悪い魔女

底に

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第7章 秋雨の神酒を君にー

同刻、重なり合う針ー

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特待生達が集まってるいる頃
そんな事はつゆ知らない私は
学園の廊下を悠々と歩いてた。

「ふんふんふーん♪」

「ニナっち随分ご機嫌だね!スイーツ食べ放題券でもあたったの?」

「そしたらもっとテンション高いわよ。補習の課題が全て終わったのよ。やっとね!だからこれで大手をふって遊びに行けるわ!」

「イェーイ!どこ行くどこ行く?やっぱ、トントコロ屋かな?マービニヤ横丁もいいよね!それからそれから…」

…レカ

クライと話しているとどこからか声が聞こえてくる。

「ん?何か聞こえない?」

「え、そう?んー、どうかなあ」

…コエ…スカ

「ほら!やっぱり聞こえるよ」

「えー、何も聞こえないよー。補習できっと疲れているんだよ。あ!アタイ、図書室の本返すの忘れてた!ゴメン、また後でねー」

「あっ、クライ…」

タッタッタッタッ

クライは図書室へと走っていった。

「んー、でも何だったのかしら。まさか、ポーラの呪いがまだあるのかしら!それともユピテルが生きているとか…心当たりがありすぎるわ」

ここ数ヵ月で本当に色んな事があったな。
大変だった事、それでも何とかなってきた事。

「学園に入れて良かったなー」

「もうすぐ学園は無くなるよ」

「そうそう、もうすぐ無くなる…ってえええ!!!?どいうこと!?というかあなた誰!?」

いつの間にか私の後ろに
見知らぬお婆さんが立っている。
廊下には私とそのお婆さん以外いなくなっていた。

「アタシの事はどうでもいいのさ。それよりアンタ、やっぱアタシの声が聞こえるんだね?」

「え、ええ。声どころか姿もくっきり見えますよ。掃除のおばさん?ですか?」

「まあそういう事にしといておくれ。ああ、やっと話ができる人が見つかった。良かった良かった」

「そんなことより!学園が無くなるってどういう事ですか!?」

「話せば長くなる。見た方が早い」

フルフルフルフル スッ スォン

お婆さんは震える手で杖を取り
ゆっくりと振った。

ワァーーー!! オイ!ダイジョウブカ!

コッチニモヒトガ! ガシャン ゴゴゴゴゴ

「な、何よこれ」

目の前に映像が映し出される。
見慣れた景色が破壊される画だ。

「学園が壊れていく…」

逃げ惑う人々、燃え盛る炎。
壊れゆく建物、混沌の合唱。

「これが、2ヶ月後の学園の姿さ」

「そんな…どうして…」

「今悪いことを企んでいる奴がいる。そいつが全てをむちゃくちゃにしようとしているんのさ」

「誰なんですか!こんな酷いことをする人は!」

「今は言えない。アンタが覚悟を決めるまではね」

「覚悟?何の覚悟ですか?」

ニヤリ お婆さんは笑う。

「これを受け取る、覚悟だよ」

ポンッ

「何これ…本?」

お婆さんから渡されたのは
一冊の古い本。

これによって私の運命の物語も
大きく動くのだった。

その事はまだ誰も知らない…
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