真剣な顔をするなんて……もしかして、怖い人なのかな――

「うん! まあそんなにかしこまることないけどね! 失礼しまーす!!」

 いろはは笑いながらそう言って、その扉を開けた。

「いろは!? ちょっとまだ心の準備が――!」

 そしてその中には、PCに向かう一人の男性がいた。

「速水さん、勝手に入ってきちゃダメだといつもいっているだろう」

 その人はPCに顔を向けたまま、いろはにそう告げる。

「だってお客さんだよ? 研究所からの」
「なんだって!!」

 そう言って、勢いよく立ち上がる男性。そしてキリヤたちの方を向くと、そのままカツカツとキリヤたちに迫ってきた。

「あ、えっと……櫻井所長に言われてきたんですが……」

 キリヤはその勢いに圧倒され、委縮してしまう。

 そしてその男はキリヤたちの目の前で止まり、キリヤの顔をまじまじと眺める。

 もしかして怒られる? 勝手に入ってきたから――?

 キリヤがそんなことを考えていると、その男性はキリヤの肩をガシッと掴みながら、

「ようこそ! 君たちが来るのを待っていたよ!」

 嬉しそうにそう言って笑った。

「ありがとう、ございます……」

 どうやら怒っていると思ったのは、僕の勘違いだったみたい――?

 そしてほっとするキリヤだった。

 それから来客用の部屋に通されたキリヤと優香。

「自分の名前は角田すみだ尚之なおゆきだ! よろしくね」

 そう言って微笑む角田。

 それから角田は軽い自己紹介をキリヤたちにした。所長の櫻井との付き合いは長く、そして現在は結婚して2人の子供がいるということ。

 所長と違い、プライベートは順風満帆の様子なんだな――。

 話を聞きながらそう思うキリヤだった。

 そしてこの施設の管理人をしており、『ポイズン・アップル』の調査といろはのお守り役をしている。

 もちろんのこと、角田もキリヤたちと同じく特別機動隊『グリム』の一員である。

「櫻井から君たちのことはよく聞いているよ。新人なのによくやってくれているってね」

 そう言って、微笑む角田。

「そんな……まだまだですよ」
「ははは! そこで謙遜できるのなら、まだまだ伸びしろがありそうだな」
「ありがとうございます」

 それからキリヤたちは施設内の見学といろはが日々どんなことをして過ごしているのかを見学させてもらった。

 まずは全身の検査から行い、その後は研究のためのデータ取り、そして必要な勉強をした後は自由時間となる。

 いろはは2年間もこの生活を送っているらしい。そしてその間は文句ひとつ言わず、協力的に検査やデータ取りに参加しているんだとか。

 キリヤは、僕が同じ立場ならくじけてしまいそうなのに。いろはは本当にすごいな――と感心していた。

 突然一人でこんなところに連れてこられて、それでいつまで続くかもわからない研究に参加させられているいろは。でも依然と変わらない明るい表情で、とても楽しそうに日々を送っていたようだった。

「速水さん、強いですね」

 優香はそんないろはの姿を見て、そう呟いた。

「そうだね。僕も見習わないと」

 キリヤはそう言いながら、「ふっ」と笑う。

 そう話すキリヤたちの隣に角田はやってくると、

「速水さんには助けられてばかりだよ。彼女をここで受け入れることになった時、僕たちは不安しかなかったんだ。『ポイズン・アップル』の被害者をかくまうなんてできるのかって。でも彼女の笑顔を見たら、僕たちもやる気が出てね」

 そう言って笑った。

「そうなんですね」

 いろははここでも誰かを笑顔にしていたんだな――

 そう思いながら微笑むキリヤ。

「だから僕たちは何があっても、ここで彼女を守り切ってみせるよ。だから、君たちがこの事件を……『ポイズン・アップル』の被害者を救ってくれ」

 角田はそう言いながら、キリヤたちに頭を下げる。

 そしてキリヤと優香は顔を見合わせてから「はい!」と返事をした。

 その後、キリヤは自由時間となったいろはと雑談をしてから、今日の任務は終了した。
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