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南国へ国外逃亡できたよ
寡黙ではなかったお兄様
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休みも残りあと5日。予習や準備をしたいと思い、伯爵家に戻ることになる。
「リア、次の休みも必ず来てね。ハァ。離したくない。早くリアと結婚したい。」
私をギュッと抱きしめるオスカー様。
「オスカーったら。あと2年の辛抱よ。マリア、また学園生活頑張りなさい。あなたは、うちの自慢の娘よ。次の休みも楽しみにしているわ。」
「ありがとうございます。そしてお世話になりました。」
そして、伯爵家に帰る私。伯爵家に着くと。おじ様とおば様が迎えてくれだ。
「マリア、おかえりなさい。楽しかったかしら?」
「ただいま帰りました。楽しい時間を過ごす事が出来ましたわ。ありがとうございました。」
「それは、良かった!マリアがいなくて、寂しかったよ。今日はみんなで夕飯を食べよう!」
「そうね。…あっ!そう言えば、エルがね、マリアがなかなか戻ってこないから、イライラしてたわ。まだ学業が優先なのに、いつまで泊まりに行っているんだって。もう、ビックリよ!あのエルがシスコンに目覚めたのかしら?ねぇ、あなた?」
「くっ、くっ。いやー、あのエルがそんなこと言うなんて、ビックリしたけど。まぁ、可愛いマリアを心配して言っていたんだろう。マリアも口煩い兄が面倒に感じるかもしれないけど、酷い時は私達に言ってくれ。」
「そういえば、殿下にマリアをダンスに誘わないようにって、エルが話したらしいわよ。ここまでエルがシスコンになるとはね。笑っちゃったわよ。マリアも大変ねぇ。何かあれば、私達に言ってね。」
えー!確かに最近は、少しずつ口煩くなって来たような気がするけど、だからって急にシスコンになる?しかも、数日間会わなかったのに!今は仕事に行ってるから、帰って来たらどんな態度なんだろう。
フィル兄様は、柔らかくて、色っぽい感じのイケメンだったから、顔はそこまで怖くなかったけど。ここのお兄様は、キリッとした美形だから、怒ったら本気で怖そうだわ。
やはり、同居のお兄様とは深く関わってはいけないってことね。気を付けよう。勉強もしないといけないし、部屋で籠って、ガリ勉になっていれば、何も言われないだろうし、あまり顔も合わせないで済むよね。
新学期も近いので、部屋で予習をする私。あの感じの悪い宰相子息が本気になって来そうだし、負けたら、嫌味ったらしい事言ってくるかもしれないから、しっかり勉強しないとね。
部屋に籠って夢中で勉強をする私。気がつくと、時間が経っていたようで、外が暗くなっている。そのタイミングで、ドアがノックされた。メイドが夕食の声掛けに来てくれたのかしら。返事をすると、ドアが開いて、部屋に入って来たのは…
「マリア、侯爵家は楽しかったか?」
げー!何で部屋まで来たの?今まで部屋になんて、来なかったじゃないの。しかも、近衛の騎士服のままだよね。もしかして仕事から帰って来て、私が戻って来たと聞いて、そのまま私の部屋に来た?
「お、お兄様、お帰りなさいませ。侯爵家では楽しい時間を過ごせましたわ。」
「楽しかったのか!良かったな。…しばらく帰って来なかったから、マリアは家を忘れてしまったかと思っていたが…。ちゃんと覚えていたようで良かった。」
はぁ?私の中で寡黙だと思っていたお兄様が、嫌味を言ってきた?何なの?それがアンタの本性?
言葉を無くす私。
「………。」
「……マリア?」
「……ご心配をおかけしました。」
「今は学業が大切なんだから、気をつけるように。それと、そろそろ夕飯らしいから、ダイニングに来るようにな。」
「はい。分かりました。」
寡黙ではないお兄様は、部屋から出て行った。何なの、あれ?私は寡黙なお兄様が良かったのに。そのうち、何かあれば遠回しに言ってみようか。
夕食は何とも言えない雰囲気だった。おじ様とおば様はワインを飲みながら、楽しく会話をしているが、黙る私と、何となく機嫌の悪い義兄。
「エルは、せっかくマリアが帰って来たのだから、もっと話せばいいじゃないの。あんなに、寂しそうにしていたのにねぇ。マリアは今日も帰って来なかったのですかって、夕食の時は毎日聞いてきたのに。」
「寂しそうにはしていませんよ。ただ、学生なのに、数日も泊まりに行くのは、どうなのかと気になっただけです!」
お母様、そっとしてあげてー!
「エル、シスコンにならないように、気をつけることだな。嫌われるぞ!」
優しいお父様も、火をつけないで!
義兄がイラッとしている。怖いから、もう部屋に戻ろう。
「あの、今日はお先に失礼します。美味しいお食事、ありがとうございました。」
「戻ったばかりで疲れているでしょうから、ゆっくり休みなさいね。」
「マリア、おやすみ。」
「お休みなさいませ。」
そそくさと、ダイニングを出て部屋に戻ろうとする私。廊下を歩いていると、
「マリア!部屋まで送る。」
げっ!後ろから聞こえるこの声は。
「お、お兄様、1人で戻れますわ。」
「いいから。」
少し強引に手を繋がれる。はぁー?この人、どうしたの?
何を言っても無理そうだから、我慢して送ってもらうことにした。どうせ室内だから、すぐだしね。
そして部屋の前に着く私達。ふぅー。
「お兄様、ありがとうございました。お休みなさいませ。」
「…マリア。これからは、食事の後は部屋まで私が送る。…お休み。」
寡黙じゃなかったお兄様は、繋いでいた手にチュッとキスをして戻って行った。
……はい?私が侯爵家に行ってる間に、何があったのー?誰か教えてー!教えてーおじいさん!
残り少ない休日もガリ勉として過ごす私。お兄様が家にいる時は、何を考えているのか、わざわざ私の部屋にお茶を持って来たり、スイーツを運んで来たりする。こんなキャラだったの?なんか女嫌いの寡黙な人かと思ってたんだけど。
スイーツもお茶も好きだからいいのだけどね。なんか怖いよね…。お父様やお母様が言っていたように、シスコン魂が覚醒か?
でも、フィル兄様の時に学んだのよ。イケメンに関わると地獄を見ると!お願いだから、出先で一緒の時は、必要以上に側にいないことを希望します!
「リア、次の休みも必ず来てね。ハァ。離したくない。早くリアと結婚したい。」
私をギュッと抱きしめるオスカー様。
「オスカーったら。あと2年の辛抱よ。マリア、また学園生活頑張りなさい。あなたは、うちの自慢の娘よ。次の休みも楽しみにしているわ。」
「ありがとうございます。そしてお世話になりました。」
そして、伯爵家に帰る私。伯爵家に着くと。おじ様とおば様が迎えてくれだ。
「マリア、おかえりなさい。楽しかったかしら?」
「ただいま帰りました。楽しい時間を過ごす事が出来ましたわ。ありがとうございました。」
「それは、良かった!マリアがいなくて、寂しかったよ。今日はみんなで夕飯を食べよう!」
「そうね。…あっ!そう言えば、エルがね、マリアがなかなか戻ってこないから、イライラしてたわ。まだ学業が優先なのに、いつまで泊まりに行っているんだって。もう、ビックリよ!あのエルがシスコンに目覚めたのかしら?ねぇ、あなた?」
「くっ、くっ。いやー、あのエルがそんなこと言うなんて、ビックリしたけど。まぁ、可愛いマリアを心配して言っていたんだろう。マリアも口煩い兄が面倒に感じるかもしれないけど、酷い時は私達に言ってくれ。」
「そういえば、殿下にマリアをダンスに誘わないようにって、エルが話したらしいわよ。ここまでエルがシスコンになるとはね。笑っちゃったわよ。マリアも大変ねぇ。何かあれば、私達に言ってね。」
えー!確かに最近は、少しずつ口煩くなって来たような気がするけど、だからって急にシスコンになる?しかも、数日間会わなかったのに!今は仕事に行ってるから、帰って来たらどんな態度なんだろう。
フィル兄様は、柔らかくて、色っぽい感じのイケメンだったから、顔はそこまで怖くなかったけど。ここのお兄様は、キリッとした美形だから、怒ったら本気で怖そうだわ。
やはり、同居のお兄様とは深く関わってはいけないってことね。気を付けよう。勉強もしないといけないし、部屋で籠って、ガリ勉になっていれば、何も言われないだろうし、あまり顔も合わせないで済むよね。
新学期も近いので、部屋で予習をする私。あの感じの悪い宰相子息が本気になって来そうだし、負けたら、嫌味ったらしい事言ってくるかもしれないから、しっかり勉強しないとね。
部屋に籠って夢中で勉強をする私。気がつくと、時間が経っていたようで、外が暗くなっている。そのタイミングで、ドアがノックされた。メイドが夕食の声掛けに来てくれたのかしら。返事をすると、ドアが開いて、部屋に入って来たのは…
「マリア、侯爵家は楽しかったか?」
げー!何で部屋まで来たの?今まで部屋になんて、来なかったじゃないの。しかも、近衛の騎士服のままだよね。もしかして仕事から帰って来て、私が戻って来たと聞いて、そのまま私の部屋に来た?
「お、お兄様、お帰りなさいませ。侯爵家では楽しい時間を過ごせましたわ。」
「楽しかったのか!良かったな。…しばらく帰って来なかったから、マリアは家を忘れてしまったかと思っていたが…。ちゃんと覚えていたようで良かった。」
はぁ?私の中で寡黙だと思っていたお兄様が、嫌味を言ってきた?何なの?それがアンタの本性?
言葉を無くす私。
「………。」
「……マリア?」
「……ご心配をおかけしました。」
「今は学業が大切なんだから、気をつけるように。それと、そろそろ夕飯らしいから、ダイニングに来るようにな。」
「はい。分かりました。」
寡黙ではないお兄様は、部屋から出て行った。何なの、あれ?私は寡黙なお兄様が良かったのに。そのうち、何かあれば遠回しに言ってみようか。
夕食は何とも言えない雰囲気だった。おじ様とおば様はワインを飲みながら、楽しく会話をしているが、黙る私と、何となく機嫌の悪い義兄。
「エルは、せっかくマリアが帰って来たのだから、もっと話せばいいじゃないの。あんなに、寂しそうにしていたのにねぇ。マリアは今日も帰って来なかったのですかって、夕食の時は毎日聞いてきたのに。」
「寂しそうにはしていませんよ。ただ、学生なのに、数日も泊まりに行くのは、どうなのかと気になっただけです!」
お母様、そっとしてあげてー!
「エル、シスコンにならないように、気をつけることだな。嫌われるぞ!」
優しいお父様も、火をつけないで!
義兄がイラッとしている。怖いから、もう部屋に戻ろう。
「あの、今日はお先に失礼します。美味しいお食事、ありがとうございました。」
「戻ったばかりで疲れているでしょうから、ゆっくり休みなさいね。」
「マリア、おやすみ。」
「お休みなさいませ。」
そそくさと、ダイニングを出て部屋に戻ろうとする私。廊下を歩いていると、
「マリア!部屋まで送る。」
げっ!後ろから聞こえるこの声は。
「お、お兄様、1人で戻れますわ。」
「いいから。」
少し強引に手を繋がれる。はぁー?この人、どうしたの?
何を言っても無理そうだから、我慢して送ってもらうことにした。どうせ室内だから、すぐだしね。
そして部屋の前に着く私達。ふぅー。
「お兄様、ありがとうございました。お休みなさいませ。」
「…マリア。これからは、食事の後は部屋まで私が送る。…お休み。」
寡黙じゃなかったお兄様は、繋いでいた手にチュッとキスをして戻って行った。
……はい?私が侯爵家に行ってる間に、何があったのー?誰か教えてー!教えてーおじいさん!
残り少ない休日もガリ勉として過ごす私。お兄様が家にいる時は、何を考えているのか、わざわざ私の部屋にお茶を持って来たり、スイーツを運んで来たりする。こんなキャラだったの?なんか女嫌いの寡黙な人かと思ってたんだけど。
スイーツもお茶も好きだからいいのだけどね。なんか怖いよね…。お父様やお母様が言っていたように、シスコン魂が覚醒か?
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