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早速彼女に会いに行こうと、ホームルームでそわそわしている僕をよそに、担任はのんびりと明日からの予定について説明をしている。一通りの説明が終わった後、ようやく解散となり、皆一斉に動き出す中、僕はいち早く教室を飛び出した。
――早くしないと帰ってしまうかもしれない。
そんな考えが脳裏を過り、僕は階段を一段飛ばしで上っていく。上階まで辿り着くと、廊下には誰もいなかった。
――まだ帰ってないといいけど……。
そう思いながら、僕はクラスメイトから聞き出した東雲楓のクラスへと向かう。ドアから覗き込むように中を確認した。しかし、教室内には数人の生徒がいるだけで、彼女の姿はなかった。
やはりもう帰ったのかと諦めかけたが、ふと、彼女がいるかもしれない場所に、僕は思い至った。踵を返し、階段を駆け下りていく。
校舎の外へ出ると、桜の木の下へと向かった。桜の木の下へ着くと、僕は辺りを見回した。彼女の姿がないか確認するためだ。しかし、そこに彼女の姿はない。
――いないか……。
勘が外れた僕は、肩で息をしながら、桜の木に背を預けると、空に向けて深く溜息をついた。
その時だ。校舎のたくさんある窓の一つのカーテンが揺れ、そこから人影が覗いた。
――まさかな……。
ほんの少しの期待を込めて窓の人影を見る。距離があってもすぐに分かった。そこには、先程まで探していた彼女の姿があった。
――いた。
思わず口元が緩んでしまう。それと同時に僕は走り出した。何も考えず、ただ彼女のもとへ。
彼女がいるであろう部屋のドアには、生徒会室と書かれたプレートが掛けてあった。ドアに手をかけ、勢いよく開ける。
「あの!」
ドアを開けるとともに響いた僕の大きな声に、室内にいた人たちの視線がこちらへと向く。その中には、彼女の姿もあった。
「えっと……何か御用ですか?」
彼女が、不思議そうな顔で首を傾げている。
「いや……あの……」
いざ本人を前にしたら、何を言えばいいのか分からなくなった。
「生徒会に何か用かな?」
戸惑う僕に助け舟を出してくれた彼女は、やはり夢の中よりもずっと大人びていた。
「いや、そうじゃなくて、その……」
「どうしたの?」
「あ、あなたに! 東雲先輩に、会いに来ました」
僕は彼女に一歩近づいた。
「私に? どうして?」
「それは……」
僕は再び言葉に詰まる。そんな僕の様子を見てか、彼女がクスッと笑みを浮かべた。
――かわいい。
素直にそう思った。彼女から目が離せなかった。
――早くしないと帰ってしまうかもしれない。
そんな考えが脳裏を過り、僕は階段を一段飛ばしで上っていく。上階まで辿り着くと、廊下には誰もいなかった。
――まだ帰ってないといいけど……。
そう思いながら、僕はクラスメイトから聞き出した東雲楓のクラスへと向かう。ドアから覗き込むように中を確認した。しかし、教室内には数人の生徒がいるだけで、彼女の姿はなかった。
やはりもう帰ったのかと諦めかけたが、ふと、彼女がいるかもしれない場所に、僕は思い至った。踵を返し、階段を駆け下りていく。
校舎の外へ出ると、桜の木の下へと向かった。桜の木の下へ着くと、僕は辺りを見回した。彼女の姿がないか確認するためだ。しかし、そこに彼女の姿はない。
――いないか……。
勘が外れた僕は、肩で息をしながら、桜の木に背を預けると、空に向けて深く溜息をついた。
その時だ。校舎のたくさんある窓の一つのカーテンが揺れ、そこから人影が覗いた。
――まさかな……。
ほんの少しの期待を込めて窓の人影を見る。距離があってもすぐに分かった。そこには、先程まで探していた彼女の姿があった。
――いた。
思わず口元が緩んでしまう。それと同時に僕は走り出した。何も考えず、ただ彼女のもとへ。
彼女がいるであろう部屋のドアには、生徒会室と書かれたプレートが掛けてあった。ドアに手をかけ、勢いよく開ける。
「あの!」
ドアを開けるとともに響いた僕の大きな声に、室内にいた人たちの視線がこちらへと向く。その中には、彼女の姿もあった。
「えっと……何か御用ですか?」
彼女が、不思議そうな顔で首を傾げている。
「いや……あの……」
いざ本人を前にしたら、何を言えばいいのか分からなくなった。
「生徒会に何か用かな?」
戸惑う僕に助け舟を出してくれた彼女は、やはり夢の中よりもずっと大人びていた。
「いや、そうじゃなくて、その……」
「どうしたの?」
「あ、あなたに! 東雲先輩に、会いに来ました」
僕は彼女に一歩近づいた。
「私に? どうして?」
「それは……」
僕は再び言葉に詰まる。そんな僕の様子を見てか、彼女がクスッと笑みを浮かべた。
――かわいい。
素直にそう思った。彼女から目が離せなかった。
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