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第2章 変動
第9.5話ー① 聖夜のお祝い
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俺はこの施設で、初めてのクリスマスを迎える。
「クリスマスってこの施設では何か特別なことをしたりするのか?」
俺は今日も俺の部屋に入り浸って、植物の世話をしているキリヤに尋ねる。
「特別なことか……。うーん。夕食にケーキが出るとかそれくらいのことかな。でもいきなりどうしたの?」
「いや、子供ってクリスマスが好きだろう? だから、政府や研究所の人たちがここの生徒たちのために何か催し物を用意するのかなと思ってな」
「僕たちはクリスマスではしゃぐほど、子供じゃないよ!」
キリヤは頬を膨らませながら、プンプンしていた。
「そ、そうか! ごめんな、そうだよな!」
キリヤたちは未成年でまだ子供だといっても、確かに高校生にもなれば、クリスマスにはしゃぐなんてことあるはずがないか。
俺は認識を改めなくちゃと思った。
「でもマリアは喜ぶかも。クリスマスはマリアの誕生日だから」
「そうか。マリアは誕生日なのか……じゃあマリアのお誕生日会でもやるか!」
「いいね、それ! 絶対マリアは喜ぶと思う!」
キリヤは自分のことのように喜びながら、そう言った。
そして俺とキリヤは来るマリアの誕生日の為、準備を進めることにした。
「祝うとは言ったものの、何からしたらいいものか……」
俺は頭を悩ませながら、考えていた。
「そういえば、去年の誕生日まではどうやってお祝いしていたんだ?」
俺は隣で考えているキリヤに聞いてみた。
「去年までか……。プレゼントを渡して、『お誕生日おめでとう!』って言って終了だったかも」
「え? それだけか……? キリヤは本当にマリアのことを大切に思っているのか」
俺は呆れながら、キリヤに言い放つ。
「日頃の愛情の向け方が違うんだよ! 年に1回の特別な愛情じゃなくて、僕は毎日マリアに愛情を注いでいるの!!」
むきになって答えるキリヤ。
「そうか、そうか」
そんなキリヤを微笑ましく思いながら、俺は頷く。
「何、その反応!?」
とりあえず今までは何もやってこなかったわけだな。
それでマリアが悲しい思いをしていたわけじゃないみたいだし、それでもよかったわけだけど……でもこの前、俺も生徒たちにお祝いしてもらったわけだから、今度は俺から何かしてやりたい気持ちはある。
「じゃあ恒例のレクリエーションでもやるか!」
「そうだね、先生といえば、もうそれだよね!」
そして俺たちは、マリアのバースデーレクリエーションを考えることになった。
それから数日間、俺とキリヤはレクリエーションの準備を進めた。
表向きはクリスマスパーティの催し物としての企画ということにして、マリアには本当のことを隠していた。
そしてクリスマス当日、食堂に集まった俺たちは、クリスマスパーティを始める。
「じゃあみんな揃ったな?」
俺は机に座る生徒たちを見ながら、そう言った。
「じゃあ、メリークリスマス!」
そう言いながら、俺は手に持っていたクラッカーのひもを引く。
生徒たちも俺に続いてひもを引き、食堂にはクラッカーの破裂音が響いた。
「やっぱりクリスマスの食事は、いつもと違って豪華でいいねえ!」
「おい! 見ろよ! このチキン、足がついてるぞ!!」
「ほんとだ! アタシも食べる!!」
いろはと剛はいつもと違う豪華な食事にはしゃいでいるようだった。
かくゆう俺も、普段見ることのない豪華な食事に目を輝かせていた。
チーズがたっぷりのグラタンに、こんがりと焼かれたチキン……。そして色とりどりに飾り付けられたサラダ……。
「実家にいた時でもこんなに豪華だったことなんてないのに! すごいな!!」
「先生、こっちにはぷりぷりジューシーなウインナーもありますぞ!」
結衣はそう言いながら、俺を手招く。
「おおう! どれどれ……」
俺が結衣の元に行こうとすると、キリヤは俺の傍にやってきて耳打ちする。
「ちょっと、先生! 今回の目的のこと、忘れていないよね?」
「そ、そうだったな……クリスマスディナーに興奮して、つい舞い上がっていたよ」
「もう。しっかりしてよ……」
キリヤは呆れながら、俺を見ていた。
しかし俺はまだクリスマスディナーが物足りないようで、キリヤに嘆願するように目を向ける。
「キリヤ……」
「はあ。わかった」
「さんきゅ!」
そして俺は結衣の元へ行き、ウインナーを頬張るのであった。
「クリスマスってこの施設では何か特別なことをしたりするのか?」
俺は今日も俺の部屋に入り浸って、植物の世話をしているキリヤに尋ねる。
「特別なことか……。うーん。夕食にケーキが出るとかそれくらいのことかな。でもいきなりどうしたの?」
「いや、子供ってクリスマスが好きだろう? だから、政府や研究所の人たちがここの生徒たちのために何か催し物を用意するのかなと思ってな」
「僕たちはクリスマスではしゃぐほど、子供じゃないよ!」
キリヤは頬を膨らませながら、プンプンしていた。
「そ、そうか! ごめんな、そうだよな!」
キリヤたちは未成年でまだ子供だといっても、確かに高校生にもなれば、クリスマスにはしゃぐなんてことあるはずがないか。
俺は認識を改めなくちゃと思った。
「でもマリアは喜ぶかも。クリスマスはマリアの誕生日だから」
「そうか。マリアは誕生日なのか……じゃあマリアのお誕生日会でもやるか!」
「いいね、それ! 絶対マリアは喜ぶと思う!」
キリヤは自分のことのように喜びながら、そう言った。
そして俺とキリヤは来るマリアの誕生日の為、準備を進めることにした。
「祝うとは言ったものの、何からしたらいいものか……」
俺は頭を悩ませながら、考えていた。
「そういえば、去年の誕生日まではどうやってお祝いしていたんだ?」
俺は隣で考えているキリヤに聞いてみた。
「去年までか……。プレゼントを渡して、『お誕生日おめでとう!』って言って終了だったかも」
「え? それだけか……? キリヤは本当にマリアのことを大切に思っているのか」
俺は呆れながら、キリヤに言い放つ。
「日頃の愛情の向け方が違うんだよ! 年に1回の特別な愛情じゃなくて、僕は毎日マリアに愛情を注いでいるの!!」
むきになって答えるキリヤ。
「そうか、そうか」
そんなキリヤを微笑ましく思いながら、俺は頷く。
「何、その反応!?」
とりあえず今までは何もやってこなかったわけだな。
それでマリアが悲しい思いをしていたわけじゃないみたいだし、それでもよかったわけだけど……でもこの前、俺も生徒たちにお祝いしてもらったわけだから、今度は俺から何かしてやりたい気持ちはある。
「じゃあ恒例のレクリエーションでもやるか!」
「そうだね、先生といえば、もうそれだよね!」
そして俺たちは、マリアのバースデーレクリエーションを考えることになった。
それから数日間、俺とキリヤはレクリエーションの準備を進めた。
表向きはクリスマスパーティの催し物としての企画ということにして、マリアには本当のことを隠していた。
そしてクリスマス当日、食堂に集まった俺たちは、クリスマスパーティを始める。
「じゃあみんな揃ったな?」
俺は机に座る生徒たちを見ながら、そう言った。
「じゃあ、メリークリスマス!」
そう言いながら、俺は手に持っていたクラッカーのひもを引く。
生徒たちも俺に続いてひもを引き、食堂にはクラッカーの破裂音が響いた。
「やっぱりクリスマスの食事は、いつもと違って豪華でいいねえ!」
「おい! 見ろよ! このチキン、足がついてるぞ!!」
「ほんとだ! アタシも食べる!!」
いろはと剛はいつもと違う豪華な食事にはしゃいでいるようだった。
かくゆう俺も、普段見ることのない豪華な食事に目を輝かせていた。
チーズがたっぷりのグラタンに、こんがりと焼かれたチキン……。そして色とりどりに飾り付けられたサラダ……。
「実家にいた時でもこんなに豪華だったことなんてないのに! すごいな!!」
「先生、こっちにはぷりぷりジューシーなウインナーもありますぞ!」
結衣はそう言いながら、俺を手招く。
「おおう! どれどれ……」
俺が結衣の元に行こうとすると、キリヤは俺の傍にやってきて耳打ちする。
「ちょっと、先生! 今回の目的のこと、忘れていないよね?」
「そ、そうだったな……クリスマスディナーに興奮して、つい舞い上がっていたよ」
「もう。しっかりしてよ……」
キリヤは呆れながら、俺を見ていた。
しかし俺はまだクリスマスディナーが物足りないようで、キリヤに嘆願するように目を向ける。
「キリヤ……」
「はあ。わかった」
「さんきゅ!」
そして俺は結衣の元へ行き、ウインナーを頬張るのであった。
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