アタシはギルドの受付嬢。でも、なんかちょっと違くない?

田古みゆう

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アタシ、ギルド嬢になる!(1)

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 やっとこの日が来た!

 待ちに待った日を迎えたタニアは、喜びに胸を躍らせた。

「今日で十五歳。これでアタシもギルド嬢になれる!」

 嬉しさのあまり緩みそうになる頬を慌てて掌で押し上げる。ギルド嬢はだらしない笑みなど浮かべない。いつだって素敵スマイルを絶やさない、それがギルド嬢というものだ。タニアは鏡の前で日課にしている笑顔と発声の練習をする。

 それから、今日のために母の衣装箱から拝借した赤いバンダナを手首に巻いた。タニアは姿見で自分の格好を確認する。白いブラウスに、短めの赤いチェック柄のプリーツスカート、それにロングブーツ。腰には、これまた母の衣装箱から拝借したクリーム色の腰巻きを巻き付けている。今日の服はタニアのお気に入り。大切な日だからこそ気合を入れたお洒落をする。それがタニアのこだわりだ。赤毛に近い茶色の髪はハーフアップのお団子にして顔をスッキリ見せている。タニアは鏡の中の自分を様々な角度で確認する。

「うん。今日も可愛い」

 タニアは満足そうにうなずいた。小さい頃、母から「女の子はね、いつでも可愛くしていないとダメよ」と教えられた。だから、タニアは毎日可愛い自分でいられるように努力している。

「よしっ」

 タニアは気合いを入れて、家を出た。仕事の登録をする就労斡旋所『プレースメントセンター』という所にはこれまで行ったことはなかったが、中央広場をまっすぐ北に突き抜ければ到着すると、ノルダの家の草むしりを手伝った時に教えてもらっていた。

 タニアは気分良く通りを歩く。空は快晴で、まるでタニアの門出を祝福してくれているかのようだ。ウキウキとした気分は時間をあっという間に過ぎさせる。気づけば、目の前に大きな建物があった。

 建物はどっしりと大きく横に広い。同じような扉がいくつもあり、どこが入り口なのか一見しただけではわからない。とりあえず、タニアは開け放たれている一番近くの扉へ向かった。建物の入り口をくぐると、広々としたフロアがタニアを迎える。壁には多くの貼り紙。それを見ている人が何人もいる。フロアの奥に設置されたカウンターではそれぞれに何か話し込んでいる人達。ここで合っているのだろうか。タニアがキョロキョロと辺りを見回していると、背後から声をかけられた。

「どうした? 思う仕事が見つからないか?」

 タニアが振り返ると、そこには髭面の大男が立っていた。筋肉で覆われたその逞しい体躯のせいで威圧的に見える。
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