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新たな町へ
416話 面接開始 5
しおりを挟むそして、入れ替わりで入って来たのもまた男性……。
本当に女の人が少ないんだね?
「…………」
「どうぞ、そこに座って?」
「は、はい」
「名前と年齢と職業を教えてください」
「名前はヘンリル。年は20才。職業は店屋で料理人の下働き」
「料理人の下働きね?何か料理はさせて貰ってなかったの?」
「いや、下ごしらえが多かったし……」
「働いてた店は?」
「辞めて来た」
「なぜか聞いても?」
「田舎に残して来た母ちゃんが、病気で金がいるんだ。で、ギルドの貼り紙を見たら給金が良かったから…」
ふむ……、嘘は言ってないのかな?赤くはならないし青いままだし。
「えっと冒険者には、成らなかったの?」
「向いてないし、加護も無い。それに、スキルも碌な物を貰えなかった……」
「ふぅ~ん。スキルね……?魔法は使えるの?」
「少しだけ」
「料理人を選択したのは?」
「え、せ、せん……なに?」
「あぁ、選んだのは」
「別に、それぐらいしか出来ないから」
「うちに来たら、仕事は料理人の下働きと掃除に、畑があるからその仕事と、馬も居るからその世話だけど…出来る?」
「は、畑に馬……やったことはない。でも、働けるなら……」
「何でかな、今迄は何処に居たの?」
「えっ、店辞めて直ぐ来たから、今は住む場所が無い」
「てことは、今日店を辞めたの?」
「そうだよ」
はぁ、採用される気満々で来たんだ。
なに考えるんだろうか?
「田舎って、ここから離れてるの?」
「いや、そうでも……。でも、歩けば10日は掛かる」
「わかった。なら、次の人と変わって」
「え、働けないのか?」
「それは後から伝えるよ。結果はギルマスから伝わるよ?」
「は、はい!なら、よろしくお願いです」
お願いです?
なんとも変な願いの言葉だね。
次に入って来たのも男だ……。
「どうぞ、座って?」
「はい」
「名前と、年齢と職業を教えてください」
「名前はベントン。年は20。仕事は……」
「仕事は?」
「家の、農家の手伝いで」
「何で、うちに来たいの?」
「そ、それは兄貴が家を継ぐから、俺は外で働かないといけなくて……。でも俺は、気が小さいから。い、今まではなんとか家に、置いて貰ってたんだけど……。20才に成ったなら出てけって…。父ちゃんが」
「いつ追い出されたの?」
「えっと1、2、3……………8日前だと……」
「家はどこ?」
「マーマル村からです」
「マーマル村……近いの?」
「わりと近いです。馬車で3日の距離です」
「君、算学は?」
「す、少しだけ」
「字は書けるの?」
「なんとか」
「うちで働くなら、畑仕事が主だけど?大丈夫かな?」
「別に仕事があって、寝るところがあれば。馬も世話が出来るし」
「そう……分かったよ。なら、次の人と変わってくれる?」
「え、雇ってくれないの?」
「それは後からギルマスに伝えるから。部屋で待ってて」
「分かった」
そして、納得したのか?部屋から出て行った。
ふぅ……未だ居るのか……。
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