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新たな町へ
378話 突然の乱入者
しおりを挟むぼんやりと、自分の性格が変わった者だと考えてると、ギルマスが俺に話し掛けて来て我に返る。
「所でよ、アキヒコ」
「………なに?」
「お前が行方不明の間に、隣町のギルドから連絡が入ったぜ?」
「なに、隣町……?」
なんでそんな所から?
てか、行方不明ってなんだよ!
俺は狩りに出掛けてただけだぜ。
「なんでもな? 奴隷を一人捕まえたそうだぜ。俺が前に賞金首として手配した奴らしい」
「へぇ奴隷ね。(フム……………あ、あいつか!)それが?」
「なんだよ、随分冷めてんな?」
「だって、心当たりないし。そんな話しにはね」
「そうか、ならこの話は俺で止めておくぞ?」
「そうしてくれ、俺には関係がないからな。その話しは終わりだ」
「お、おう。わかった……(冷てぇなぁ~こいつ)」
少しだけ下らない話を聞いてしまって、場が白け二人が黙る。
すると突然部屋の扉が、バンと大きな音が鳴ると誰かが扉を開いて入ってきた。
部屋に入って来た人物は、当然ノルン……ではなく。
「だ、旦那様。ここに居ましたか!」
「ひっ!び、ビックリした」
『ナビさん、教えてよ驚くだろ!』
《分かってると思って居たのですが…最近弛んでませんか?》
『お前がか?』
《違います。私は弛んでません。ふん!》
「だ、旦那!俺が悪かったよ。な?だからな屋敷に戻ろうぜ。な?ほらほら帰るぞ。イリヤもマイナも、心配してるんだよ!な」
ごついおっさんが俺に抱き付いてくる。
やめれぇ~キモいから!
「ぐ、ぐぇ~や、やめろ!グレド。………ほ、骨が折れる。苦しい!」
「お、お、すまねぇ~。だがよ旦那、俺らはあんたを探したんだぜ?」
「探した……なんで?馬車は買えたのか?俺なんて探さないで、自分の旅支度をしてくれよ。言ったよな?支度をしろと」
「そ、そんな冷たい事を言わないでくれよ!馬車は旦那が用意してくれた、馬車を借りる事にしたんだ。それに……、あれから屋敷の奴らに怒られたんだせ?」
「へぇ~。だがな?俺は今、ギルマスと話してる最中なんだよ!ったく、ここはギルドなんだ。ギルマスに失礼だろ?」
「まぁ、怒るなよ?アキヒコ、何があったのかは、知らんがな。そろそろノルンが部屋に来るだろうよ。そしたら屋敷に帰ったらどうだ?なぁノルン?」
「そうだなぁ。待たせたな、兄ちゃん!そら魔物の買取り代だぜぇ~」
いつの間にか、部屋の扉の側で立っていた。
そして、ノルンが俺に小袋を投げて寄越した。
「おっと」
投げられた小袋を受け取る。
「ええっと……詳細は?」
「面倒だから、省く。それとオークションは、任せろよ?後で連絡してやるからな。だろ?ギルマス」
「はぁ~。そうだよ。ノルンいつからお前が、ギルドのマスターになったか?」
「馬鹿言えよ!んなもんに、なってねぇよ!」
「そうかよ。て、事でアキヒコまたな?」
「ハイハイ、厄介者は帰りますよ。ったく、おい!ニングス、グレド!側にこいワープで帰るぞ」
「へ?ワープ?」
「つべこべ言わず、良いからこい!」
「「はい」」
二人が側に来たので袖を掴んでワープで屋敷のエントランスに飛んで戻った。
シュッ!とギルマスとノルンの前から突然三人が消えた。その瞬間を見たノルンが、腰を抜かしてビックリしたと聞いたのは、その日から随分後のことだった。
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