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新たな町へ

294話 売り物だが?

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「ギルマス……なにさ?未だ何かあるのかよ」

「そういや、お前?珍しい物の持ってなかったか?だから、商業ギルドに行ったんだろ?」

「そうだけど……なに?」

「一度物を見せてくれよ。もしかしたら、領主様が気に入るかもしれんぞ?」

「……………」

 なにそれ?只で寄越せってか?

「売り物なんどけど?一応さ!家の執事が言ってたぞ!金貨数枚は下らないってさ!」

「う!そ、そうか……。それなら、オークションが無難か?だがなぁ………あそこは、商業ギルドが絡まないとなぁ~」

「だろ?だから無理じゃねえの?領主にそれ見せて、欲しいと言われたら。ちゃんと金払えって!いえるのか?」

「…………それは……難しいかも。だが、ちゃんとした方だから買い取ってくれるかも?」

「なら見せてやるよ?ギルマスにはな?少し待て!」

 確かアイテムボックスに……クリスタルの鷲の置物と、木彫りの置物が入ってる筈だから。
 鞄の中から出す振りで置物を二体出して見せる。

「みたいなら…………これだ!」

 ほら見ろよ?

「………アキヒコ……お前、これは?」

「ん?手作り置物の鷲だな?水晶と、桧の素材で作って見たぞ!」

「お、お前……これ……」

「なんだよ!見せろったの、ギルマス!あんただよな?」

「う!すまん。仕舞ってくれ………」

 フフフ。勝った!

《何にです?》

「さて、これでもう用はないな?ギルマス」

「嫌、待て!あと一件だけ……」

 未だあんのかよ!

「次はなに!」

「お前、神殿の施設直したんだって?先日シスターが来て、これをお前が来たら渡してくれと預かったんだよ。お前あの建物に何したんだ?」

「え?施設………?なんだっけ……」

《主……ボケが始まるには、早いですよ?ほら、あの生意気な子供が居た……!》

『子供……あ!あのクソ生意気で!礼も言えないあの?』

《フフフ。そうです、あの!です》

「思い出した!あの施設ね?で、何か預かったの?」

「おう!これ預かったぞ?」

 ギルマスから羊皮紙をポイと渡された。雑だな!

「おっと!なにこれ?」

「知らん!」

「聞いてないの?」

「渡せと、言ってただけだからな?」

「………まぁ、いいや。手紙みたいだから後で見るよ。サンキュー、ギルマス。じゃまたな?カシュー!行くぞぉ~」

「お、おい!」

 今度は本当に執務室を出る。長いよ!

「さて、下に下りてなにか依頼を受けようぜ?カシュー」

「……良いんですか?ギルドのマスターにあんな………?」

「良いんだよ!あれで!」

 そうして階段を降りて依頼ボードの前に二人で立つ。

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