ある日仕事帰りに神様の手違いがあったが無事に転移させて貰いました。

いくみ

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新たな町へ

79話 宿での騒動 24 終 改稿

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 隊長と話をしているとドアをノックされる。どうやらアルムさんが戻って来たらしい。

「失礼します!宿屋のパトリックを呼んで参りました」

「あぁ、来たな。こっちだ、そこに座ってくれ」

 狭いのに、大きいのがまた入って来たから息苦しいだろ?俺が抜けるぞ!

《なに言ってますか!主、貴方の為に呼んだのでしょうが》 

『そうだけど!狭いしむさ苦しいだろ!』

《我が儘すぎませんか?》

『ええ~俺は普通だろ』

《……》

 あっ黙った……なんだよもう!

 でですね、追加で用意された椅子にパトリックさんが座る。

「すまんな? アキヒコ君が、君と話したいそうでな」

「いえ、私は構いませんが。アキヒコ君話って?」

「あぁ、何かね?騎士様達から、滞在を伸ばしてくれと頼まれたんだよ。で、パトリックさんの宿でお世話に為って、滞在を延ばしたいんだけど可能かな?」

「滞在?延ばすって…どれくらいだ?」

「それが、三週間だそうだ」

「三週間か、宿うちとしては有り難いが。君が嫌だろ?」

「まぁ、でも……あの女達はもう居ないしな。ならば別に気には成らないぞ。それに祭りが始まるんだろ?そう聞いたし」

「そうだったな。祭りか………忘れてたよ」

「だからさ、宿を変えるにも変えられないだろ?と言われたし…」

「そ、そうだな。それなら宿うちに泊まってくれよ」

 俺の言葉を聞いたら何故か、ほっとしてるよ。
 大丈夫かな?
 俺が心配するのは、可笑しいのだが。

「ならば、アキヒコ君の滞在場所は決まりだな?助かるよ。居場所を特定するのに、時間が掛かるのは此方としても不都合だからな」

「あぁ、連絡が取れやすいと?」

「まぁ、そんな所だよ。じゃ、アキヒコ君の連絡先が分かった所だし、帰って良いぞ。あとパトリックの事情聴取は終わってるな?」

 バルト隊長がアルムに聞く。

「はい、終了していると報告を受けています」

「ならば、二人共今日は帰って良いぞ。ご苦労だった」

 ほぅ……此方の世界は緩いんだね。
 まあ、知らなかったんだから仕方ないのか?でも良かったじゃんかよ。
 これであの子どもも喜ぶんじゃないのかね。


 ……腹へった。


 隊長が立ち上がり退出して行く。

「は、バルト隊長ご苦労様でした」

 アルムが敬礼をして見送る。
 部屋から妙な緊張感が解かれ、ほっと息を吐く。

「さて、二人とも出口迄送ろう」

「ありがとう御座います。パトリックさん、帰りましょう」

「あぁ、アキヒコ君帰ろうか。宿で休むとしょう」

「ええ、パトリックさん」

 二人で詰所を出て宿に足を向ける。

 宿まで、パトリックと話ながら帰る事にする。

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