悪い魔女

底に

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第6章 確率は50%

計画は7&9%

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コォォオオオオオオ シュゥゥウウウウウウウ

「行ったことないけど、黄泉よみの国に来たみたいだわ」

「なるべく固まって歩こう」

ソレモンとYO梨のあとを
人形の姿となった私達は付いていく。

魂達の層が厚くなり
霧の様に視界を遮る。

目の前が真っ白となった時
突如霧が晴れた空間が出てきた。

「着いたぞ、どうやらポーラ様はいないようだ」

その空間にはただ一つ
森の中にいる男女が描かれた
絵画が浮かんでいるだけだった。

「こ、ここは…」

「ん?ポーラ様から聞かされてないのか?そうか、お前達は新人だから分からないのか」

「ここはポーラ様の原点にして、最終地点の場所だYO!詳しくは俺達も聞かされてないけどな!」

「この絵は何なんですか?」

「これは【禁断の果実】の絵だ。お前達も聞いたことはあるだろう?全ての始まりにして楽園の終わりを知らせる絵だ」

禁断の果実、、
アダムとイブがどうのこうのしたモノか、授業でやっていたような、やっていなかったような。

しかし少し変だな

「あのー、どうして果実が描かれておらず、真ん中が空白なのですか?」

「描かれていないんじゃなくて、まだだYO!」

「今、我々が行っている計画、それはこの果実を完成させること。全人類の魂を一つに集め、ポーラ様によって【禁断の果実】に入れる」

ソレモンは続ける。

「全てを根源へ回帰させ、人というものを無くし、人以外の魂の持つものと暮らす世界、アダムとイブが居た楽園を創世する。それがポーラ様の世界征服の計画、【楽園計画エデンプログラム】なんだ」

!!!?

初めて聞かせれるポーラの計画
あまりの壮大さに驚きのあまり
私達は言葉に詰まる。

「まずは手始めに美術館の来客の魂を集め、力を蓄えていたんだ」

「絵の中の魂が増えるにつれ、ポーラ様の魔力が増えるんだZE!どんどん増やして世界中の人を絵の中に入れYOU!」

「で、でも!美術館に訪れた人が帰って来なかったら、みんな疑うんじゃないんですか?」

「その点は大丈夫だYO!一定の時間、魂を奪われていたら、そいつらの存在は。もう一度戻らない限り、みんなから忘れされてしまうのさ!」

「そんなぁ…」

だからマトモな方のポーラは
タイムリミットがあると言ったのか。

「ポーラ様がいないのなら仕方ないですね。私達はじゃあこれで」

サササササッ

私達はその場から逃げようとした。

「おい待て」

ギクッ!

ま、まさか、正体がバレて…

「出口はこっちだ。迷われても困るからな」

「また会おうZE!」

良い人?果物?で良かった。

私達は教えられた道を通って
部屋から出た。

パタン

アタフタアタフタ アワアワアワアワアワ

「どうしようどうしようどうしよう!」

「お、落ち着こう。僕達の手に負える話では無いことは分かった」

「今すぐ。逃げよう。」

「でもどっちみちポーラの魂倒さないとここから出れないんでしょ!」

「きっとどこかに隠し通路があるよ!」

「身体持ってる。魂だと。出れない。」

「そうよねそうよね!ああああ!終わったわ!」

「ニナの杖の能力で何とかならないか?ゲームで勝てば、一時的にポーラの魂を操れ、美術館から出れるだろう。その隙に大人達を呼んで事情を説明しよう」

「でも、信じてもらえるかしら?奪われた魂の持ち主の事、誰も覚えてないんでしょう?」

「それでもやるしかないさ!」

「どっちみち。戦うしか。なさそう。」

「…そう、ね。ポーラの魂を探しましょうか」

「でもどこにいるんだろう。見つからない事には始まらないな」

「そうねぇ、、」

〖ここにおるよ〗

!!!?

バッ!! ハーーイ♪ ヒラヒラヒラ

ポーラの魂が陽気そうに
手をヒラヒラと振っている。

「い、いつから!?」

〖ずっとおったよ、君がリンゴンと会った時からずっと〗

「じゃあ全部見ていたのね。どうして何もしなかったの?」

〖まだその時でないからな。今もそうじゃ。だから安心して欲しい〗

「そんなの信じられる訳が無いじゃない!」

〖ハッハッハッ!まあ良い。ワシはずっと側におるし違うとこにもおる。それは忘れるでないぞ〗

ハッハッハッハッハ!!! スゥーーーー

笑いながらポーラの魂はまた消えていった。

目的は何なのか。
どのタイミングで襲ってくるのか。

私達は恐ろしさでしばらく
その場を動けずにいたのだった。
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