509 / 763
新たな町へ
452話 やっぱりですか……。
しおりを挟む鞄を売ってくれと、ギルマスが言うなら売らない事もないが…。
「まぁ、買ってくれるなら…ニングスどれくらいで売ろうか?」
「え、私ですか?」
「そう、目利きしてね?俺は価値がわからん」
といって、俺と変わらない形の鞄をニングスに渡す。
「お、お借りします。此方ですか?」
「ああ、そう」
「中の容量は?」
「そうだなぁ……なんチャラベア?あれが三頭くらいかな?そんなに大きくないだろ?」
「……………そ、そうですか。(そんなに大きな容量は、多分何処の貴族でも持って無いですねぇ……)それは、値を付けるのが…」
「ア、アキヒコ君?」
「なに?ギルマス。俺に君付け呼ぶなんて?キモ!明日は雨か?」
「煩せぇ!なんだそりゃ…ってか。鞄の話しは無しだ!そんなもん恐くて買えねぇ……。いくらの値が付くことか……」
「まあまあ取敢えず、うちの優秀な執事が査定して値段を出すからさ」
「っ…!」
「で、?いくらになる?」
「そうですねぇ……普通に考えるなら……白……」
「わぁーわぁー、俺は聞いてねぇー、この話しは無しだ!アキヒコてめぇ!用が済んだら帰りやがれ!ちくしょー金持ち目が!」
「なんだよ……全く、売れと言ったり要らないと言ったり忙しいな!」
「っせぇ!さっさと金受け取って帰れよ!」
「酷っでぇ~、勉強して安く売ろうと思ったのに。仕方ないニングス、ゲイル帰るよ」
「そうですか?ではこれは、旦那様にお返しします」
ニングスが鞄を俺に渡そうとしてきたので、鞄を受け取ろうとすると、突然ギルマスが騒ぎだした。
なに、要らないんだろ?忙しいな!
「ちょっと待て!アキヒコ。お前、今安くと言ったか?」
「ん?ああ、言ったね?でも、要らないんだろ?」
「い、嫌、取敢えず値段教えろ!」
それ次第で買うかも?とほざく。
「……なら、お勉強しまして……。金貨一枚と大銀貨4枚で、お安くお分けしますよ?御客様?」
フフフ、どうだ激安だろ?
「………き、金貨……」
「まあ、今日は保留でもいいよ?金貨一枚でも高いのは分かるからさ?」
「むぅ……相談して置くよ」
「なら。本当に帰る」
「ま、待て待て、薬の金と薬草渡してないだろ」
「そうだった……なら、待ってるから早くしてくれ」
「ったくお前は……。ここで待ってろ」
そして、ギルマスから回復薬の料金と薬草を預かって4人で屋敷に戻った。
屋敷に戻ると直ぐに、ニングスと執務室に入って話しを聞く事にする。
場所はニングスの執務室でだ。
「で?ニングス、ギルドでソワソワしてた理由は」
「そ、それは……」
ちらりと、俺を見てまた目を逸らすニングスだ。
どうせ嫁の所に行きたいとか、なんとかなんだろうな?
「それは?」
「あ、あの……一度息子達の様子を見て来たいと思いまして…その……」
はい、ビンゴ!またかよ……。
「ふぅ~ん。金は?旅するならけっこう掛かるだろ?」
「それは?旦那様から給金を頂いてますから。行き帰りぐらいは余裕が有ります」
「そう、足は?」
「それが………」
グレドと同じパターンね?
でも、未だグレドが戻ってないからね馬車がないんだけど?
「ニングス、そこで相談だ」
「な、なんでしょうか?」
「旅には馬車が要るだろ?」
「ええ、そうですね。辻馬車も出てない様ですからね。悩んでますが……」
「そうか、馬車までは金が回らないよね」
「はい…」
「で、もう少し待てない?グレドが戻って来たら、入れ替わりで行くとかは?駄目かな?」
「はぁ……ですがグレドが出ていってもう半年以上ですよ?戻って来るのかも微妙なのでな?」
まぁ、そうなんだよね……。
グレドに限って、そのまま逃げる事はしないと思いたいが……。
でもなぁ……ここを出てからもう半年過ぎてるしね。
探せば直ぐに見つかりそうだけど……。
45
あなたにおすすめの小説
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています
異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?
よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ!
こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ!
これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・
どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。
周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ?
俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。
最初から最強ぼっちの俺は英雄になります
総長ヒューガ
ファンタジー
いつも通りに一人ぼっちでゲームをしていた、そして疲れて寝ていたら、人々の驚きの声が聞こえた、目を開けてみるとそこにはゲームの世界だった、これから待ち受ける敵にも勝たないといけない、予想外の敵にも勝たないといけないぼっちはゲーム内の英雄になれるのか!
転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
異世界帰りの最強勇者、久しぶりに会ったいじめっ子を泣かせる
枯井戸
ファンタジー
学校でイジメを受けて死んだ〝高橋誠〟は異世界〝カイゼルフィール〟にて転生を果たした。
艱難辛苦、七転八倒、鬼哭啾啾の日々を経てカイゼルフィールの危機を救った誠であったが、事件の元凶であった〝サターン〟が誠の元いた世界へと逃げ果せる。
誠はそれを追って元いた世界へと戻るのだが、そこで待っていたのは自身のトラウマと言うべき存在いじめっ子たちであった。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
前世は最強の宝の持ち腐れ!?二度目の人生は創造神が書き換えた神級スキルで気ままに冒険者します!!
yoshikazu
ファンタジー
主人公クレイは幼い頃に両親を盗賊に殺され物心付いた時には孤児院にいた。このライリー孤児院は子供達に客の依頼仕事をさせ手間賃を稼ぐ商売を生業にしていた。しかしクレイは仕事も遅く何をやっても上手く出来なかった。そしてある日の夜、無実の罪で雪が積もる極寒の夜へと放り出されてしまう。そしてクレイは極寒の中一人寂しく路地裏で生涯を閉じた。
だがクレイの中には創造神アルフェリアが創造した神の称号とスキルが眠っていた。しかし創造神アルフェリアの手違いで神のスキルが使いたくても使えなかったのだ。
創造神アルフェリアはクレイの魂を呼び寄せお詫びに神の称号とスキルを書き換える。それは経験したスキルを自分のものに出来るものであった。
そしてクレイは元居た世界に転生しゼノアとして二度目の人生を始める。ここから前世での惨めな人生を振り払うように神級スキルを引っ提げて冒険者として突き進む少年ゼノアの物語が始まる。
R・P・G ~女神に不死の身体にされたけど、使命が最低最悪なので全力で拒否して俺が天下統一します~
イット
ファンタジー
オカルト雑誌の編集者として働いていた瀬川凛人(40)は、怪現象の現地調査のために訪れた山の中で異世界の大地の女神と接触する。
半ば強制的に異世界へと転生させられた凛人。しかしその世界は、欲と争いにまみれた戦乱の世だった。
凛人はその惑星の化身となり、星の防人として、人間から不死の絶対的な存在へとクラスチェンジを果たす。
だが、不死となった代償として女神から与えられた使命はとんでもないものであった……
同じく地球から勇者として転生した異国の者たちも巻き込み、女神の使命を「絶対拒否」し続ける凛人の人生は、果たして!?
一見頼りない、ただのおっさんだった男が織りなす最強一味の異世界治世ドラマ、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる