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アフターストーリー
第8話ー② 正義の味方
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この日の授業は始業式と午後に希望者のみの『白雪姫症候群』の特別講座だけだった。
水蓮たち3人はその講座を希望しており、始業式後は教室に残って時間まで昼食と雑談を楽しんでいた。
「――それでその時にお父さんがね!」
「なんだか暁先生って、少年の心を大切にしているんだね」
そう言って楽しそうに笑うもも。
「そうだねえ。やるときはやるって感じなんだけどね~」
水蓮は家で父親としての暁と学園での学園長としての暁を顔に違いがあることはわかっていた。
能力者とそうじゃない生徒たちが混じるこの学園内でも、たまに能力者同士での喧嘩が発生する。
能力を持たない教員たちはその喧嘩を仲裁することはおろか、介入することもできずにおり、『無効化』の能力を持つ暁がその喧嘩を鎮めるということが度々あったのだった。
こういうことも想定内だよ――と笑いながら暁は言いつつも、いつかはなくさないといけない問題だ、と責任を感じていることを水蓮もなんとなく気がついてはいた。
それは父が今でも施設にいた頃と変わらず、みんなを守りたいとそう思っているからなのかもしれない、と水蓮は思った。
お父さんは今でもみんなの『正義の味方』なんだ――と誇りに思い、そんな父が創ったこの学園を水蓮はとても大切に思っていた。
「ももちゃんはスイちゃんのお父さん――学園長の知り合いなんだっけ?」
愛李のその問いに、はっと我に返る水蓮。
そしてももは物思いにふける表情をしてから、愛李の問いに「うん」と答えた。
「私の能力は知っているよね?」
「たしか、『うさぎ』……うさぎさんになる能力!」
愛李は両手を頭の上に添えて、まるでうさぎを表すようにそう言った。
「そう! それでその能力が危ないからってことになって、どこか知らない施設に監禁されたことがあったんだ」
「私も知ってる! 7年くらい前のことだったよね。その時、お父さんも」
あの時、私は当時のお母さん――奏多ちゃんには随分とお世話になったなとふとその時のことを思い出す水蓮。
「うん! 私はその時に先生にたくさん救ってもらったから。たくさん、心を支えてもらったから」
そう言って微笑むもも。
「そっか~だからお父さんが創ったこの学校に?」
「うん。暁先生からいろいろと学びたいって思ったからね」
「そうだったんだね」
お父さんはやっぱりすごいなあ。私の知らないところで、たくさんの子供たちを助けていたんだね――
そんなことを思いながら、水蓮は微笑んでいた。
「水蓮ちゃん、嬉しそうだね?」
ももはそう言って水蓮の顔を覗き込む。
「うん。お父さんが褒められると、私も嬉しいから!」
「水蓮ちゃんは素敵な娘だねぇ。暁先生も幸せ者だ」
「えへへ」
もしそうなら私も嬉しいな、と水蓮は恥ずかしそうに笑って答えた。
「そういえば。愛李ちゃんはなんでこの学園に来たの? 暁先生を知っていたわけじゃないんだよね?」
ももがそう言って首を傾げると、
「私はお兄ちゃんの影響、かな」
愛李は微笑みながらそう言った。
「確かお兄ちゃん、能力者なんだっけ?」
ももが口元に指を添えてそう言うと、
「昔はね! でも今はただの高校生なんだあ」
少し寂しそうにそう言った。
能力者の頃はよく能力を使って遊んでくれていたんだよ、と愛李は昔を思い出すように言った。
「それじゃあ、お兄ちゃんが能力者だったから、能力者のことを知りたくてっていう理由ってことかな?」
そう言うももに、水蓮も同じことを思っていた。
「うーんとね。前にお兄ちゃんが言っていたの。私がまだ赤ちゃんだった時に『氷』を使うお兄さんに助けてもらったって」
「『氷』……」
聞き覚えのある能力に水蓮は、まさかね――と小さく笑う。
「うん! それでね、自分もその氷使いお兄さんみたいに困った人を助けるんだって言って、お兄ちゃんは今警察官を目指しているわけなんだ」
誇らしそうに愛李はそう告げる。
「でも、それがどうして、愛李ちゃんがここへ来るきっかけになったの?」
ももは不思議に思いながら、愛李にそう尋ねた。
水蓮もその『氷使いのお兄さん』と言われる存在がなんとなく気になって、黙って愛李の答えを待った。
「ああ、それがね! その氷使いのお兄さんがS級だったんだって。だからね、元S級クラスの教師だった暁先生が立ち上げた学校で、私も学びたいって思ったんだ。そのお兄さんがどうして、そうなったのかを知りたかったのかもしれない」
愛李の言葉から、その『氷使いのお兄さん』が自分の知人と知り、水蓮は驚愕していた。
そして間接的ではありつつも、愛李の兄も愛李も父のおかげで今があるような気がして、また父のことを誇らしく思った。
愛李の兄も愛李自身も、しっかりと自分の想いを持って行動している。父の影響を受けながら――でも、自分はそんな父の近くにいながらも、流れに身を任せているだけなのではないか、と水蓮は感じていた。
「愛李はちゃんと考えていて、すごいね!!」
「そ、そうかなあ。えへへ」
愛李はそう言って嬉しそうに照れながら、両手の指先を顔の前で合わせた。
「私はその場に身を委ねていると言うか……お父さんがここを立ち上げたし、能力値も高いし。外の学校に行くより、この学園に行った方がいいかなって理由」
私には、ももちゃんや愛李みたいに明確な理由はないから――
「それも立派な理由じゃないかな?」
「ももちゃん……」
「うんうん! それに、ここで夢とか目的を見つけたらいいじゃない?」
「愛李ぃ」
「うん。そうだね! そのための学園、だもんね!!」
そう言って微笑む水蓮。
今は夢も目的もないままだけど、私もいつかここにいる意味を見つけられるといいな――水蓮はそんなことを思った。
それから水蓮たちはしばらく雑談を続ける。そして数分後。
「あ、もうすぐ講義の時間だよ! 行こうか」
ももがそう言って立ち上がって歩き出すと、水蓮たちもその後ろを着いていった。
「あーあ、明日からまた勉強の日々が始まるね」
ももは廊下を歩きながら「うーん」と背伸びをしてそう言った。
「高校生になると、やっぱり勉強って難しいの?」
愛李はももの隣を歩きながらそう尋ねる。
「そうだね。小学生の内容よりは難しいかもしれない」
苦い顔をして答えるもも。
「私も来年から中学生だし、また難易度があがりそうだなぁ」
「スイちゃんは成績良いから大丈夫だよ! 私の方が心配……」
そう言って俯く愛李。
「あはは、愛李は算数が苦手だもんね」
「国語とか社会なら得意なんだけどね、はあ」
そういえば国語で100点とか取ってたなあ、と愛李に見せられた全てに赤丸が付いていたテストの答案用紙を思い出す水蓮。
「でも、この学園ってそれ以外のことをも学べるからいいよね」
ももはそう言って水蓮と愛李の方を見た。
「『白雪姫症候群』のこと、とか?」
水蓮がそう言うと、
「うん! 他にも、社会勉強ができる様にって外部から講師の先生を呼んで講習もしてくれるから、普通の学校に通っているよりは楽しめているような気がする」
ももはそう言って笑う。
「確かに、そうかもしれないね!」
それもまた、父の人望のなせる技なんだろうな、と感心する水蓮。
「レクリエーション大会とか『アルフェラッツ プロジェクト』のオーディションとか――毎月イベントが何かしらあって、生徒同士の交流も多いから学年関係なくみんな仲良しだしね!」
ももは楽しそうにそう語っていた。
そんなももを見て、きっとこの学園での生活を本当に楽しいと感じてくれているんだろうなと思った水蓮は、なんだか嬉しくて胸がいっぱいになっていた。
「たまに喧嘩とかあるけどね~」
そんなももを茶化すようにそう言う愛李。
「そこはほら! 青春真っただ中の子供たちがいたらそうもなるよ! まだまだ私達も青い果実なんだもの! ね?」
「うん、そうだね! いろいろあるときはあるけど――でも私、この学校好きだよ」
「私も~! そして私たちがこう言っていると、水蓮ちゃんは大概にやついているっ!!」
ももはそう言って、水蓮の顔を見てニヤリと笑う。
「だってだって、嬉しいから!!」
そんな会話をしながら笑い合う水蓮たち。
すると、その背後から駆け寄る足音が響き渡った。
「ももちゃ~~~んっ! た、助けて~!!」
それからももはその声に反応して振り返った。
「裕行君? どうしたの、そんなに慌てて??」
水蓮たちと同様に夜明学園第一期生の有屋裕行が、膝に手を付けて水蓮たちの前で立ち止まった。
潔癖症である裕行の黒いミディアムヘアが、汗のせいで顔面に張り付いているところを見て、裕行が相当に焦っていることを察する水蓮。
「け、喧嘩だよ……校舎裏で、一触即発なんだよ」
喧嘩――!?
裕行の言葉に、水蓮ははっとする。
「生徒同士の揉め事なら、先生たちに任せたほうが――」
「裕行君、私をそこに連れて行って!」
水蓮はももの言葉を遮り、真剣な顔で裕行を見てそう言った。
「でも、水蓮ちゃん。これから講義だよ?」
ももは心配そうな顔をして、水蓮にそう言った。
「ももちゃんたちは先に行っていて。ちょっと様子を見てくるだけだから!!」
水蓮がももの顔を見据えてそう言うと、ももは小さく頷く。
「わかった。気をつけてね! 愛李ちゃん、行こう」
「う、うん」
それからももと愛李は、講義を行う教室の方へと歩いていった。
「いこう、裕行君!!」
「うん」
そして水蓮は裕行に連れられて、喧嘩が行われている校舎裏へと急いで向かったのだった。
水蓮たち3人はその講座を希望しており、始業式後は教室に残って時間まで昼食と雑談を楽しんでいた。
「――それでその時にお父さんがね!」
「なんだか暁先生って、少年の心を大切にしているんだね」
そう言って楽しそうに笑うもも。
「そうだねえ。やるときはやるって感じなんだけどね~」
水蓮は家で父親としての暁と学園での学園長としての暁を顔に違いがあることはわかっていた。
能力者とそうじゃない生徒たちが混じるこの学園内でも、たまに能力者同士での喧嘩が発生する。
能力を持たない教員たちはその喧嘩を仲裁することはおろか、介入することもできずにおり、『無効化』の能力を持つ暁がその喧嘩を鎮めるということが度々あったのだった。
こういうことも想定内だよ――と笑いながら暁は言いつつも、いつかはなくさないといけない問題だ、と責任を感じていることを水蓮もなんとなく気がついてはいた。
それは父が今でも施設にいた頃と変わらず、みんなを守りたいとそう思っているからなのかもしれない、と水蓮は思った。
お父さんは今でもみんなの『正義の味方』なんだ――と誇りに思い、そんな父が創ったこの学園を水蓮はとても大切に思っていた。
「ももちゃんはスイちゃんのお父さん――学園長の知り合いなんだっけ?」
愛李のその問いに、はっと我に返る水蓮。
そしてももは物思いにふける表情をしてから、愛李の問いに「うん」と答えた。
「私の能力は知っているよね?」
「たしか、『うさぎ』……うさぎさんになる能力!」
愛李は両手を頭の上に添えて、まるでうさぎを表すようにそう言った。
「そう! それでその能力が危ないからってことになって、どこか知らない施設に監禁されたことがあったんだ」
「私も知ってる! 7年くらい前のことだったよね。その時、お父さんも」
あの時、私は当時のお母さん――奏多ちゃんには随分とお世話になったなとふとその時のことを思い出す水蓮。
「うん! 私はその時に先生にたくさん救ってもらったから。たくさん、心を支えてもらったから」
そう言って微笑むもも。
「そっか~だからお父さんが創ったこの学校に?」
「うん。暁先生からいろいろと学びたいって思ったからね」
「そうだったんだね」
お父さんはやっぱりすごいなあ。私の知らないところで、たくさんの子供たちを助けていたんだね――
そんなことを思いながら、水蓮は微笑んでいた。
「水蓮ちゃん、嬉しそうだね?」
ももはそう言って水蓮の顔を覗き込む。
「うん。お父さんが褒められると、私も嬉しいから!」
「水蓮ちゃんは素敵な娘だねぇ。暁先生も幸せ者だ」
「えへへ」
もしそうなら私も嬉しいな、と水蓮は恥ずかしそうに笑って答えた。
「そういえば。愛李ちゃんはなんでこの学園に来たの? 暁先生を知っていたわけじゃないんだよね?」
ももがそう言って首を傾げると、
「私はお兄ちゃんの影響、かな」
愛李は微笑みながらそう言った。
「確かお兄ちゃん、能力者なんだっけ?」
ももが口元に指を添えてそう言うと、
「昔はね! でも今はただの高校生なんだあ」
少し寂しそうにそう言った。
能力者の頃はよく能力を使って遊んでくれていたんだよ、と愛李は昔を思い出すように言った。
「それじゃあ、お兄ちゃんが能力者だったから、能力者のことを知りたくてっていう理由ってことかな?」
そう言うももに、水蓮も同じことを思っていた。
「うーんとね。前にお兄ちゃんが言っていたの。私がまだ赤ちゃんだった時に『氷』を使うお兄さんに助けてもらったって」
「『氷』……」
聞き覚えのある能力に水蓮は、まさかね――と小さく笑う。
「うん! それでね、自分もその氷使いお兄さんみたいに困った人を助けるんだって言って、お兄ちゃんは今警察官を目指しているわけなんだ」
誇らしそうに愛李はそう告げる。
「でも、それがどうして、愛李ちゃんがここへ来るきっかけになったの?」
ももは不思議に思いながら、愛李にそう尋ねた。
水蓮もその『氷使いのお兄さん』と言われる存在がなんとなく気になって、黙って愛李の答えを待った。
「ああ、それがね! その氷使いのお兄さんがS級だったんだって。だからね、元S級クラスの教師だった暁先生が立ち上げた学校で、私も学びたいって思ったんだ。そのお兄さんがどうして、そうなったのかを知りたかったのかもしれない」
愛李の言葉から、その『氷使いのお兄さん』が自分の知人と知り、水蓮は驚愕していた。
そして間接的ではありつつも、愛李の兄も愛李も父のおかげで今があるような気がして、また父のことを誇らしく思った。
愛李の兄も愛李自身も、しっかりと自分の想いを持って行動している。父の影響を受けながら――でも、自分はそんな父の近くにいながらも、流れに身を任せているだけなのではないか、と水蓮は感じていた。
「愛李はちゃんと考えていて、すごいね!!」
「そ、そうかなあ。えへへ」
愛李はそう言って嬉しそうに照れながら、両手の指先を顔の前で合わせた。
「私はその場に身を委ねていると言うか……お父さんがここを立ち上げたし、能力値も高いし。外の学校に行くより、この学園に行った方がいいかなって理由」
私には、ももちゃんや愛李みたいに明確な理由はないから――
「それも立派な理由じゃないかな?」
「ももちゃん……」
「うんうん! それに、ここで夢とか目的を見つけたらいいじゃない?」
「愛李ぃ」
「うん。そうだね! そのための学園、だもんね!!」
そう言って微笑む水蓮。
今は夢も目的もないままだけど、私もいつかここにいる意味を見つけられるといいな――水蓮はそんなことを思った。
それから水蓮たちはしばらく雑談を続ける。そして数分後。
「あ、もうすぐ講義の時間だよ! 行こうか」
ももがそう言って立ち上がって歩き出すと、水蓮たちもその後ろを着いていった。
「あーあ、明日からまた勉強の日々が始まるね」
ももは廊下を歩きながら「うーん」と背伸びをしてそう言った。
「高校生になると、やっぱり勉強って難しいの?」
愛李はももの隣を歩きながらそう尋ねる。
「そうだね。小学生の内容よりは難しいかもしれない」
苦い顔をして答えるもも。
「私も来年から中学生だし、また難易度があがりそうだなぁ」
「スイちゃんは成績良いから大丈夫だよ! 私の方が心配……」
そう言って俯く愛李。
「あはは、愛李は算数が苦手だもんね」
「国語とか社会なら得意なんだけどね、はあ」
そういえば国語で100点とか取ってたなあ、と愛李に見せられた全てに赤丸が付いていたテストの答案用紙を思い出す水蓮。
「でも、この学園ってそれ以外のことをも学べるからいいよね」
ももはそう言って水蓮と愛李の方を見た。
「『白雪姫症候群』のこと、とか?」
水蓮がそう言うと、
「うん! 他にも、社会勉強ができる様にって外部から講師の先生を呼んで講習もしてくれるから、普通の学校に通っているよりは楽しめているような気がする」
ももはそう言って笑う。
「確かに、そうかもしれないね!」
それもまた、父の人望のなせる技なんだろうな、と感心する水蓮。
「レクリエーション大会とか『アルフェラッツ プロジェクト』のオーディションとか――毎月イベントが何かしらあって、生徒同士の交流も多いから学年関係なくみんな仲良しだしね!」
ももは楽しそうにそう語っていた。
そんなももを見て、きっとこの学園での生活を本当に楽しいと感じてくれているんだろうなと思った水蓮は、なんだか嬉しくて胸がいっぱいになっていた。
「たまに喧嘩とかあるけどね~」
そんなももを茶化すようにそう言う愛李。
「そこはほら! 青春真っただ中の子供たちがいたらそうもなるよ! まだまだ私達も青い果実なんだもの! ね?」
「うん、そうだね! いろいろあるときはあるけど――でも私、この学校好きだよ」
「私も~! そして私たちがこう言っていると、水蓮ちゃんは大概にやついているっ!!」
ももはそう言って、水蓮の顔を見てニヤリと笑う。
「だってだって、嬉しいから!!」
そんな会話をしながら笑い合う水蓮たち。
すると、その背後から駆け寄る足音が響き渡った。
「ももちゃ~~~んっ! た、助けて~!!」
それからももはその声に反応して振り返った。
「裕行君? どうしたの、そんなに慌てて??」
水蓮たちと同様に夜明学園第一期生の有屋裕行が、膝に手を付けて水蓮たちの前で立ち止まった。
潔癖症である裕行の黒いミディアムヘアが、汗のせいで顔面に張り付いているところを見て、裕行が相当に焦っていることを察する水蓮。
「け、喧嘩だよ……校舎裏で、一触即発なんだよ」
喧嘩――!?
裕行の言葉に、水蓮ははっとする。
「生徒同士の揉め事なら、先生たちに任せたほうが――」
「裕行君、私をそこに連れて行って!」
水蓮はももの言葉を遮り、真剣な顔で裕行を見てそう言った。
「でも、水蓮ちゃん。これから講義だよ?」
ももは心配そうな顔をして、水蓮にそう言った。
「ももちゃんたちは先に行っていて。ちょっと様子を見てくるだけだから!!」
水蓮がももの顔を見据えてそう言うと、ももは小さく頷く。
「わかった。気をつけてね! 愛李ちゃん、行こう」
「う、うん」
それからももと愛李は、講義を行う教室の方へと歩いていった。
「いこう、裕行君!!」
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そして水蓮は裕行に連れられて、喧嘩が行われている校舎裏へと急いで向かったのだった。
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