ある日仕事帰りに神様の手違いがあったが無事に転移させて貰いました。

いくみ

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新たな町へ

399話 交代してくれ

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 厨房に顔を出すと、そこは飛んでもなくバタバタと慌ただしくしてた。
 これは……流石にイリヤを厨房に入れて今後は手伝わせたくはないな。
 と、思って仕舞う有り様。
 イリヤさん恐るべし……破壊魔だった。

 グレドすまんな、いつもこんな風だったんだね……。

「おーいグレド、なんか手伝うか?」

「おう!旦那かぁ~。それよりよぉ~、イリヤをここから出してくれねぇかい? 
 代わりにマイナを呼んできてくれよ」

「え? …ああそう。イリヤ、マイナをここに呼んでこい」

「は、はぃ。あの……ごめんなさい」

 とぼとぼと、厨房を出ていったが走れイリヤ!お前少しは空気を読んで急げよ。

 参ったな、イリヤは駄目か。
 これ以上皿を割られるのも困るなぁ。
 食器棚を見れば、揃いで出す用の食器類が…ほぼ全滅。二、三枚しか同じ形や絵皿が残ってないし。
 まぁ、こっちはらいくらでもネットから、食器類は出せるちゃあ出せるんだけどね。
 だけどなぁ~、簡単に食器を補充出来てると思われるのも…どうかと思うんだよね。

「グレド揃いの食器、ほぼ残って無いね」

「………すまねぇ旦那。揃った食器は全滅だ。で、さっきの一枚が唯一の揃った皿だったが、あれを割ってくれたからな、残念ながらあれで揃った食器がなくなった。棚を見れば分かると思うが、全部柄や形がバラバラで、なんとも滑稽な事だ」

 うん見て分かった。グレドお疲れ。

「そ、そうか。だったら、今有る食器は全て回収するよ。で、揃いの食器類は今夜の分から出すか?」

「いや、今夜はもう仕方ないからな。、全部、バラバラの食器で出すぜ。面倒だしな」

「わかった、食事が終わったら新しい食器を出そう」

「そうしてくださいよ、旦那。あと厨房の手伝いだがな。……今居る女性陣は、全くと言っていい程使えない。どいつもこいつも、配膳以外は向いて無い。唯一まともなのはマイナくらいか……」

「ほぅ……ケイトは?」

「あいつは雑過ぎだ、論外。イリヤは、見てのとおりだしな。マイナに関しては力不足が問題だな」

 筋力が足りないとグレドが溢す。

「はぁ……先が思いやられる……」

 配膳するだけなのに…何故出来ないんだ?俺でも出来るし!ニングスとマイナしか出来ないとか。
 あり得ん。頼みのケイトがダメダメなんて。

「はは、旦那に俺の苦労がわかって貰えたようで俺は嬉しいぜ! さて、料理が冷めちまう。皿に料理を盛るから、手伝ってくれねぇかね?」

「そうだったな。おいゲイル、カシュー!」

「い、いや、俺ら配膳は…」

「いや、こいつらは配膳も無理だろう。 お前ら食堂で待ってろ」

「は、はい!」

「助かった!向こうで待ってます」

 仕方ねえなぁ……食うだか!と、ぶつぶつ文句を言って俺を見るグレドだ。

「だから、俺が手伝うって、クレド。それにしても……料理人とメイドを臨時で雇うか」

「へへ、その方がお勧めですぜ。しかしなぁ~、俺が早く帰って来れるなら良いが……。戻りがいつに成るのかさっぱりだからなぁ~」

 と心配するグレド…その心配は俺もだよ。

「ま、成るようになるさ! さっ盛り付け完了だ!飯にするぞ」

「すまねぇな旦那!残りの料理はマイナと二人で食堂に持って行くからよ。旦那はひとまず向こうで、お待ちくださいよ」

「了解! なら頼むな」

 グレドに後を任せて厨房を出る。

 そして、食堂の自分の席に座り料理が運ばれて来るのを先に来ていた、カナル達と話をして待つのだった。

「カナル、今日は悪かったね。一人で門番させてしまって」

「いえ、特に問題はなかったので。先程カシューに話は聞いてますよ」

「あれ!話したの? カシュー」

「ええ、子供の事を聞かれたので話しました」

「そう……なら良いかな?」

 詳しく話さなくても、後で使用人同士で情報を共有するかな?

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