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新たな町へ
20話 警備騎士 改稿
しおりを挟むそこへ第三者の声が掛かる。
やっと来たよ騎士さんが!遅いよ!
「おい、そこの子供何してるんだ! 通行の邪魔だ!」
こっ……子供……?
えっ俺じゃないよね?周りキョロキョロするが、子供はいないぞ?
………ん……俺かぁ~!
「あ!良いところに、警備騎士の方ですか?」
「…そうだが、君は?」
「えっと…わたしはここで、冒険者登録をしょうとやって来た旅の者なのですが。ここでこのおじさんが、わたしにぶつかって来まして………」
男を動けなくしてるので、動ける様に威圧を解く。
「ほう…この男がかい?」
騎士が男の顔を睨む。
すると男の顔が青くなって、慌てて逃げようとするので俺は男の腕を掴んだ。
「あれ?おじさん、なに、処行くの? まだ僕とのお話しは終わってないよ? 騎士さんも来てくれたから、話を聞いて貰おうよねっ?」
俺は騎士さんにニコリと笑い掛けて、おっさんの腕を引っ張っておっさんを騎士さんの前に突きだした。
「はっ、離せ! 俺は何もしてないだろ。餓鬼!お前が悪いんだろうが!」
離せと暴れだしたので、右腕を後ろ手にしてひねり上げた。おっさん、腕の痛みで大人しくなったよ…。よっわ!
「君、この男は君が悪いといっているが?」
「ええ、そうなんですが…。でも先にこの方が、私にぶつかってきたんです。だからわたしの方が痛いのに…この人わたしが悪いと騒ぐんです。おまけにお金寄越せって…言って怒鳴るんです」
と、少し涙目で騎士さんに訴えてみた。
すると騎士さん、俺が掴んで居る男に目を向ける。
「おい、この子がこう言ってるが?本当かなのか、お前がぶつかったのに金を要求したのか?」
「い、いや、俺がこの餓鬼にぶつかったんじゃない!この餓鬼が俺にぶつかって来たんだ。それで俺が怪我をして、その治療代を貰いたかったんだよ。俺は悪くない」
「…そうなのか?お前さん、わたしが見たところ、何処にも怪我をしている箇所が見受けられないが?」
「だ、だけど、こいつがぶつかってきたんだ!俺は肩が痛い!だから金を貰うの当たり前だろ?騎士さんもそう思わねか?」
「………ふむ。君、この人がこう言ってるが?」
「だからさっきも言った通りで、この人が先にぶつかって来たんです。それに、わたしはここで立ち止まってたんです。そしたらその人が、わたしの右後方から来てぶつかったんです。だから、わたしがこの人にぶつかるのは不可能ですよね?」
「ふむ……そうか? それでそっちの、お前怪我をしているんだったか?」
「そ、そうだ…です。俺はこっちが痛い!その餓鬼のせいで骨が折れたんだ!だから、その餓鬼が俺に金を支払うのが当然だろ?騎士さんよへへへ」
おっさんが騎士さんを丸め込もうとして俺顔を見てニタリと笑った。
しかも痛いと言ってる右肩を押さえて……おっさん怪我してふ肩、逆じゃねぇのか?
で、騎士さんよ、どっちを信用するのかな?
俺は右肩にぶつかって来たとちゃんと騎士に伝えた。
そして、当の当たり屋のおっさんは痛いと言ってる肩が話の都度に変わる。
おっさんは右の肩を押さえてる。
まあ、この際どっちの肩が痛いなんて問題では無いけどね?
「そうなのか…なら怪我したのか?痛いのか?どれ俺が肩の怪我の具合を見てやるから一緒に、その子どもと詰所に来い。詳しくはそこで聞こう」
「い!いや!俺は…」
「おや? おじさん、僕が悪いんったらこの騎士さんと一緒に詰所に行こうよ? どっちが悪いのか判断して貰おうよ。で、そこでその怪我の治療もしてくれるかもよ? 僕が悪いなら騎士さんに治療費払うし。ねっ、騎士さんもそう思って、僕たちを詰所に連れてってくれるんでしょ?」
「そ、そうだね?君が悪いならね?」ニコリ。
あっ、この騎士さん俺が悪くないの分かってる感じかな?
そう言う事なら……行きますよ?
詰所でも何処でもね。
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