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第二章「ひとりといっぴきのリスタート」
癖のあるダンディー
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「スキューマの販売??」
怒ったままトレスがトラッドに所長に送られて行った後、俺は継続的に今後来る事といずれ商品として出そうかと思っているものについて聞いてみていた。
相談をする為に商業許可証の受付相談窓口ではなく、それ用のスペースっぽい机と椅子の所でギムギムさんと向かい合って話していた。
ちなみにギムギムさんというのはノース君がつけたあだ名だったらしい。
リーフスティーさんが呼んでいたギムールさんが正しい。
でもノース君が呼び始めてから職場ではこの愛称で通っているみたいで、どっちで呼んでもいいと言われた。
先日と今日の騒ぎのお詫びから始まった談笑を、ノース君がチラチラこちらの話を聞いているのが耳の動きでわかってちょっと可愛い。
「はい。スキューマって言っていいのかわからないんですけど、そういう物って販売するのに何か許可がいるだろうなと思って。」
日本でも酒類の販売には許可がいるから、ここでもそうなのではないかと思って相談してみた。
別に酒類(ここでは炭酸水なのだが)を売ろうとしている訳ではないのだが、過程で炭酸水の様になってしまうのだ。
話していてどういうものか聞かれたので、説明するより見せた方が早いと思い、作って見せる。
「ほう……これはまた……。」
「わ~!!コーバーさん!!何スか?!これ?!何でこうなるんスか?!」
「こら、ノース!持ち場を離れるんじゃない!!」
ノース君はそうギムギムさんに怒られたが、他の人もわらわらと珍しそうに集まってきた。
これではノース君を怒るに怒れず、ギムギムさんが苦笑している。
リーフスティーさんが不思議そうに俺の作ったグラスを覗き込んでいるのが水族館みたいで綺麗だった。
「ええと……ちょっと味見をされますか??」
皆さん仕事中という事もあって、俺は控えめに言ったが、目の輝きを見て俺は一口ずつ程度にそれを分け、飲んでもらった。
「あら、これぐらいって飲みやすい!」
「スキューマって程でもないな??でも多少は炭酸を感じる。」
「これって酔物販売許可、要ります??」
「微妙だなぁ~!!」
「コーバーさん!!もっとたくさん飲まないとわかんないッス!!」
「こら!ノース!!調子に乗るんじゃない!!」
そんな風にワイワイしていると、所長さんが帰ってきた。
皆が集まっているので、当然こっちに来る。
「何集まってんだ?」
「あ、所長さん、ありがとうございました。」
「あぁ、いいって。ああやって悪戯な行動を取るのもシンマの特性だしな。むしろ店主がおっかない顔で鷲掴みにしてたんで、そっちの方が心配だよ、俺は。」
「あ~……。」
トレス、大丈夫だったろうか…。
まぁ自分でやった事なのだし、俺が何かしてやれることも無いし、仕方なかろう。
俺は苦笑いを浮かべるしかなかった。
「で??オメェらは仕事もしねぇで集まって、何してんだ??」
にっこり笑って所長さんが言う。
笑顔の割にドスの効いた声に、集まっていた人たちが散っていく。
それを見送ると、困ったもんだとギムギムさんの隣にドカッと腰を下ろした。
そうは言っても、睨みを利かせただけで、別にクドクド何か言ったりもしない。
俺を見て、で?何してんだ??とか笑ってる。
中々、面白い人だよな、所長さんて。
「コーバーヤッシュ氏が新しい飲み物の販売をするに当たり、酔物販売許可がいるか聞かれていた所なんですよ。」
ギムギムさんが丁寧に所長さんに説明する。
それを聞いた所長さんはキラキラと目を輝かせた。
「スキューマ売んのか?!アルバの森にゃ炭酸鉱泉があんのか?!」
「炭酸鉱泉??」
「炭酸水の湧き水の事です。天然スキューマと言われ、しかもそれがマクモ様の住まう森となるととても価値がありますね。」
そう言えば日本にも炭酸水が湧き出る場所があるって聞いた事があるな??
残念ながらアルバの森にはそんな所はないけれど。
「で?!どこだよ?!湧いてんのか?!」
「すみません……湧いてる場所はないんです……。」
「そっか~!!もしあったら!うっはうはのがっぽがっぽだったのによ~!!」
「所長、マクモ様の住まう場所なのですから、たとえ炭酸鉱泉があったとしても、その言い方はちょっと……。」
「何!アルバのマクモ様ならんな言い方一つに何だかんだ言わねぇよ?!気にし過ぎだっての!!」
「は、ははは……。」
所長さんはネストルさんに会った事でもあるのだろうか??
ネルとしては会ってるけどさ。
「で??炭酸鉱泉じゃねぇなら、何なんだ??」
「えぇ、今、皆で味見をさせてもらったのですが……。」
「スキューマの味見だぁ?!皆、業務中にいい度胸じゃねぇか?!」
「いえ!一口程度しか飲んで頂いてませんから!!」
「それに、酔物販売許可がいるか微妙なラインでして……。」
「お~、よくわかんねぇが、俺も味見させてもらってもいいかい??」
「もちろんです。」
俺は急いでそれを作って見せた。
おお!と言いながら見ていた所長さんは、それが出来上がると、一口に分ける間もなく、ガシっとグラスを掴んで飲み始めてしまった。
「えっ?!所長さん?!」
「……やると思っていましたよ…。」
ゴクゴクと飲み干す所長さん。
え??これ、酒扱いだったとしたら、まずくないですか?!
オロオロする俺に、ギムギムさんが諦めたように首を降ってみせた。
「ぷはぁ~!!旨い!!」
「ええと……ありがとうございます……。」
「だが、これは確かに微妙だな??スキューマつって良いのか??」
「ええ。そこまで炭酸がしっかりしている物ではありませんが、ゼロではないですからね。酔物販売許可を出す程ではなくとも、つけなければ成人前の子供などが飲んでしまう恐れがありますね。」
「ん~。確かにそうだなぁ~。スキューマっていえるもんでもないが、子供が飲む恐れが出てくるとなると付けざるおえんなぁ。」
「では、酔物販売許可を頂きたいのですが……。」
「そうだな、ギムール、作ってやんな。」
「すぐにですか??」
「だってよぉ?スキューマって言えるほどのモンでもねぇし、こいつの場合、マクモ様の息吹がついてんだぜ??身元調査も糞もねぇだろ??」
「そうですね。では、今から書類をお作りしますので、しばらくお待ち下さい。」
「あ、はい……。」
そうか、酔物販売許可を得るには身元調査とかもされるのか……。
でもここはネストルさんが治める土地で、そのネストルさんから息吹をかけられている俺は、ある意味、印籠を持った水戸光圀公みたいなものなのか……。
例えが古いなと自分で自分にツッコむ。
「あの……もし時間がかかる様でしたら、露店販売後に売上報告と納税の時にもらっても良いですか??」
「そうですね、あまりここで足止めをしてしまっては、コーバー君の売上に響いてしまいますね。それで大丈夫ですよ。」
何だかんだで時間を食ってしまったので、そろそろ露店を出しに行きたい。
俺の提案にギムギムさんは快く頷いてくれた。
「あ!!なら俺が昼休みに届けるッス!!」
そしてそれを耳聡く聞いていたノース君が、嬉々として反応したのだった。
怒ったままトレスがトラッドに所長に送られて行った後、俺は継続的に今後来る事といずれ商品として出そうかと思っているものについて聞いてみていた。
相談をする為に商業許可証の受付相談窓口ではなく、それ用のスペースっぽい机と椅子の所でギムギムさんと向かい合って話していた。
ちなみにギムギムさんというのはノース君がつけたあだ名だったらしい。
リーフスティーさんが呼んでいたギムールさんが正しい。
でもノース君が呼び始めてから職場ではこの愛称で通っているみたいで、どっちで呼んでもいいと言われた。
先日と今日の騒ぎのお詫びから始まった談笑を、ノース君がチラチラこちらの話を聞いているのが耳の動きでわかってちょっと可愛い。
「はい。スキューマって言っていいのかわからないんですけど、そういう物って販売するのに何か許可がいるだろうなと思って。」
日本でも酒類の販売には許可がいるから、ここでもそうなのではないかと思って相談してみた。
別に酒類(ここでは炭酸水なのだが)を売ろうとしている訳ではないのだが、過程で炭酸水の様になってしまうのだ。
話していてどういうものか聞かれたので、説明するより見せた方が早いと思い、作って見せる。
「ほう……これはまた……。」
「わ~!!コーバーさん!!何スか?!これ?!何でこうなるんスか?!」
「こら、ノース!持ち場を離れるんじゃない!!」
ノース君はそうギムギムさんに怒られたが、他の人もわらわらと珍しそうに集まってきた。
これではノース君を怒るに怒れず、ギムギムさんが苦笑している。
リーフスティーさんが不思議そうに俺の作ったグラスを覗き込んでいるのが水族館みたいで綺麗だった。
「ええと……ちょっと味見をされますか??」
皆さん仕事中という事もあって、俺は控えめに言ったが、目の輝きを見て俺は一口ずつ程度にそれを分け、飲んでもらった。
「あら、これぐらいって飲みやすい!」
「スキューマって程でもないな??でも多少は炭酸を感じる。」
「これって酔物販売許可、要ります??」
「微妙だなぁ~!!」
「コーバーさん!!もっとたくさん飲まないとわかんないッス!!」
「こら!ノース!!調子に乗るんじゃない!!」
そんな風にワイワイしていると、所長さんが帰ってきた。
皆が集まっているので、当然こっちに来る。
「何集まってんだ?」
「あ、所長さん、ありがとうございました。」
「あぁ、いいって。ああやって悪戯な行動を取るのもシンマの特性だしな。むしろ店主がおっかない顔で鷲掴みにしてたんで、そっちの方が心配だよ、俺は。」
「あ~……。」
トレス、大丈夫だったろうか…。
まぁ自分でやった事なのだし、俺が何かしてやれることも無いし、仕方なかろう。
俺は苦笑いを浮かべるしかなかった。
「で??オメェらは仕事もしねぇで集まって、何してんだ??」
にっこり笑って所長さんが言う。
笑顔の割にドスの効いた声に、集まっていた人たちが散っていく。
それを見送ると、困ったもんだとギムギムさんの隣にドカッと腰を下ろした。
そうは言っても、睨みを利かせただけで、別にクドクド何か言ったりもしない。
俺を見て、で?何してんだ??とか笑ってる。
中々、面白い人だよな、所長さんて。
「コーバーヤッシュ氏が新しい飲み物の販売をするに当たり、酔物販売許可がいるか聞かれていた所なんですよ。」
ギムギムさんが丁寧に所長さんに説明する。
それを聞いた所長さんはキラキラと目を輝かせた。
「スキューマ売んのか?!アルバの森にゃ炭酸鉱泉があんのか?!」
「炭酸鉱泉??」
「炭酸水の湧き水の事です。天然スキューマと言われ、しかもそれがマクモ様の住まう森となるととても価値がありますね。」
そう言えば日本にも炭酸水が湧き出る場所があるって聞いた事があるな??
残念ながらアルバの森にはそんな所はないけれど。
「で?!どこだよ?!湧いてんのか?!」
「すみません……湧いてる場所はないんです……。」
「そっか~!!もしあったら!うっはうはのがっぽがっぽだったのによ~!!」
「所長、マクモ様の住まう場所なのですから、たとえ炭酸鉱泉があったとしても、その言い方はちょっと……。」
「何!アルバのマクモ様ならんな言い方一つに何だかんだ言わねぇよ?!気にし過ぎだっての!!」
「は、ははは……。」
所長さんはネストルさんに会った事でもあるのだろうか??
ネルとしては会ってるけどさ。
「で??炭酸鉱泉じゃねぇなら、何なんだ??」
「えぇ、今、皆で味見をさせてもらったのですが……。」
「スキューマの味見だぁ?!皆、業務中にいい度胸じゃねぇか?!」
「いえ!一口程度しか飲んで頂いてませんから!!」
「それに、酔物販売許可がいるか微妙なラインでして……。」
「お~、よくわかんねぇが、俺も味見させてもらってもいいかい??」
「もちろんです。」
俺は急いでそれを作って見せた。
おお!と言いながら見ていた所長さんは、それが出来上がると、一口に分ける間もなく、ガシっとグラスを掴んで飲み始めてしまった。
「えっ?!所長さん?!」
「……やると思っていましたよ…。」
ゴクゴクと飲み干す所長さん。
え??これ、酒扱いだったとしたら、まずくないですか?!
オロオロする俺に、ギムギムさんが諦めたように首を降ってみせた。
「ぷはぁ~!!旨い!!」
「ええと……ありがとうございます……。」
「だが、これは確かに微妙だな??スキューマつって良いのか??」
「ええ。そこまで炭酸がしっかりしている物ではありませんが、ゼロではないですからね。酔物販売許可を出す程ではなくとも、つけなければ成人前の子供などが飲んでしまう恐れがありますね。」
「ん~。確かにそうだなぁ~。スキューマっていえるもんでもないが、子供が飲む恐れが出てくるとなると付けざるおえんなぁ。」
「では、酔物販売許可を頂きたいのですが……。」
「そうだな、ギムール、作ってやんな。」
「すぐにですか??」
「だってよぉ?スキューマって言えるほどのモンでもねぇし、こいつの場合、マクモ様の息吹がついてんだぜ??身元調査も糞もねぇだろ??」
「そうですね。では、今から書類をお作りしますので、しばらくお待ち下さい。」
「あ、はい……。」
そうか、酔物販売許可を得るには身元調査とかもされるのか……。
でもここはネストルさんが治める土地で、そのネストルさんから息吹をかけられている俺は、ある意味、印籠を持った水戸光圀公みたいなものなのか……。
例えが古いなと自分で自分にツッコむ。
「あの……もし時間がかかる様でしたら、露店販売後に売上報告と納税の時にもらっても良いですか??」
「そうですね、あまりここで足止めをしてしまっては、コーバー君の売上に響いてしまいますね。それで大丈夫ですよ。」
何だかんだで時間を食ってしまったので、そろそろ露店を出しに行きたい。
俺の提案にギムギムさんは快く頷いてくれた。
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