異世界に落っこちたので、ひとまず露店をする事にした。

ねぎ(ポン酢)

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第二章「ひとりといっぴきのリスタート」

改造人間参上!www

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優しい手が頭を撫でてくれる。
ちょっと節くれだった手。

あ~そこそこ~。
そこなんだよ~。

何も言わなくても撫でて欲しい所を、掻いて欲しい所を掻いてくれる。
うっとり幸せな気持ちになる。

スキューマも飲んだせいか、ふわふわしている。
と言うか、酔うなんてどれほどぶりだろう??
体が大きくなってからは酔ったことなどない。

………体が大きくなってから??

もぞもぞ動いて自分の手を見る。
大きくなった??
いつ??
自分は何を言っているのだろう??
今も昔も、父と母が可愛いと言ってくれるもふもふの小さな手ではないか??

大きな手が程よい圧力で撫でてくれる。

あぁ、そうか……。
早く大きくなりたいと思っていたから、そんな夢を見たんだ。
いくら大きくなりたいと言っても、あんなマクモのような大きさにはならなくていいのになぁ……。
あれでは街で暮らすのが困難だ。

自分の夢がおかしくて、クツクツと笑う。
あんなには大きくなりたくない。
母さんがびっくりしてしまう。
でも父さんは凄い凄いって笑ってくれるだろう。

顔を上げる。
撫でてくれている相手はわかっている。

だって母さんは俺を抱きしめてゆらゆら揺らしながら撫でるんだ。
たまに歌も歌ってくれる。
こうやって膝に乗せ、気持ちいい所を全部撫でて掻いてくれるのは父さんだ。

大きな手。
頭をすっぽり包む温かい手。
とても幸せだ。

顔を上げた俺を覗き込む大きな影。
優しい眼差し。


「…………とうさ………。」


呼びかけようとして、自分の声が違う事に気づいた。
あの頃の声じゃない。

それにスキューマを飲んだって?!

飲む訳がない。
子供の飲むものじゃないと散々母さんに言われていた。


「…………えっ?!」


俺は微睡みから目覚めた。

ハッとした。
そうだ、あれは夢ではない……。


我は、マクモになったのだ。


ズキリ…と忘れていたはずの胸の奥の古傷が痛んだ。
夢を見ていたのはさっきまでの方か……。

でも……。

見上げた顔。
包み込むように上から我を見下ろす温かい眼差し。


「ネル??」

「………何でもない、料理はまだか??」

「もうすぐだよ。今、ワゴンが来たから。」

「ふん。」


我は誤魔化すようにまだその膝の上で丸くなった。
コーバーは気にすることなく、ウォーグルと話しをしている。
大きな手がトントンとあやすように背中を叩いてくれる。

そのお陰で、妙に早く打ち鳴らされ重く響いていた鼓動は徐々に治まっていった。


ああ…こんなにも鮮明に思い出すなどとは……。


我は落ち着きを取り戻しながらも、どこか落ち着かない何かを感じていた。











ネストルさんが変だ。

どこが、と聞かれると困るのだが何か変だ。
まぁここに落ちて恐らく1ヶ月半ほど。
その程度しか付き合いがないのだから、変と判断するのはおかしいのかもしれないけれども。

(でもさ~、これまで俺に背中を向けて寝るなんて事、一度もなかったんですけどねぇ~。)

獲ってもらったペワゾを焚き火に刺した俺は、こちらに背を向け寝床に丸まるネストルさんをそれとなくチラ見する。
影子を作る為に色々摂取して寝てばかりいた時も、こちらに顔を向け何となく俺を見守っていた。
でも今は、触れて欲しくないと言いたげな感じで背を向けて寝ている。

何だろう??
怒らせるような事とかしただろうか??
やっぱり、あの自立する云々の話が納得いかないのだろうか??

これまで無条件に気にかけてもらっていたので、何だか悲しくなる。
うう…俺の言ってる事ってそんなに変なのかなぁ~わがまま言っているのかなぁ~。
凄く落ち込む。

でも考えてみれば、俺は一方的に「こうしたい!」と言ってばかりで、ネストルさんがどうしたいのか、どう考えているのかちゃんと聞いていないかもしれない。

(………それを聞いて…、ここに居たら駄目と言われるのが怖かったんだよな……。)

多分、自立云々もここに居たら駄目だと、出て行けと言われるのが怖かったから無意識にそうしようと思ったんだと思う。
今までの経験から共同生活をする場合、最低でも自分にかかる必要経費は自分で賄えるのが最低条件だったからだ。
結婚を前提にした恋人同士ならともかく、家族でもなければルームシェアをする場合はそうでなければならない。
だから一緒にいたいから、俺は自分の事は自分で出来るようにならなければならないと思ったのだ。

(でも……ネストルさんは、森で一緒にいるなら、自分が面倒を見るのが当たり前だと思ってるんだよなぁ~。)

だからそれを否定されると多少なりとも傷つくのだ。
自分を頼らないのは頼りないからだとか、本当は森ではなく街で暮らしたいからそうしたいんだろうと。

「違うんだけどなぁ~。」

俺にはネストルさんがそこまで思い込んでしまう理由はわからない。
でもそれはきっと、ネストルさんが今まで生きてきた中で、そうするのが普通だと無条件に信じる積み重ねがあったのだろう。
俺がこれまでの経験から、問題なく共同生活を送るには自立しているのが当然の最低条件条件だと無意識に思うように、ネストルさんにもそれが当然だという積み重ねがあるのだ。

「………だったら、自分の考えを押し付ける感じじゃ駄目だ。ちゃんとネストルさんがどう思っているのか、どうしたいのか聞かないとな……。」

火にかけたペワゾが焼けてきて、いい匂いが漂い始める。
ペワゾってのは…魚みたいなものだ。
いや、鳥なのか……。
正直、初めて見た時はびっくりした。
魚が空を飛んでいるのだ。
群れで飛んでいるものもあれば、単独で飛んでいるものもある。
……いや、あれは飛んでいるって言うのか??
大気の中を泳いでいるって言った方が良いのかもしれない。

「………良い匂いだ。」

「ネストルさん!!」

ペワゾの匂いに釣られたのか、ネストルさんが体を起こした。
大きな口を開けてあくびをしている。
うわ~、おっかない~。
俺はその牙と立派に生え揃った歯を見て、すくりと笑った。
はじめは怖いと思っていたネストルさんのモンスター顔と見事な牙も、今では見慣れて可愛いポイントだとすら思う。

「もうすぐ焼けますよ?」

「いや、我が食べたらコーバーの分がなくなるであろう?」

ネストルさんはそう言うと、俺と焚き火の横を通り過ぎ、森の中に立った。
そしてクワッと口を開ける。
その瞬間、周囲に突風というか旋風というかが吹き荒れ、周辺の植物や土や石を巻き込みネストルさんの口の中に吸い込まれていく。

「………何か、何度見ても納得できないです。その食事……。」

「いや、これは食事ではなく吸収だと何度も言っておるではないか??」

口の端に残った木の葉をもしゃっと取り込み、ネストルさんは言った。
吸収であろうと何だろうと、この雄々しい獅子のようなネストルさんが草木(や石)を食べているのを見ると、食物連鎖はどこに行った?!と物凄く頭が混乱するのだ。

「そりゃ、成分を取り込めばネストルさんが存在を維持できるのはわかってますよ、ルアッハなんですから。」

少し前までは、自分がそんな事を普通の事として言葉にするなんて思いもしなかった。
でも今は自然と口に出てくる。
少しずつだが、この世界に馴染んできた証拠だ。
俺はペワゾの焼き加減をチェックして、向きや場所を変える。

「ん~、ネストルさん、8匹で良いですか??」

俺はペワゾの数から自分の食べる分を決め、戻ってきたネストルさんを見上げた。

「いや、我は今、吸収を済ませたであろう??全部コーバーが食べれば良い。」

「流石に俺、10数匹も食べれないですよ?!」

「なら、この前の……ナバンツゲ??とか言うのにして、後で食べれば良かろう??」

「南蛮漬けですよ。というか南蛮漬けもどきの単なる焼き魚の酢漬けですけどね。」

「でも旨かったではないか?あの様な食物の保存方法があるなど、我は知らなかったぞ??」

「へぇ~、南蛮漬けはこの世界にないんですね~??」

「どこかの国にはあるやもしれぬが、少なくとも我は食した事がなかった。」

「なるほど……少なくともこの周辺にはない食べ方なんですね……。覚えておこう。」

こういうネストルさんとの何気ない会話は大事だ。
露店をやる上で、商品の候補になるからだ。
俺は話しながら焼けたペワゾを串を外して大きな葉っぱに乗せていく。
そしてネストルさんの分をそのまま葉っぱで巻いた。

「はい、ネストルさん。この程度じゃ食事にはなりませんがどうぞ。」

「いや!我は大丈夫だ!!」

「そんな事言っても、涎垂れてますよ??」

「う……っ。」

「ネストルさんの食事が終わったのはわかりましたよ。でもちょっと味わうだけでもいいじゃないですか?それとも俺に一人寂しく飯を食えと??」

「そ……それは………。」

こう言ってしまうと、ネストルさんはたいてい折れる。
ただ食べてくださいと言っても頑なに拒否するが、俺にひとり飯を食わせるのかと言うと、悩みながらも一緒に食事してくれる。
別にひとり暮らしだったからひとり飯に抵抗はないのだが、こんな涎を垂らしながら我慢するネストルさんを放っておける程、俺は鬼じゃない。

「はい、受け取って!!」

「う、うむ……。」

少し困りながら、ネストルさんは俺の差し出したペワゾの包まれた葉っぱを触手を伸ばして受け取る。
俺はそれを見届けて、朝に茹でておいたムクムクをパチンと割った。
膨張したムクムクが白飯代わりだ。

「では!いただきます!!」

「……イラダキムォーツ…??」

「ブッ!!」

ネストルさんは「いただきます」も上手く発音できない。
めちゃくちゃ可愛い。
うまく言えなくても、必ず一緒に「イラダキムォーツ」と言ってくれる。

「笑わなくても良かろう……。」

「ごめんなさい。でも、なんで発音できる言葉とできない言葉があるんですかね~??」

俺は焼けたばかりのペワゾを噛りながら聞いた。
熱くてハフハフしてしまうが、やはり旨い。
街に行った時、これだけはと思い塩を買っておいて良かった。
ペワゾの味は、やはり魚に近いのだが鳥っぽくもある。
元の世界でカエルを食べた事があるのだが、それに似ているかもしれないし、少し違うかもしれない。
まぁペワゾはペワゾの味がするって事だ。

「発音できぬ物は、殆どの場合、こちらにその意味の言葉がない時であろうな??」

ハフハフとペワゾを頬張る俺を面白そうに見つめながら、ネストルさんは言った。
この世界にそれを意味する言葉がない??
どういう意味だろう??
俺はもぐもぐ口を動かしながらネストルさんを見上げた。

「それって、エチョ耳みたいですね??」

「似たようなものだからな。」

さも当然と言うようにネストルさんは言った。
……どういう事だ??
俺は何か嫌な予感がした。

「……ネストルさん、それはどういう意味ですか??」

俺は恐る恐る聞いた。
俺の頭の中に恐ろしい考えが浮かんだからだ。

いや、違うよな??
いくらなんでも違うよな?!
でも……。


……だったら何故、俺はこの世界の人と会話できているんだ?!


気がついてしまえば恐ろしい事だ。
俺はこの世界の存在体ではない。
俺がこの世界の人の言葉を聞き取れるのは、ネストルさんが言葉を音として聞くのではなく、意味として聞けるように俺に細工したからだ。

だとしたら……。

青ざめる俺をよそに、ネストルさんはあっけらかんと言った。


「コーバーは話す時、元の世界の言葉からこちらのドルムの言葉に直して口にしておる。だが、こちらのドルムにそれを意味する言葉がなければ、そのままその音を口に出しておる。故に初めて聞く音だから、我らは上手く発音できぬのだ。」


俺は固まった。
何となくそんな気もしていた。
だが衝撃すぎて叫ばずにはおれなかった。

「うわあぁぁぁ~っ!!やっぱり?!やっぱりそういう事なんですね?!いつ?!いつそんな細工を俺にしたんですか?!」

「エチョ耳と同じだ。最初に言ったではないか??コーバーがこのドルムで生きていけるよう、足したり引いたりしたと……??」

「うわあぁぁぁ!!足したんですか??俺の頭に足したんですか?!」

「そうだぞ??言葉を話す時にこちらの言葉に直す部分を足した。言葉が聞き取れないのも生きてゆくには困るし、話せないのも困るではないか??」

「そうですけど……そうなんですけど!!」

「………勝手な事をしたのは悪いとは思う。初めて出会った時は我もコーバーの体を色々置き換え調整する事に何の躊躇も持たなかった故、必要そうなら深く考えずにやってしまった。だが、そうしなければコーバーは話せないし周りの話も聞き取れないのだ。許してくれぬか??」

「すみません……怒っている訳ではないんです……。エチョ耳も言葉の変換も、ここで生きていくには必要な事ですし、正直、凄くありがたいです。……ただ、脳の中を結構イジられているんだなぁと思うと……少しショッキングだっただけです……。」

俺はありがたいと思う反面、流石にちょっとショックでしばらく言葉が出なかった。
いや、聞いてたよはじめから……。
この世界で生きていけるように、足したり引いたりしたって……。
でもそれがどういう事なのか、考えるのが怖かったのだ。
それを事実として目の当たりにすると、やはりそれなりに衝撃を受けてしまう。

「コ、コーバー……すまぬ、大丈夫か??」

「大丈夫です……多分、仮面ライダーも目覚めた時に受けた衝撃です。それを味わえたのだと思えばめちゃくちゃレア体験な上、誇りに思います……。」

「キャ、キャテンタイーラー??」

ちょっとシビアに決めてみた俺に対し、ネストルさんはまたもおかしな発音を披露してくれる。

「仮面ライダー。」

「キ……キャテンターイラ??」

一生懸命、仮面ライダーを言おうとしてくれるネストルさん。
それがあまりに可愛くて、俺は思わず声を上げて笑ってしまった。
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