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新たな町へ
479話 グレドとブルー
しおりを挟むそう言えば……ブルーの存在をグレドに話してないよな。
ヤッベ!飯がないよ?ブルーに食わせる飯がな!そんなことを思って暫く待ってると、グレドが食堂に顔を出して俺の顔を見る。
……それから頭の上に乗るブルーを見ると固まった。
ハハハ面白い。
「グレド!」
「………」
「お~い!グレドくん?グレド!!」
「は、はい!な、なんだ!」
「お、戻ってきたな?グレド」
「旦那、あんた…それはなんだよ!」
「え?どれ?」
「それだよ頭の上の羽根つきの人形!それは?」
俺の頭のブルーを指さして騒ぐグレドだが五月蝿いし!
「これは……俺のペットだな。ハハハ」
「ハハハ、じゃねぇ!生きてんのかよ?それは」
「おう、生物だぞ?ほれ」
頭に乗るブルーを無理やり下ろして、万才の格好をさせてグレドに見せた。
[な、何をするのだ!我に恥ずかしい格好をさせてからに!無礼者!]
『アハハ悪いな!ブルー、お前の目の前に居るのは料理人だぞ?』
[うむむ…そ、そうか。だがこの格好を、させることはないだろ]
文句を言ってジタバタと暴れるブルーだ。
「う、うぉぉぉ!動いた…」
「な?生物だろ?ククク」
「んで、これは食う物は?旦那」
「普通に何でも食べるし、大食漢だぞ?馬鹿食いするぞ」
「そうか、何が好きなんだ?」
[我は肉だ!肉を寄越せ!料理人!]
「野菜が好きなんだよこいつ。フフフ」
[ぬ!ちっがぁぅう!肉だ主肉を寄越せ!]
「な、なんかギャーギャー騒いでるが……?旦那なに言ってるんだ?」
「ああ、いいから。気にしないで、そろそろ飯にしてくれよ?後、子供達は?まだ寝かせてるのか?」
「ああ、あいつらは後から食わせるよ。旦那それで良いか?」
「構わないけど、夜はどうすんだよ?」
「…それは後で相談させてくれ」
「分かったよ。ならみんなで食べようか?」
「頂きます!」
「「「「「「頂きます!」」」」」」
皆でガヤガヤ話しながら食べる。
そのガヤの中に、ブルーの文句も入るから非常に五月蝿い!
[主、我の飯は!]
「………」
『ほら、これを食え!』
[むむ、これは野菜ではないか!肉を寄越せ!]
『仕方ないな……ほら、肉だ』
[うむ!分かれば良いのだ!……うん旨し!]
旨しだと?何処で覚えた?
「だ、旦那?その生き物を子供達には……」
「大丈夫だよ?見せるつもりはないし」
「そ、そうか?なら安心だぜ。二番目とその下子供が、年の割に子供っぽくてな?困ってるからよ……。この屋敷には、高価なもんが多いから肝が冷えるんだよ」
「ああ、そうだったか…なら時計は壁に掛けるのに変更して……暖炉の上の置物とか仕舞うか?」
「そうしてくれると、助かるし…餓鬼どもが使う食器も……」
「それは…別にわざとじゃなければ……。子供と言ってももう二番は13才なんだろ?だったら、言って利かせれば良いんじゃ?したの子はまぁ未だやんちゃだろうけど。こっちが気を付ければいいことだし」
「そうなんだが……」
「グレド、もしかして子育経験あんまりないの?」
イリヤを呼びに行ってたケイトが、食堂に入ってくるなりそんなことをグレドに尋ねた。
「ケイとか……実はそうなんだ。子育てはかみさんに任せて、俺は食堂で仕事してたからなぁ……。俺は名ばかりの父親で、どう子供と接したらいいのか?しかも、三、四歳の頃の子供とは違うからな…」
「そう…だったらさっ、ここに暮らすなら。いっそこのと、遠慮しないでここにいる皆で育てるのはどうかしら?」
「えっと?それはどういう?」
「ってか……ケイトお前、イリヤはどうしたよ」
「あの子なら、今出て行ったわよ?」
「「「「「はぁーーー」」」」」
あ~五月蝿い。
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