63 / 161
マリーベル編〜楽しく長生きしたい私
私達の獲物
しおりを挟む
次の日登校すると、義兄が校舎入り口で待っていてくれた。
「マリー、待ってたよ。」
ん?機嫌がいいような気がするわね。義兄は当たり前のように、私の手を恋人繋ぎして歩きだす。最近、私の感覚もおかしな方向に慣れてしまっているのか、この恋人繋ぎをされても、何とも思わなくなってしまっているのが悩みだ。
「お兄様、今日は何だかいつもと違うように見えますわ。何かおありになりました?」
「ああ。前から捕まえようと思っていたネズミを、やっと捕まえることが出来たからね。やっとぐっすり眠れるようになって嬉しくてね。」
「…ネズミですか。」
知ってはいけないことかもしれないから、これ以上聞くのはやめておこう。まだ消されたくないし。
朝のホームルームの時間になるが、あの男爵令嬢がまだ来ていない。お休みかしら?
ルーベンス先生も、いつもより素敵な笑顔で機嫌が良さそうだ。そしてホームルームが始まると、ルーベンス先生から、あの男爵令嬢が退学した事が告げられる。はい?クラスがざわっとする。みんな驚いたようだ。
貴族は必ずこの学園を卒業しなければならないので、退学というのはよっぽどのこと。少し前までは、女生徒は婚姻での退学が認められていたらしいが、今は認められていない。急に何があったのー?ルーベンス先生は、詳しくは話すことは出来ない決まりだが、反逆罪に問われることを行った為、修道院行きになったと話してくれた。
男爵令嬢が反逆罪って!!モヤモヤして授業を受け、あっという間に昼休みになっていた。あの男爵令嬢のことは、学園内でかなり噂になってしまっている。そんな時、義兄にルーベンス先生が呼んでいるから、一緒に行こうと誘われる。すると、何故か学園長室にドナドナされる私。うわー!嫌な予感……。
学園長室に入ると、学園長とルーベンス先生と学年付きの先生方、生徒会長のファーエル公爵令息がいる。嫌なメンバーだわ。
私が入室すると、ルーベンス先生が最近、私に起こっていた嫌がらせの内容を大まかに説明。そして、義兄がボロボロのノートや教科書を見せる。更に、私の机の落書きを映像記憶魔法で見せてくれた。あの『学園辞めろ、死ね、いなくなれ』と書かれていたものも。義兄は高度な映像記憶魔法が使えるのー?マジすごいな!
ルーベンス先生の報告は続く。
犯人を探すために、学園の影とフォーレス侯爵家の影で教室や怪しい人物を監視したところ、例の男爵令嬢を現行犯で拘束したそうだ。学園にも影がいるの?悪いことは出来ないわね。
しかし現行犯ですか!それは言い逃れ出来ないわ。一応、誰か他の人物も関わっていないか確認する為に、自白剤を飲ませたが、彼女が単独で行っていたと話したらしい。えっ?学園内の、ちょっとした嫌がらせを吐かせる為に自白剤を使うの?それはきちんとした犯罪者に使うやつだよね?
なぜ反逆罪なのでしょうかと聞いてみましたよ!そしたら、義兄が
「マリーは国王陛下の姪で王族でしょ。王族のマリーに『死ね』なんてメッセージは、立派な反逆だよ。」
ひぃー、義兄の笑顔が今日も怖すぎるわ。
「王太子殿下と妃殿下はこの事件の報告を受けると、大変激怒されて、男爵家の取り潰しまで口にされていたが、そこは私が止めておいたよ。そんなことまではマリーベル嬢は望まないだろうって言ってね。」
はぁ?王太子夫妻が激怒したの?こんな事で?こんなレベルの事件まで報告されているの?
ああ、生徒会長様がまともに見えてきたわ。今まで突き放してゴメンね。これからは、先輩としてリスペクトして、それなりに仲良くしますね。
「お聞きしたいのですが、なぜ彼女はそんなことをしたのでしょうか?」
「…………。」
「……。」
「……。」
えっ?何でみんな黙るの?
「マリーが可愛すぎるのが悪いんだよ。」
はぁ?じゃなくて。義兄が好きだから、私に嫉妬したんでしょ。アナタが私にベタベタしなければ嫉妬されなかったかもしれないのに。
「ルーベンス先生、今回は先生が裏で色々と動いてくれて、ありがとうございました。義妹も、先生が担任で心強いようです。これからも、よろしくお願いします。」
義兄はルーベンス先生を信頼しているのね。まるで私の保護者になったような話ぶりだし。
「こちらこそ。マリーベル様が子供の頃から知っている者の一人として、お役に立てて、嬉しく思いますよ。」
こんな時でも、ルーベンス先生のブレない笑顔はすごいわね。
結局、義兄とルーベンス先生が犯人探しをしてくれたのね。後できちんとお礼を言わないとなぁ。
義兄とルーベンス先生は怒ると怖いというのが、疑惑から確信に変わったわ。なるべく怒らせないように気を付けよう。長生きしたいもの。
そう言えば、義兄も始めは悪役令嬢が犯人だと思っていたよね?あの悪役令嬢へ投げかけた言葉は「またお前か!」って感じだったもんね。今までの行いが悪いからしょうがないけど、あの義兄からの言われようは可哀想だったわね。あれでは更生しようとしても、またグレてしまうわ。
悪役令嬢さんがいるから、私は悪役にならずに済んでいるのかもしれないから、これからは少しだけ、彼女に優しくしてあげよう。
しかし、腹黒軍団が聞いたらガッカリ?するだろうなぁ。義兄とルーベンス先生がサラッと片付けてしまったなんて。
そして放課後、聖女子メンバーみんなで、私の部屋で反省会をしている。腹黒軍団たちは、学園と侯爵家の影が現行犯で捕まえたことをビックリしていた。腹黒軍団の誰かが、舌打ちをしたようだ。他の誰かもため息をついている。分かってますって。獲物を取られた気分なんでしょ。
くだらない嫉妬で、いちいち細かい嫌がらせをする令嬢達に牽制と見せしめをする為に、誰かをガツンとやっつけたい腹黒軍団。今回の結末は物足りないようだ。
今まで個別に小さな嫌がらせを仕掛けて来た令嬢達には、すぐにやり返し、やり返された令嬢達は目も合わせられないくらいになったけど、学年の違うお姉様方の中に、まだまだ面倒な人がいるみたい。もう私達に絡むと面倒なのが分かるように、思いっきり報復したいようだ。
生粋の貴族学園の令嬢達はやたらマウント取りたがるし、私達、聖女子出身者は存在が面白くないようだからね。早速、腹黒たちは次の獲物探しをするつもりのようだ。
それと、ユーリアからの影の報告。昨日、放課後の遅い時間、暗くなってから図書室から戻って来た男爵令嬢が、私の机に落書きしようとしているところで、現行犯で学園と侯爵家の影に捕まり、そのまま、学園の警備騎士に連行されて行ったそうだ。
なんか、呆気なくて寂しい気もする。ユーリアには、影にありがとうと伝えておいてねと、頼んでおいた。
「マリー、待ってたよ。」
ん?機嫌がいいような気がするわね。義兄は当たり前のように、私の手を恋人繋ぎして歩きだす。最近、私の感覚もおかしな方向に慣れてしまっているのか、この恋人繋ぎをされても、何とも思わなくなってしまっているのが悩みだ。
「お兄様、今日は何だかいつもと違うように見えますわ。何かおありになりました?」
「ああ。前から捕まえようと思っていたネズミを、やっと捕まえることが出来たからね。やっとぐっすり眠れるようになって嬉しくてね。」
「…ネズミですか。」
知ってはいけないことかもしれないから、これ以上聞くのはやめておこう。まだ消されたくないし。
朝のホームルームの時間になるが、あの男爵令嬢がまだ来ていない。お休みかしら?
ルーベンス先生も、いつもより素敵な笑顔で機嫌が良さそうだ。そしてホームルームが始まると、ルーベンス先生から、あの男爵令嬢が退学した事が告げられる。はい?クラスがざわっとする。みんな驚いたようだ。
貴族は必ずこの学園を卒業しなければならないので、退学というのはよっぽどのこと。少し前までは、女生徒は婚姻での退学が認められていたらしいが、今は認められていない。急に何があったのー?ルーベンス先生は、詳しくは話すことは出来ない決まりだが、反逆罪に問われることを行った為、修道院行きになったと話してくれた。
男爵令嬢が反逆罪って!!モヤモヤして授業を受け、あっという間に昼休みになっていた。あの男爵令嬢のことは、学園内でかなり噂になってしまっている。そんな時、義兄にルーベンス先生が呼んでいるから、一緒に行こうと誘われる。すると、何故か学園長室にドナドナされる私。うわー!嫌な予感……。
学園長室に入ると、学園長とルーベンス先生と学年付きの先生方、生徒会長のファーエル公爵令息がいる。嫌なメンバーだわ。
私が入室すると、ルーベンス先生が最近、私に起こっていた嫌がらせの内容を大まかに説明。そして、義兄がボロボロのノートや教科書を見せる。更に、私の机の落書きを映像記憶魔法で見せてくれた。あの『学園辞めろ、死ね、いなくなれ』と書かれていたものも。義兄は高度な映像記憶魔法が使えるのー?マジすごいな!
ルーベンス先生の報告は続く。
犯人を探すために、学園の影とフォーレス侯爵家の影で教室や怪しい人物を監視したところ、例の男爵令嬢を現行犯で拘束したそうだ。学園にも影がいるの?悪いことは出来ないわね。
しかし現行犯ですか!それは言い逃れ出来ないわ。一応、誰か他の人物も関わっていないか確認する為に、自白剤を飲ませたが、彼女が単独で行っていたと話したらしい。えっ?学園内の、ちょっとした嫌がらせを吐かせる為に自白剤を使うの?それはきちんとした犯罪者に使うやつだよね?
なぜ反逆罪なのでしょうかと聞いてみましたよ!そしたら、義兄が
「マリーは国王陛下の姪で王族でしょ。王族のマリーに『死ね』なんてメッセージは、立派な反逆だよ。」
ひぃー、義兄の笑顔が今日も怖すぎるわ。
「王太子殿下と妃殿下はこの事件の報告を受けると、大変激怒されて、男爵家の取り潰しまで口にされていたが、そこは私が止めておいたよ。そんなことまではマリーベル嬢は望まないだろうって言ってね。」
はぁ?王太子夫妻が激怒したの?こんな事で?こんなレベルの事件まで報告されているの?
ああ、生徒会長様がまともに見えてきたわ。今まで突き放してゴメンね。これからは、先輩としてリスペクトして、それなりに仲良くしますね。
「お聞きしたいのですが、なぜ彼女はそんなことをしたのでしょうか?」
「…………。」
「……。」
「……。」
えっ?何でみんな黙るの?
「マリーが可愛すぎるのが悪いんだよ。」
はぁ?じゃなくて。義兄が好きだから、私に嫉妬したんでしょ。アナタが私にベタベタしなければ嫉妬されなかったかもしれないのに。
「ルーベンス先生、今回は先生が裏で色々と動いてくれて、ありがとうございました。義妹も、先生が担任で心強いようです。これからも、よろしくお願いします。」
義兄はルーベンス先生を信頼しているのね。まるで私の保護者になったような話ぶりだし。
「こちらこそ。マリーベル様が子供の頃から知っている者の一人として、お役に立てて、嬉しく思いますよ。」
こんな時でも、ルーベンス先生のブレない笑顔はすごいわね。
結局、義兄とルーベンス先生が犯人探しをしてくれたのね。後できちんとお礼を言わないとなぁ。
義兄とルーベンス先生は怒ると怖いというのが、疑惑から確信に変わったわ。なるべく怒らせないように気を付けよう。長生きしたいもの。
そう言えば、義兄も始めは悪役令嬢が犯人だと思っていたよね?あの悪役令嬢へ投げかけた言葉は「またお前か!」って感じだったもんね。今までの行いが悪いからしょうがないけど、あの義兄からの言われようは可哀想だったわね。あれでは更生しようとしても、またグレてしまうわ。
悪役令嬢さんがいるから、私は悪役にならずに済んでいるのかもしれないから、これからは少しだけ、彼女に優しくしてあげよう。
しかし、腹黒軍団が聞いたらガッカリ?するだろうなぁ。義兄とルーベンス先生がサラッと片付けてしまったなんて。
そして放課後、聖女子メンバーみんなで、私の部屋で反省会をしている。腹黒軍団たちは、学園と侯爵家の影が現行犯で捕まえたことをビックリしていた。腹黒軍団の誰かが、舌打ちをしたようだ。他の誰かもため息をついている。分かってますって。獲物を取られた気分なんでしょ。
くだらない嫉妬で、いちいち細かい嫌がらせをする令嬢達に牽制と見せしめをする為に、誰かをガツンとやっつけたい腹黒軍団。今回の結末は物足りないようだ。
今まで個別に小さな嫌がらせを仕掛けて来た令嬢達には、すぐにやり返し、やり返された令嬢達は目も合わせられないくらいになったけど、学年の違うお姉様方の中に、まだまだ面倒な人がいるみたい。もう私達に絡むと面倒なのが分かるように、思いっきり報復したいようだ。
生粋の貴族学園の令嬢達はやたらマウント取りたがるし、私達、聖女子出身者は存在が面白くないようだからね。早速、腹黒たちは次の獲物探しをするつもりのようだ。
それと、ユーリアからの影の報告。昨日、放課後の遅い時間、暗くなってから図書室から戻って来た男爵令嬢が、私の机に落書きしようとしているところで、現行犯で学園と侯爵家の影に捕まり、そのまま、学園の警備騎士に連行されて行ったそうだ。
なんか、呆気なくて寂しい気もする。ユーリアには、影にありがとうと伝えておいてねと、頼んでおいた。
165
あなたにおすすめの小説
全てを捨てて、わたしらしく生きていきます。
彩華(あやはな)
恋愛
3年前にリゼッタお姉様が風邪で死んだ後、お姉様の婚約者であるバルト様と結婚したわたし、サリーナ。バルト様はお姉様の事を愛していたため、わたしに愛情を向けることはなかった。じっと耐えた3年間。でも、人との出会いはわたしを変えていく。自由になるために全てを捨てる覚悟を決め、わたしはわたしらしく生きる事を決意する。
何年も相手にしてくれなかったのに…今更迫られても困ります
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢のアンジュは、子供の頃から大好きだった幼馴染のデイビッドに5度目の婚約を申し込むものの、断られてしまう。さすがに5度目という事もあり、父親からも諦める様言われてしまった。
自分でも分かっている、もう潮時なのだと。そんな中父親から、留学の話を持ち掛けられた。環境を変えれば、気持ちも落ち着くのではないかと。
彼のいない場所に行けば、彼を忘れられるかもしれない。でも、王都から出た事のない自分が、誰も知らない異国でうまくやっていけるのか…そんな不安から、返事をする事が出来なかった。
そんな中、侯爵令嬢のラミネスから、自分とデイビッドは愛し合っている。彼が騎士団長になる事が決まった暁には、自分と婚約をする事が決まっていると聞かされたのだ。
大きなショックを受けたアンジュは、ついに留学をする事を決意。専属メイドのカリアを連れ、1人留学の先のミラージュ王国に向かったのだが…
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
廃妃の再婚
束原ミヤコ
恋愛
伯爵家の令嬢としてうまれたフィアナは、母を亡くしてからというもの
父にも第二夫人にも、そして腹違いの妹にも邪険に扱われていた。
ある日フィアナは、川で倒れている青年を助ける。
それから四年後、フィアナの元に国王から結婚の申し込みがくる。
身分差を気にしながらも断ることができず、フィアナは王妃となった。
あの時助けた青年は、国王になっていたのである。
「君を永遠に愛する」と約束をした国王カトル・エスタニアは
結婚してすぐに辺境にて部族の反乱が起こり、平定戦に向かう。
帰還したカトルは、族長の娘であり『精霊の愛し子』と呼ばれている美しい女性イルサナを連れていた。
カトルはイルサナを寵愛しはじめる。
王城にて居場所を失ったフィアナは、聖騎士ユリシアスに下賜されることになる。
ユリシアスは先の戦いで怪我を負い、顔の半分を包帯で覆っている寡黙な男だった。
引け目を感じながらフィアナはユリシアスと過ごすことになる。
ユリシアスと過ごすうち、フィアナは彼と惹かれ合っていく。
だがユリシアスは何かを隠しているようだ。
それはカトルの抱える、真実だった──。
笑い方を忘れた令嬢
Blue
恋愛
お母様が天国へと旅立ってから10年の月日が流れた。大好きなお父様と二人で過ごす日々に突然終止符が打たれる。突然やって来た新しい家族。病で倒れてしまったお父様。私を嫌な目つきで見てくる伯父様。どうしたらいいの?誰か、助けて。
嘘つくつもりはなかったんです!お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。
季邑 えり
恋愛
異世界転生した記憶をもつリアリム伯爵令嬢は、自他ともに認めるイザベラ公爵令嬢の腰ぎんちゃく。
今日もイザベラ嬢をよいしょするつもりが、うっかりして「王子様は理想的な結婚相手だ」と言ってしまった。それを偶然に聞いた王子は、早速リアリムを婚約者候補に入れてしまう。
王子様狙いのイザベラ嬢に睨まれたらたまらない。何とかして婚約者になることから逃れたいリアリムと、そんなリアリムにロックオンして何とかして婚約者にしたい王子。
婚約者候補から逃れるために、偽りの恋人役を知り合いの騎士にお願いすることにしたのだけど…なんとこの騎士も一筋縄ではいかなかった!
おとぼけ転生娘と、麗しい王子様の恋愛ラブコメディー…のはず。
イラストはベアしゅう様に描いていただきました。
病めるときも健やかなるときも、お前だけは絶対許さないからなマジで
あだち
恋愛
ペルラ伯爵家の跡取り娘・フェリータの婚約者が、王女様に横取りされた。どうやら、伯爵家の天敵たるカヴァリエリ家の当主にして王女の側近・ロレンツィオが、裏で糸を引いたという。
怒り狂うフェリータは、大事な婚約者を取り返したい一心で、祝祭の日に捨て身の行動に出た。
……それが結果的に、にっくきロレンツィオ本人と結婚することに結びつくとも知らず。
***
『……いやホントに許せん。今更言えるか、実は前から好きだったなんて』
結婚結婚煩いので、愛人持ちの幼馴染と偽装結婚してみた
夏菜しの
恋愛
幼馴染のルーカスの態度は、年頃になっても相変わらず気安い。
彼のその変わらぬ態度のお陰で、周りから男女の仲だと勘違いされて、公爵令嬢エーデルトラウトの相手はなかなか決まらない。
そんな現状をヤキモキしているというのに、ルーカスの方は素知らぬ顔。
彼は思いのままに平民の娘と恋人関係を持っていた。
いっそそのまま結婚してくれれば、噂は間違いだったと知れるのに、あちらもやっぱり公爵家で、平民との結婚など許さんと反対されていた。
のらりくらりと躱すがもう限界。
いよいよ親が煩くなってきたころ、ルーカスがやってきて『偽装結婚しないか?』と提案された。
彼の愛人を黙認する代わりに、贅沢と自由が得られる。
これで煩く言われないとすると、悪くない提案じゃない?
エーデルトラウトは軽い気持ちでその提案に乗った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる