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廊下が騒がしいと思っていたら、勢いよくドアが開けられ、入って来たのは私のお兄様だった。
「フローラ! ……っ、良かった。無事だったんだな。
私が悪かった。お前を一人にして、家を出てしまったことを後悔している。これからは私が守るからな」
「……お兄様、どうして?」
お兄様が息を切らして部屋に入ってきた。少し後ろには、アストン侯爵様と夫人の姿が見える。
「私の元に、差出人不明の怪文書が届いたんだ。
フローラがアストン侯爵令息に別荘で監禁されていると……
気になった私は、怪文書を持ってアストン侯爵様に会いに行ったんだ。すると、令息が心労で体調を崩し、郊外の別荘で療養していることを教えてくれた。
侯爵様は最近の令息の様子が変だったからと、私をここに連れて来てくれたんだ」
「よ、良かった……
助けに来て下さってありがとうございました」
私は安心して力が抜けてしまい、その場にペタンと座り込んでしまった。
「もう大丈夫だ。私と一緒に行こう。
父上に会いたくないなら、別邸で私と暮らせばいい。
あの忌々しいリリアンを思い出すから、伯爵家は嫌だろう?」
久しぶりに会うお兄様は、私の手を優しく引いて立たせてくれた。
「フローラ嬢。レイモンドがすまなかった。
息子は君を諦められず、精神的に不安定になってしまったらしい。
だが、君にしたことは許されることではない。今後は君に近づかせないと約束する。領地に連れて帰って、必要な治療をさせるつもりだ。
後日、改めて謝罪に伺うよ。本当に申し訳なかった」
「フローラさん。こんなに痩せてしまって……
レイモンドが貴方を苦しませたのね。本当にごめんなさい。
不貞して傷付けただけでなく、貴女を閉じ込めていたなんて。謝って済むことではないわね。
貴女が早く元気になれるように祈っているわ」
アストン侯爵様と夫人は、恐縮してしまうほど丁寧に謝罪してくれた。
歩行がおぼつかない私は、お兄様に体を支えられながら邸の外に出る。すると後ろから叫び声が……
「ローラ、あの女と離縁したら必ず迎えに行く!
私は諦めない。君は私のものだ!」
後ろを振り返ると、騎士に取り押さえされているアストン様の姿があった。
その様子を、侯爵様と夫人は悲しそうな目で見ている。
「フローラ、震えているな。もう彼を見ない方がいい。行こう」
「は、はい…」
お兄様と私は、そのままシーウェル伯爵家の別邸に向かうことになる。
馬車の中では、お兄様が伯爵家を出た理由について教えてくれて、その話を聞いた私は呆れてしまった。
リリアンは義理の妹という立場ながら、お兄様に色目を使ってきたらしい。夜間に部屋に訪ねて来たり、人の目が少ない所では、無邪気な振りをして抱きついてきたこともあったようだ。身の危険を感じたお兄様は、リリアンと距離を取るために邸を出ることにしたらしい。家族関係がギクシャクすることを避けたかったお兄様は、そのことを私達には秘密にしていたようだ。
お兄様もリリアンの被害者だった……
「あの女は、離縁してもうちでは引き取らないことになっているから、もう私達と顔を合わせることはないだろう。平民として一人で生きていくか、修道院に行くかを選ばせるらしい」
「しかし、お義母様はそのことに納得しているのでしょうか?」
「リリアンは義母上と血の繋がりはないらしい。
元夫である男爵と愛人との子供で、男爵ではまともに療育出来なそうだし、リリアンは幼いころは義母上に懐いていたから、気の毒に思った義母上が離縁する時に一緒に連れてきたそうだ。
だが、今回のことでついに義母上はリリアンを見限った。父上も義母上もフローラのことをとても心配しているようだった」
「そうでしたか……」
さらに、お祖母様の体調が悪いという噂話については、私を探すお祖母様と伯母様が、噂を流せば私が会いに来るかもしれないと考えて流したデマだったということをお兄様が教えてくれた。
そんな噂話を流さないで欲しかったが、そこまでお祖母様たちに心配を掛けていたということらしい。落ち着いたら、私から会いに行きたいと思った。
◇◇
あれから私は、一ヶ月ほど別邸で療養していた。
療養中には父と義母が会いに来てくれて、二人は私に謝罪をしてくれた後に、アストン侯爵家と話し合った内容について教えてくれる。
シーウェル伯爵家は、リリアンの不貞の慰謝料を払うつもりでいたが、アストン侯爵令息が私を連れ去って監禁した件があったので、相殺することにしたようだ。
そしてアストン侯爵令息は、今後は私に関わらせないと侯爵家で約束して下さったらしい。令息はしばらく王都を離れ、領地で療養させることにしたようだ。
そして今日は、セシリアに会うために王宮に来ている。王太子妃になったセシリアからお茶に招待されたのだ。
セシリアはお茶会をする部屋にやってくると、すぐに人払いをして私に抱きついてきた。
「フローラ、ずっと心配していたのよ。
私達の結婚式の日に、貴女がパレードを見て泣いた後にいなくなったなんて報告を受けて……、私がどんな気持ちでいたか分かる?」
王太子妃になっても全くセシリアは変わってなくて、ホッとしてしまった。
「王太子妃殿下、ご心配をおかけしました」
「もう! 二人でいる時は今まで通りにしてちょうだい」
「ふふっ。結婚してから初めて会うから、殿下と呼んでみたかったのよ。
ところで……、私があの男に監禁されていることをお兄様に知らせてくれたのはセシリア? それともマクラーレン様?」
お兄様から怪文書が届いたと聞いて、すぐに私の頭に思い浮かんだのはセシリアとマクラーレン様だった。
この二人しか考えられなかったのだ。
「勿論、ルイスよ! フローラがいなくなったと聞いた時、あの男の慌てっぷりは凄かったんだから。
未婚の令嬢が元婚約者に監禁されているなんて、醜聞になってしまうから公に捜索が出来なかったのよ。
それに親戚や家族でもなく、恋人や婚約者でもないルイスが表立って動くことは出来なくてね……」
マクラーレン様が助けて下さったと知り、胸が熱くなると同時にズキズキと痛む気がした。
「そう……。マクラーレン様には何から何まで迷惑をかけてしまって申し訳なかったわね」
その後、セシリアとは久しぶりに沢山話をした。新婚生活のことや執務の話、王宮のしきたりや使用人の話など。そして、日が暮れそうになる時……
「フローラ、ルイスが貴女に会いたがっているの。
ずっと心配していたようだから、元気になった顔を見せてあげてちょうだい。
そろそろ執務が終わる頃だと思うから、少しいいかしら?」
「ええ。私もお礼をお伝えしたいと思っていたの。
そういえば……、婚約されたのよね? お祝いもお伝えしたいわ」
きっと、こうやって会うのも今日が最後だろう。
婚約者のいる方が、未婚の令嬢に会うなんて良くないもの。
最後に感謝の気持ちをお伝えしたい。
セシリアは不思議そうな顔をしながらも、従者にマクラーレン様を呼んで欲しいと伝えていた。
「フローラ! ……っ、良かった。無事だったんだな。
私が悪かった。お前を一人にして、家を出てしまったことを後悔している。これからは私が守るからな」
「……お兄様、どうして?」
お兄様が息を切らして部屋に入ってきた。少し後ろには、アストン侯爵様と夫人の姿が見える。
「私の元に、差出人不明の怪文書が届いたんだ。
フローラがアストン侯爵令息に別荘で監禁されていると……
気になった私は、怪文書を持ってアストン侯爵様に会いに行ったんだ。すると、令息が心労で体調を崩し、郊外の別荘で療養していることを教えてくれた。
侯爵様は最近の令息の様子が変だったからと、私をここに連れて来てくれたんだ」
「よ、良かった……
助けに来て下さってありがとうございました」
私は安心して力が抜けてしまい、その場にペタンと座り込んでしまった。
「もう大丈夫だ。私と一緒に行こう。
父上に会いたくないなら、別邸で私と暮らせばいい。
あの忌々しいリリアンを思い出すから、伯爵家は嫌だろう?」
久しぶりに会うお兄様は、私の手を優しく引いて立たせてくれた。
「フローラ嬢。レイモンドがすまなかった。
息子は君を諦められず、精神的に不安定になってしまったらしい。
だが、君にしたことは許されることではない。今後は君に近づかせないと約束する。領地に連れて帰って、必要な治療をさせるつもりだ。
後日、改めて謝罪に伺うよ。本当に申し訳なかった」
「フローラさん。こんなに痩せてしまって……
レイモンドが貴方を苦しませたのね。本当にごめんなさい。
不貞して傷付けただけでなく、貴女を閉じ込めていたなんて。謝って済むことではないわね。
貴女が早く元気になれるように祈っているわ」
アストン侯爵様と夫人は、恐縮してしまうほど丁寧に謝罪してくれた。
歩行がおぼつかない私は、お兄様に体を支えられながら邸の外に出る。すると後ろから叫び声が……
「ローラ、あの女と離縁したら必ず迎えに行く!
私は諦めない。君は私のものだ!」
後ろを振り返ると、騎士に取り押さえされているアストン様の姿があった。
その様子を、侯爵様と夫人は悲しそうな目で見ている。
「フローラ、震えているな。もう彼を見ない方がいい。行こう」
「は、はい…」
お兄様と私は、そのままシーウェル伯爵家の別邸に向かうことになる。
馬車の中では、お兄様が伯爵家を出た理由について教えてくれて、その話を聞いた私は呆れてしまった。
リリアンは義理の妹という立場ながら、お兄様に色目を使ってきたらしい。夜間に部屋に訪ねて来たり、人の目が少ない所では、無邪気な振りをして抱きついてきたこともあったようだ。身の危険を感じたお兄様は、リリアンと距離を取るために邸を出ることにしたらしい。家族関係がギクシャクすることを避けたかったお兄様は、そのことを私達には秘密にしていたようだ。
お兄様もリリアンの被害者だった……
「あの女は、離縁してもうちでは引き取らないことになっているから、もう私達と顔を合わせることはないだろう。平民として一人で生きていくか、修道院に行くかを選ばせるらしい」
「しかし、お義母様はそのことに納得しているのでしょうか?」
「リリアンは義母上と血の繋がりはないらしい。
元夫である男爵と愛人との子供で、男爵ではまともに療育出来なそうだし、リリアンは幼いころは義母上に懐いていたから、気の毒に思った義母上が離縁する時に一緒に連れてきたそうだ。
だが、今回のことでついに義母上はリリアンを見限った。父上も義母上もフローラのことをとても心配しているようだった」
「そうでしたか……」
さらに、お祖母様の体調が悪いという噂話については、私を探すお祖母様と伯母様が、噂を流せば私が会いに来るかもしれないと考えて流したデマだったということをお兄様が教えてくれた。
そんな噂話を流さないで欲しかったが、そこまでお祖母様たちに心配を掛けていたということらしい。落ち着いたら、私から会いに行きたいと思った。
◇◇
あれから私は、一ヶ月ほど別邸で療養していた。
療養中には父と義母が会いに来てくれて、二人は私に謝罪をしてくれた後に、アストン侯爵家と話し合った内容について教えてくれる。
シーウェル伯爵家は、リリアンの不貞の慰謝料を払うつもりでいたが、アストン侯爵令息が私を連れ去って監禁した件があったので、相殺することにしたようだ。
そしてアストン侯爵令息は、今後は私に関わらせないと侯爵家で約束して下さったらしい。令息はしばらく王都を離れ、領地で療養させることにしたようだ。
そして今日は、セシリアに会うために王宮に来ている。王太子妃になったセシリアからお茶に招待されたのだ。
セシリアはお茶会をする部屋にやってくると、すぐに人払いをして私に抱きついてきた。
「フローラ、ずっと心配していたのよ。
私達の結婚式の日に、貴女がパレードを見て泣いた後にいなくなったなんて報告を受けて……、私がどんな気持ちでいたか分かる?」
王太子妃になっても全くセシリアは変わってなくて、ホッとしてしまった。
「王太子妃殿下、ご心配をおかけしました」
「もう! 二人でいる時は今まで通りにしてちょうだい」
「ふふっ。結婚してから初めて会うから、殿下と呼んでみたかったのよ。
ところで……、私があの男に監禁されていることをお兄様に知らせてくれたのはセシリア? それともマクラーレン様?」
お兄様から怪文書が届いたと聞いて、すぐに私の頭に思い浮かんだのはセシリアとマクラーレン様だった。
この二人しか考えられなかったのだ。
「勿論、ルイスよ! フローラがいなくなったと聞いた時、あの男の慌てっぷりは凄かったんだから。
未婚の令嬢が元婚約者に監禁されているなんて、醜聞になってしまうから公に捜索が出来なかったのよ。
それに親戚や家族でもなく、恋人や婚約者でもないルイスが表立って動くことは出来なくてね……」
マクラーレン様が助けて下さったと知り、胸が熱くなると同時にズキズキと痛む気がした。
「そう……。マクラーレン様には何から何まで迷惑をかけてしまって申し訳なかったわね」
その後、セシリアとは久しぶりに沢山話をした。新婚生活のことや執務の話、王宮のしきたりや使用人の話など。そして、日が暮れそうになる時……
「フローラ、ルイスが貴女に会いたがっているの。
ずっと心配していたようだから、元気になった顔を見せてあげてちょうだい。
そろそろ執務が終わる頃だと思うから、少しいいかしら?」
「ええ。私もお礼をお伝えしたいと思っていたの。
そういえば……、婚約されたのよね? お祝いもお伝えしたいわ」
きっと、こうやって会うのも今日が最後だろう。
婚約者のいる方が、未婚の令嬢に会うなんて良くないもの。
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