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第2章 二つ目の事件( 未来 中学生)
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「で、夢を見たのか?」
千鶴に連れて行かれた小さな応接室で向かい合うなり言われた問いに未来は小さく頷いた。
未来と千鶴の間に置いてあるテーブルの上に、今日の夢日記とそれに関わるホームページの印刷用紙を置く。
それにぱらぱらと目を通した千鶴の眉間にしわがよる。あまりいい気分ではないらしい。
ふ――っと息をついた千鶴がスマホに何かを打ち込むと、数分後一人の女性が応接室に入ってきた。年齢は恐らく二十歳前後。多分奈々子と同じくらい、と言ったところだろうか。
「お呼びでしょうか?」
淡々とした声音には感情の色が見えない。でも、不快には感じないのできっといい人なのだろう。単なる勘でしかないが。
「未来、彼女は草凪弥生。Ariaに所属する能力者で、Ariaチームの人間だ」
「Ariaチーム?」
聞き覚えのない言葉にきょとん、と首をかしげると、千鶴の横に座った弥生が教えてくれた。
「Ariaに所属している能力者であり、かつ、Ariaに就職している人間の事。Aria所属の能力者でも、学校卒業後はあまりAriaとかかわりを持たない人間もいるけど、能力によってはAriaに属しそこから色々なところに派遣されて能力を生かす人間がいるの。それがAriaチーム。ちなみに私は千里眼の能力を持っていることもあって警察の協力者よ。簡単に言うと警察手帳を持って捜査する権限を持った一般人ね。警察官の中では私たちの事は特殊捜査班というチームだと認識されていて、実は警察官ではない事を知る人間は少ないわ」
一息で説明してくれた内容に目を白黒させたが、今必要なのはAriaに対する教育ではなく、姉の事だ。気になることはまたあとで千鶴に聞けばいいだろう。
「えっと……佐川未来、です」
「そう、よろしく。で?三波さん、何の御用ですか?」
「能力を使って調べてほしいことがある。見てほしいのはこの2人だ」
千鶴が未来が描いた絵を弥生に差し出す。それを目にして軽く目を瞬いた弥生が端末を操作すると、扉が開き、たらいを持ったロボットが入ってきた。
「何かの事件ですか?」
「ああ、料理レシピの能力を持った子が出場した創作料理コンテストで、その子に盗作疑惑が持ち上がった。……ちなみに、彼女の姉だ」
チラリと未来に視線をよこした弥生に千鶴が告げる。
「料理レシピ系の能力者?冤罪、ですよね?」
軽く首をかしげた弥生に千鶴が頷く。
「彼女が人のレシピを盗む意味などない」
きっぱりとした言葉に、弥生は何も言わなかった。だが、その目はその言葉に納得しているように見える。もっともレシピの能力者が他人のレシピを盗む必要性など皆無なのだから当然だろう。
弥生は未来が描いた絵のうち、年かさの男性の似顔絵と弟の方の似顔絵を真似、2枚の絵を描きあげた。特徴を捉えているが、若干簡略化しているようだ。未来の絵は能力であり、夢を見た直後にしか描けないが、弥生の絵は違うのだろう。恐らく、彼女自身が、能力を使いこなすために身につけた能力をなのだと思う。
弥生がその2枚の絵の裏に何か文字を書き込んでいく。
「弥生の能力は千里眼だ」
疑問が顔に出ていたのか、千鶴が教えてくれる。いつの間にか弥生の横から未来の横に移動していたらしく、未来の隣で弥生の動作を見守っている。
「千里眼……」
思わず目を見張った。千里眼であればすべての謎が解明されるのではないか、もはや警察いらず?
「完全に万能というわけではないがな。知りたい事柄についてできるだけ詳細に書き記した紙がいる。今やってるのがその準備だ。お前が描いた似顔絵に今わかっている内容だけでも書き込む。そうすることでその場面を見る事が出来る。ただし、情報に不備があると何も見えないし、見えてもそれが証拠として採用はされないだろうな。千里眼で見たモノは弥生以外には見えない。例えば弥生が嘘をつけばそれで終わりだ。だからこそ、警察に情報提供をした後で裏付け捜査が必要になる。それは弥生の仕事ではないがな。弥生が警察の協力者としてやっているのは、千里眼で見た内容を伝える事、捜査のきっかけ、調べる事柄を絞る事だ。警察は情報をうのみにはしない」
確かにその通りだろう。でも、何もわからない事件であればあるほど、Ariaの能力者が見た、調べた事柄は事件解決に絶対的な役に立つ。
弥生が一枚の絵をたらいに入れる。しばらく見ていた弥生が絵を取り出し、もう一枚の絵に何かを追加で書きこんで再び水に入れた。彼女の表情がだんだんと険しくなってくる。何が見えているのだろう。
思わず口を開こうとした未来の腕を千鶴が引く。黙っていろ、という事なのだろう。
しばらくして、再びたらいから写真を取り出した弥生がどこか嫌そうな表情でため息をついた。そのわきにはたらいの中を見ながら走り書きをしていた紙があるが、あまりに素早く書いてたため、多分、弥生以外には何が書いてあるのか読めない。
「弥生、何が見えた?」
たっぷりと時間を置いた千鶴の問いかけに、弥生は嫌そうな表情で目を上げた。
千鶴に連れて行かれた小さな応接室で向かい合うなり言われた問いに未来は小さく頷いた。
未来と千鶴の間に置いてあるテーブルの上に、今日の夢日記とそれに関わるホームページの印刷用紙を置く。
それにぱらぱらと目を通した千鶴の眉間にしわがよる。あまりいい気分ではないらしい。
ふ――っと息をついた千鶴がスマホに何かを打ち込むと、数分後一人の女性が応接室に入ってきた。年齢は恐らく二十歳前後。多分奈々子と同じくらい、と言ったところだろうか。
「お呼びでしょうか?」
淡々とした声音には感情の色が見えない。でも、不快には感じないのできっといい人なのだろう。単なる勘でしかないが。
「未来、彼女は草凪弥生。Ariaに所属する能力者で、Ariaチームの人間だ」
「Ariaチーム?」
聞き覚えのない言葉にきょとん、と首をかしげると、千鶴の横に座った弥生が教えてくれた。
「Ariaに所属している能力者であり、かつ、Ariaに就職している人間の事。Aria所属の能力者でも、学校卒業後はあまりAriaとかかわりを持たない人間もいるけど、能力によってはAriaに属しそこから色々なところに派遣されて能力を生かす人間がいるの。それがAriaチーム。ちなみに私は千里眼の能力を持っていることもあって警察の協力者よ。簡単に言うと警察手帳を持って捜査する権限を持った一般人ね。警察官の中では私たちの事は特殊捜査班というチームだと認識されていて、実は警察官ではない事を知る人間は少ないわ」
一息で説明してくれた内容に目を白黒させたが、今必要なのはAriaに対する教育ではなく、姉の事だ。気になることはまたあとで千鶴に聞けばいいだろう。
「えっと……佐川未来、です」
「そう、よろしく。で?三波さん、何の御用ですか?」
「能力を使って調べてほしいことがある。見てほしいのはこの2人だ」
千鶴が未来が描いた絵を弥生に差し出す。それを目にして軽く目を瞬いた弥生が端末を操作すると、扉が開き、たらいを持ったロボットが入ってきた。
「何かの事件ですか?」
「ああ、料理レシピの能力を持った子が出場した創作料理コンテストで、その子に盗作疑惑が持ち上がった。……ちなみに、彼女の姉だ」
チラリと未来に視線をよこした弥生に千鶴が告げる。
「料理レシピ系の能力者?冤罪、ですよね?」
軽く首をかしげた弥生に千鶴が頷く。
「彼女が人のレシピを盗む意味などない」
きっぱりとした言葉に、弥生は何も言わなかった。だが、その目はその言葉に納得しているように見える。もっともレシピの能力者が他人のレシピを盗む必要性など皆無なのだから当然だろう。
弥生は未来が描いた絵のうち、年かさの男性の似顔絵と弟の方の似顔絵を真似、2枚の絵を描きあげた。特徴を捉えているが、若干簡略化しているようだ。未来の絵は能力であり、夢を見た直後にしか描けないが、弥生の絵は違うのだろう。恐らく、彼女自身が、能力を使いこなすために身につけた能力をなのだと思う。
弥生がその2枚の絵の裏に何か文字を書き込んでいく。
「弥生の能力は千里眼だ」
疑問が顔に出ていたのか、千鶴が教えてくれる。いつの間にか弥生の横から未来の横に移動していたらしく、未来の隣で弥生の動作を見守っている。
「千里眼……」
思わず目を見張った。千里眼であればすべての謎が解明されるのではないか、もはや警察いらず?
「完全に万能というわけではないがな。知りたい事柄についてできるだけ詳細に書き記した紙がいる。今やってるのがその準備だ。お前が描いた似顔絵に今わかっている内容だけでも書き込む。そうすることでその場面を見る事が出来る。ただし、情報に不備があると何も見えないし、見えてもそれが証拠として採用はされないだろうな。千里眼で見たモノは弥生以外には見えない。例えば弥生が嘘をつけばそれで終わりだ。だからこそ、警察に情報提供をした後で裏付け捜査が必要になる。それは弥生の仕事ではないがな。弥生が警察の協力者としてやっているのは、千里眼で見た内容を伝える事、捜査のきっかけ、調べる事柄を絞る事だ。警察は情報をうのみにはしない」
確かにその通りだろう。でも、何もわからない事件であればあるほど、Ariaの能力者が見た、調べた事柄は事件解決に絶対的な役に立つ。
弥生が一枚の絵をたらいに入れる。しばらく見ていた弥生が絵を取り出し、もう一枚の絵に何かを追加で書きこんで再び水に入れた。彼女の表情がだんだんと険しくなってくる。何が見えているのだろう。
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しばらくして、再びたらいから写真を取り出した弥生がどこか嫌そうな表情でため息をついた。そのわきにはたらいの中を見ながら走り書きをしていた紙があるが、あまりに素早く書いてたため、多分、弥生以外には何が書いてあるのか読めない。
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