ある日仕事帰りに神様の手違いがあったが無事に転移させて貰いました。

いくみ

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新たな町へ

401話 形あるものは壊れるが……

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 カチャカチャと、皿にフォークが当たる音が食堂に響く、全員無言で食べ進める中で俺が口を開いた。

「で?」

「え?」

「じゃなくて、何でイリヤが来てない? それとマイナお前は、イリヤと交代で厨房を手伝う筈だったよね?」

「ご、ごめんなさい」

「謝るのは、後でだな」

「何でかと、聞いてるぞ俺は」

「そ、それは、イリヤが泣き出しちゃって」

「………はぁ~、分かったもういい」

 食いたくならいな、食うな!

「ケイト!俺はお前に頼んで、二人を迎えに行って貰った筈だが?」

「ごめんって、イリヤが動かないし」

「だったら、マイナだけでも情況を説明させにこっちに来させろよ! 旦那を待たせて、良い事には成らないだろ? 何事も旦那様の言い付けが、優先なんだよ!」

「悪かったわよ」

「怒鳴るな!食事中だ」 

「「すみません」」

「ニングス」

「は、はいなんでしょうか?」

「イリヤが壊した物のリストってある?」

 それぐらいはしてるよね。してて欲しいんだけど。

「はぁ? えっ……?」

「ニングス…俺は大体なにを壊したか?って聞いてるんだけど? 形有る物は、壊れる物だから仕方ないちゃ仕方ないが。さっきグレドに聞いたら、余りにも酷いからさっ……」

「それは………」

「なに、執事でしょ? 破損の補充は俺がしないと出来ないだろうから、リスト位は作ってるでしょ?」

「すみません……」

「へっ…………マジ?」

「すみません……、申し訳ございません」

 作って無いのか………。

「はぁ~。で、壊した食器の種類とか記憶はあるの?」

「あ、あります。大体は厨房の食器が大半です」

 そりゃそうだろうよ、俺はそれしか聞いてないぞ。

「そう……。まっ、屋敷の窓ガラスとか壊されたら、流石に俺の耳には入るか」

「ええ、それは絶対に!」

「そう……なら、グレドは……お前は無理か」

「ハハハだぜ!んなもん、厨房の食器棚を見れば直ぐに分かるだろう」

 そんなん自慢されても困るのだが……。

「はぁ~、毎回食器を補充か……痛いし面倒だな。なので、イリヤは掃除だけかな?」

 ………後は畑が妥当かな?

「それが良と思いますよ? それに…そろそろグレドが旅に出るのだから、余計にそう思います」

「だよな……あと、2日すれば面接があるから……。一人多く取るかな」

 ああ、人件費が嵩む…………。

「それと………もしかしたら、子供が一人増えるかもしれない」

「かも?」

「あぁ明日決まるかな……。ハッキリしたら伝えるよ」

「「分かりました」」

 知らないのはケイトとマイナくらいか、後はイリヤか……どうするかな……。

 いちいち泣かれても困るのだが………。

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