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新たな町へ
111話 ………忘れて……ました。
しおりを挟む落ち込むマルクくんと、なにやら楽しそうなパトリックさん。どうにも対象的な温度差があるが……取り敢えず朝食が終わったので、三人で後片付けをして少し休憩に、とは行かなかった…
一服くしたかったんだよ俺は!
部屋に戻ってプチ休憩をしたかったの!
「アキヒコ君、そろそろ買い出しに行かないと、朝市が終わってしまうから行くぞ」
「そうなんだ? …じゃあ行きますか。マルク君行こうか?」
で、こうなった……買い物……買い物ねぇ。
仕方ない気分転換だな。
「うん!アキくんは、なにを買うの?」
何を買うかな、そればかりは行かないと分からんわな。
「……そうだなﻹ…分からないな。市場に行って見てから考えるけど。あっ、他所の国からの物を売ってる店はあるかな?」
「他所の国からの物を売ってる店? んと、あっ!あそこかな? 父さんに聞けば直ぐに分かるよ」
話しながら宿を三人で出て市場へ向かう。
子供の歩幅に合わせて歩くので若干ペースがゆっくりだ、これが俺的には丁度良いペースだ……
子どもと一緒……悲しい。
パトリックさんたち親子に先へ歩いて貰い俺は後ろを歩く。
《主》
『……ん、何?』
《マップの赤点を、気を付けて下さい》
『赤点……あっ!そう言えば。バタバタしてたからちゃんと、警戒してなかったねぇ~。どれどれ?』
マップ表示敵意を赤点!
悪意黄色点にして検索をする。
けど、今の所は該当する点が現れなかったので安心した。
『ナビさん有り難う。継続して警戒するよ』
《それなら良いですが、ご注意下さい。主の認識疎外は、外してますから》
『そうだった。了解!気を付ける』
ナビと話していると、マルクが振り向いて俺に声を懸ける。
「アキくん」
「何、マルクくん?」
「あのね? 父さんが香辛料のお店より、市場を先に行くってさ」
「分かったよ。パトリックさん、宜しくマルク君も宜しくね」
何故市場が先?
《この時間ですと、市場が先では?》
『時間……ああ、朝市の終わる時間があるのかな?』
《ええ、それだと思います》
『そっか、なら仕方ないよな。店の仕入れも有るだろうしな。俺の買い物はついでだしな』
そうでした…俺の買い物は後回しで良かったんだよな。
なんなら一緒に行く義理さえなかった……
はぁ………
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