ある日仕事帰りに神様の手違いがあったが無事に転移させて貰いました。

新たな町へ

67話 宿での騒動 12 改稿

　宿屋のロビーでは、俺たちの事で騒ぎになっているので、泊まり客の対応をせねばならなく為ったパトリックが慌てて宿泊客に説明をする。

　そして、女将が泊まり客の中で宿代をボッタたのは、俺とおっちゃん達だけの様だった。　　　　が、部屋を荒らされて盗まれた物があると言う客が一組いた。

　そして、パトリックが慌てて奥に引っ込むと娘の腕を引っ張りロビーまで戻って来る。
　そして、娘を問い質す。

「おい！お前。あちらのお客さんの部屋から、何を盗んだ？」

「え？なに？あたしそんな事しらないよ？いやだなもう、あたししらないもん。みんなの経話には掃除しには入ったけど……しらないよ」

「嘘を言うな！あちらのお客様が大事なネックレスが無くなったそうだ、お前ダロ？」

「そ、そんなの知らない」

　パトリックに目をじっと見られ、バレルと思ったのか目を反らす。

「パトリックさん？無理だよその子も盗賊の娘だよ。取られる方が悪いとしか、思ってないよ」

　俺が、パトリックさんに話しかけると馴れ馴れしく娘が俺に泣きつこうとする。

「あ、アキくん。わたしなにもしてないの。何で疑われてるのか分からない」

「血は争えないねぇ～？　所詮悪党の子供は悪党に成るのかね？不思議だ。気味が悪いから話しかけないでくれる？昨日から思ってたけど。人の物を盗んで、それどうしたの？　あのお客さんの物を返しなよ」

「あ、あたしは……」

「アンちゃん言うねぇ～。まっ、世の中あんな人間ばかりじゃ、ないからな頑張れよ」

  バン！と背中を叩かれる。ｸﾞﾂ痛い！

「おっちゃん痛いよ！何で叩かれる？」

　改めて娘に聞く。

「で、あんた取ったネックレスは？」

「しつこいなぁ～あたしは知らないよ」ふん！と不貞腐れて顔を背けた。母親と一緒だ！

「あっそ！ならお前も、あの婆ぁと一緒に縛られて明日には縛り首だな」

 　俺が脅かすと、おっちゃんも乗ってくる。

「ガハッハッハッ。早く言わないと明日には町の、住民の前で縛り首だな。大人だろうと子供だろうと、ここの領主様は犯罪者には厳しいからな！」

　話を聞いたとたんに、親子が青い顔をする若干娘の方がビビってるかも？

「まぁ、そろそろ警護の騎士が来るだろ、そしたら色々話すといい」

「あっ！おっちゃん、金と薬どっち欲しい？お礼先に渡しとくよ？」

　小さい声で話しかける。

「おお、そんな約束だったな。だが！お前のお陰で取られた金、戻って来そうだしな？」

「それ、分かんないよ？　だってこの宿ぐるみじゃ無いみたいだし？」

「そうか、なら申し訳ないが。金貰って持良いか？」

「ええ、お礼ですから」

　鞄から巾着出して銀貨5枚をこっそり渡す。

「割りいな、アンちゃん」

「いえいえ、貴方は協力してくれましたしね」