ある日仕事帰りに神様の手違いがあったが無事に転移させて貰いました。

いくみ

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新たな町へ

456話 グレドの家族 1

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 そして……10件目の宿屋に入ると聞き覚えのある声が後ろからした。

「あら、お客様ですか?」

 グレドはまさか?と思ったがまた顔を確かめてない。
(落ち着け俺!)気持ちを落ち着かせて振り向いた。

「い、嫌人を探して居てな?俺の嫁と息子達なんだが……」

「はあ?ご家族を………………あ、貴方!まさか貴方なのグレド!」

「ああ、母ちゃん!俺だグレドだ!元気そうだな?良かった………本当に……よかっ………っ」

「お母さん?誰か来たの?」

「ラルフ!父さんよ、お父さん帰って……っ!」

「嘘……本当に」

「おう、ラルフ……母さん護ってくてたんだな。偉かったな?」

「………………何してたんだよ!父さんは!」

「すまんな?やっとな………」

「貴方………」

「良くここまで帰って来てたな?お前の、親の所に居てくれて良かったよ」

「ええ、何とかここで暮らせてるけど……」

「けど?そう言えば、下の餓鬼達はどうした?」

「それが……少し体調が悪くてね、二人とも寝かせてるわ」

「なに!神殿には?」

「神殿は、お金が高くて……」

「薬は?ギルドで買えるだろ?」

「父さん、クスリ代が払えないんだよ……」 

「なっ……どうして?」

「隣の宿屋からの、嫌がらせだよ!」

「なんで、そんなことに?」

「貴方ここだと……奥で話さない?」

「あ、ああ、だが少し待っててくれ。ギルドに、お前達の捜索願いを出したんだが。取り下げて来るから」

「……そうだったのね?なら、待ってるわね」

「ああ、だが泊まり客は居るのか?」

「居ないよ、父さん」

「そ、そうか……なら、俺がここに暫く世話に為っても良いか?実は屋敷を借りたんだが……。家がボロすぎて、馬車で寝泊まりしてるんだ。もちろん宿泊費は出すからよ」

「フフ、夫からお金を取るの?」

「まあそう言うなよ。少し待っててくれ」

「ええ」

 そうして宿を出たグレドは、慌ててギルドに駆け込み事情を話して依頼を取り消した。

 そして、借り家の契約も解除したのだった。

「それでは、屋敷からの退去が済み次第、返金がございますので、現場でお返し致します。そして、依頼のキャンセルですが……。依頼料から違約金を引いて、金貨一枚をお返し致します。此方の契約書は破棄させて頂きます」

「お、おう、済まんな?」

「いえ、此方もお力に為れず。ですが、ご家族が見つかり良うございました」

「あ、ありがとう」

 そして、屋敷をから馬車を出し、同行してきたギルド職員に預かって居た鍵を返した。

「それでは、こちらを返金致します。では、失礼を」

「おう、すまなかったな!」

 グレドは、素早く馬車に乗ると家族の居る宿屋に向かい宿に入って行った。

「ローザ!すまんな。いま戻った!すまないが馬車を入れたいが……」

「あら、早かったわね?」

「ああ、急いで貰ったんだよ」

「そうだったのね?良かったわ、馬車ならラルフに案内させるわね。ラルフ!お願い父さんを案内してあげて?」

「わかった、父さんこっちだよ」

 息子と表に出ると馬を引いて裏庭に回る。

「父さん、この馬も馬車も……なんかすごいね?」

「……だろ?」

「どうしたのこれ?」

「後で話すよ、それより母さんと話しだ。ルネル達のことが先だ」

「うん……」

 おっと……馬車だけは結界はっておくかな?
 なんかヤバそうだ。
 後で馬の世話をしないとな?

「少しまっててくれよ、ごめんな?」

 と、馬に話しかけた。

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