ある日仕事帰りに神様の手違いがあったが無事に転移させて貰いました。

いくみ

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新たな町へ

322話 逃がしちゃったの?

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「人選間違えてます。とは、俺らは言えないぜ?な!ニングス」

「失礼ながら、ですね……?」

 言えねぇよなぁ……。
 しっかり人選を間違えてるのは俺だし。
 ……俺、反省します。

「そうだね。……あ!」

「な、なに旦那様?」

「奴隷紋……」

「そうでしたね……あの商人にバレるのも不味いですかね?」

「カシューそうなんだよ。俺って意外と魔法で何でも出来ちゃうのよ!だからさ……あの商人の店に返すのって……ヤバイ。ニグスの事だから。俺が化物だとか言って誰にでも言いふらす気がする……」

「「「「「「「「…………」」」」」」」」

 え、なんで無言なのかな?

「あ!なら旦那様」
 
 あ、スルーするのね……。

「なに?カナル」

「ニグスは、ここに置いていきますか?」

「は?置いてくの?」

「ええ、ケイトに話しに行って貰って」

「ええ!あたしかい?なにを話すのさ?」

「ケイトちょっと来て……」

「なんだい!面倒だね」

「良いから、ケイト。だからさ…………で……だろ?」

 なに、こそこそと……聞こえないんだけど!

(あぁ!そうかい。そうだね、なら行ってくる。ナイフ借りるよ?)

「わかった」

 それだけ言って、ケイトが馬車から降りていくとほんの少しで戻って来た。

 な、なにしてきたの?
 馬車の小窓側に行き窓から外を見ると、ニグスを縛って繋げて置いた場所に、ニグスが居なかった。

「えっと…外…ニグス居ないのだが?」

 小窓を確認してから使用人達の方へ、首だけ向けて全員に質問にする。

「当たり前ですよ?逃がしてやったんだから」

「…………へぇ~逃がして……ん?逃がしただと!何で?」

「だって!それが一番いいだろ?」

「なんでさ!グレド」

「だって、色々不味いんだろ?旦那様。秘密がありすぎ!」

「う!」

 的を得てて何も言えません。

「そう………で?何か持たせたかい?ケイト」

 マップでニグスを確認しながらケイトに聞く。

「何も」

「そう!仕方な……なにも?」

「ああ、あたしら。旦那の物は、なにも自由には出来ないだろ?あ!でも、持ってた剣回収するの忘れちまった!」

「え!剣?ああ、良いよそれぐらいなら。早々と死なれても後味悪いよ」

「ああ、なんだか。しらけちまったなぁ~」

「ですね、カナル。でしたら屋敷へ戻りましょうか?旦那様」

「そうだな……、旦那様。そうしましょう」

「分かったよ……でも、良いのかニグスは?」

「だ、旦那様が。気にする事はない、です」

「そうなの?マイナ」

「はい!ニグスは、怖かったから……」

 なんだかポロポロ、ポロポロと、ニグスに対する不服が出てくるねぇ……。

「じゃ、良かったのかな?」

「「「「「「「「はい!」」」」」」」」

「な、なら帰るか?ギルドにも、寄ってから帰ろうか?」

「それでは、支度しますので旦那様はここでお待ちを!」

「お、おう。任せた、みんな……宜しくな」


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