悪い魔女

底に

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第7章 秋雨の神酒を君にー

巨木、ガオケレナの伝説ー

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「ぅぅ、なんでこんな目に…」

夏休みも開け、2学期が始まった。

私とは言うと、、

「大体、南の島でも全然バカンス出来なかったし、美術館でも散々な目にあったわ。それで宿題なんてできると思う!?」

私は夏休みの宿題をやらず
現在は補習三昧の日々を送っていた。

「あー、辛いヨー、誰か代わってくれないカナー」

チラッチラッ

「ハイハイ、早く課題終わらせないと放課後遊べないよ」

「くぅぅ、何でほとんど私と予定一緒だったのに、ネコは宿題全部終わっているのよ!」

「まあ、普通は宿題終わらせてから遊ぶよね。完全にニナが悪いよ。諦めて課題終わらせな」

「ちぇー」

ジャアネー ニナッファイトー ガラガラガラ

クラスのみんなが帰って行く。
私も早く課題を終わらせて遊びに行かないと。

同じ補習仲間のハロアも私と一緒に課題をやっていた。

「へいへーい!ニナ、課題終わった?」

「見ての通り、まだまだ全然だよ。ハロアは?」

「俺も全然だよ!でも後悔はしてないぜ!夏はそんな暇無かったからな」

「あら、何やったの?」

「勿論海でサーフィン三昧よ!常夏の男とは俺の事よ!」

「そういえばそうだったわね」

「ガオケレナ杯の受け付けも始まってるし!早く終わらせないとな!」

「ガオケレナ杯?何それ?」

「あれ、ニナ知らないの?毎年行われている大会だよ!確か魔法歴史学の授業でやっていた気がするけど」

「あー私、暗記科目苦手なんだよねー」

「理由になってないぜ!まあ俺も全然興味ないけど!」

アハハハハハ

その日は笑ってすましたが
その大会がまさかあんな事を
引き起こすとは、その時の私は
夢にも思わなかったのだった。


~その日の夜~

「ガオケレナ杯か…どんなんなのかエミオンに聞いてみよっと」

私はハロアの話が気になり
寮長のエミオンに聞いてみることにした。

因みにエミオンは喋る本だ。
久しぶりの登場で
全員忘れているとは思うが

「誰が忘れられているのだ!」

「あ、エミオン。いたのね」

「ニナが呼んだのだ!全く、久しぶりに会ったかと思えば…どうせ宿題もやってないと思ってたのだ」

「なっ、なぜそれを」

「寮長だから当たり前なのだ!生徒の事は詳しく知っているのだ。例えばニナがこっそり授業中にお菓子を…」

「あー!その話しはいいから!早くガオケレナ杯について教えてよ」

「分かったのだ。まずはガオケレナの説明からなのだ」

エミオンの説明が始まる。

бббббббббббббб

ガオケレナ

天空に浮かぶ海にあるとされている伝説の巨木なのだ。

その植物の実を食べると不老不死や死者をよみがえさせることができるとされているのだ。

その実で作られたハマオと呼ばれる神酒、それも飲むと素晴らしい力を発揮するとかしないとか。

ガオケレナ杯はその伝説にもとづいた、毎年行われている大会なのだ。

ルールは簡単なのだ。

三人一組となり天海を目指す、つまり文字通りより高い所を目指す、という大会なのだ。

使役獣、魔道具、勿論魔法もありなのだ。

つまり何でもありなのだ。

多少のルールはあるけども…

бббббббббббббб

「ざっくりはこんな感じなのだ。頭の悪いニナにも分かりやすく説明したつもりなのだ」

「ええ、お陰さまで凄く理解できたわ。あとで本棚に紙食虫を放っておくけど」

「そんな!絶対にやってはいけない事なのだ!許されないのだ!」

「本なんてこの世から無くなればいいのよ!!こんなのがあるから勉強しないといけないのよ」

「…夏休み開けても相変わらずなのだ」

「まあとりあえず理解できたわ。ありがとね、じゃまたね~」

「ああ!もう帰っちゃうのだ?まだもう少し話を…」

バタン スッ クルッ タッタッタッタッ

私はエミオンを本棚にしまい自分の部屋へと戻った。

「ガオケレナ杯か…三人一組…誰と出ようかな」

ゴロン

ベッドの上で考えていたら
私はいつの間にか寝ていたのだった。
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