上 下
130 / 698
新たな町へ

83話 凄くないよ?俺は。 改稿

しおりを挟む


 マルク君を先に食堂に戻って貰ったのだが…椅子に座るマルク君が、また皿の前で固まっている。

 見た事もない食べ物だ当たり前だろう。
 それに気が付いた暁彦は、半笑いをしながらマルクに謝り説明をする。


「…ごめんマルク君、それも食べれないかな? それはシチューと言うんだよ、まったく辛く無いから食べれると思うよ? それとこれも食べてみてね」

 白パンが乗った皿をシチューの隣に置いた。

「アキくんこれは………なに?」

「パンだよ、柔らかくて美味しいよ。ほら食べよう」

 マルクに食べてと言い、自分も食べ始める。

 暁彦はもくもくとカレーを食べあっというに皿が空になる。
 コップに水を入れて飲み一息付く。

「ふぅ~ご馳走様でした」食事が終わり何時もの挨拶で食事を終わらせる。

 手元の視線が気になったので、見たらパトリックさんがまた固まっていた。
 あ、ヤベ水出したな…さっきも出したが(笑)

「パトリックさん水飲む?」

「み、水!」

「父さん。これ、水も白いのも美味しいよ」

「そ、そうか良かったなアキヒコ君俺も水貰っても良いか?」

 マルクは、シチューと水が美味しいとニコニコして笑う。

「いいよ、はいどうぞ」

 暁彦はペットからコップに水を入れてパトリックに渡す。

「あ、ありがとう」

 受け取ったコップをまじまじと見つめて、水を一気に飲んだ。

「ぷはぁー旨い。水もこの料理も旨い。それにしてもマルク、料理…旨かったな?」

「うん、美味しいかったよ。アキ君凄いね!」

「す、凄い?何が凄いのマルク君?」

「だって、あの嫌な女が居なくなったよ。それに、このご飯美味しいし。アキ君!格好いい」

 な、何ともコメントがし難いな………。

「ハハハ、マルク君凄く無いから」

 参ったねぇ、凄くないよ。俺は何にも凄くないよ。落ち込むから止てめくれ。

《主、凄くないですよ。大丈夫です》

 『ナビさん。トドメ刺すなや!』
 
 傷つくわぁ~!
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

夫が浮気をしています

恋愛 / 完結 24h.ポイント:37,225pt お気に入り:545

異世界に子供の姿で転生し初期設定でチートを手に入れて

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:134pt お気に入り:1,118

王女の夢見た世界への旅路

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:78pt お気に入り:76

吐きそうなほど目舞う恋。

BL / 連載中 24h.ポイント:92pt お気に入り:7

各種族に転生した僕らの異世界ライフ

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:78pt お気に入り:24

ゲームから始まる異世界ライフ

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:7

三度目の人生はゴブリンで~最弱種族の成り上がり~

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:113

処理中です...