金貨三枚で買った性奴隷が俺を溺愛している ~平凡冒険者の迷宮スローライフ~

結城絡繰

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第77話 新たな装備の鑑定を依頼してみた

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 翌日、俺達はギルドの鑑定術師のもとへ向かった。
 そこで黒い刃の短剣を調べてもらう。
 使うにしても売るにしても、その正体を明らかにしないといけない。
 俺から短剣を受け取った鑑定術師は、興味深そうな目付きで調べ始める。

「また面白い武器やなぁ。こんなん普通は手に入らんで? よくもまあ、見つけたもんやわ」

 独特の口調のせいで説教されているような気分に陥るが、それは俺の錯覚である。
 鑑定術師はいつもこんな喋り方をするのだ。
 語気の強さで周りから怖がられているのが悩みだと愚痴られたことがある。
 悩むくらいなら喋り方を変えればいいと思うのだが、そう簡単にはいかないのだろう。

 過去の会話を思い返していると、鑑定術師が短剣を返してきた。
 受け取った俺は尋ねる。

「どんな性能か分かったのか」

「当然やろ。神代の道具だって一目で丸分かりなんやから」

 鑑定術師は手を振って述べる。
 さすがに神代の道具云々は冗談だろうが、彼女の能力の高さは疑いようもない。
 そうでなければギルド専属の鑑定など任せられないはずである。
 一つ咳払いをした後、鑑定術師は短剣を指差して説明する。

「この短剣はな、刺した相手の魔力を苦手属性に変換する力を持っとる」

「苦手属性?」

「相性が悪い属性ってことや。適性が狂うから魔術は使いにくくなるし、種族によっては致命的やろうな……アンデッドなんかは体内で光属性が増えるわけやから、一発で死ぬと思うで」

 そこで鑑定術師が意味深な笑みを見せる。
 こちらを試すような眼差しだった。
 なんとなく意味を察した俺は彼女に訊く。

「……知っているのか」

「どっかの冒険者が死霊術師を倒したって噂は聞いたなぁ。立派な功績やのに匿名希望って時点で怪しいし、そこでこんな短剣を持ってくる奴がいたら確定やろ」

 頬杖をつく鑑定術師が断言した。
 どうやら俺が死霊術師を倒したのだと確信しているらしい。
 下手な言い訳をしたところで納得しないだろう。
 俺が黙り込んでいると、鑑定術師が微笑んだ。

「まあ、誰にも話さんから安心しいや」

「すまない、助かる」
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