ある日仕事帰りに神様の手違いがあったが無事に転移させて貰いました。

いくみ

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新たな町へ

486話 本屋……と本。

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 さて、見た目はとても本屋には見えない本屋に入る。

 だが中は本屋だった……でも紙じなくて…羊皮紙で出来てるっぽい。
 うん…重そうだね。

 表紙もごつい…でも一応はジャンル毎に分けてあるっぽい。

 でも……探すのは面倒だし鑑定してても時間が掛かりそうだ。

 そこで店主に話し掛ける。

「あ、あの……?」

「なんだい?」

「子供に読み書きさせる本とかあるかな?」

「子供に?あんたが読むのかい?」

「い、嫌、俺ではなくて…他人の子なんだけど?」

「ふぅ~ん。読み書きねぇ……そんなもんは貴族しか買わないよ?」

「で、あるのかないのか、どっちかな?おじさん?」

「……そこの棚にあるよ」 

「そこって何処?」

「その!右の棚左手の奥だよ。ニヤリ」


 こ、このじじぃ意地が悪ぃ!

「右手の奥ね……【鑑定】…」

 どれだ………あ、あった!
 見つけた本を手に取って、中を見る…お、重い。
 えっと中は……一応この世界の文字らしい……。
 読めるし書けるから…俺でもなんとかなりそう。
 簡単な文章と絵付きで物語風な物が書いてある。
 これが本ね……。

 日本の書き取りとかを想像してたから…。
 なんか…なんかだなぁ……上手く言えないけど。

 ま、これなら一冊買ってコピーすれば早いな…。

 後は算術の本……何処だ……あ!あった。

「カシュー!これもってて。それと、カナルあれ取って!」

「は、はい!おっと、重いですね?」 

「だろ?丁寧いにね?」

「はい…」

「旦那様これですか?」

「嫌、その隣の本取って」

「……い、これですか?よっと…重いですね?」

「だよね、ありがとう」

 受け取った本の中を見る……これが算術なのかな?
 ………良いのか此で…。

 要は……日本の小学校レベルで、かけ算や割り算がない。
 子供用だから?

 例えば…。

 問題…。

 ここにリンゴが5つあります。
 Aさんが、リンゴを2つ食べてしまいました。
 残りはいくつ?
 と言う感じ……。

「なあなぁ、カナル……これ分かる?」

 カナルを呼んで問題を読ませる。

「え!どれですか?」

「これだよ……」 

「えっ……これですか?」

「おう、答えは?」

「……………えっと、3ですかね?」

「い、いや、当たりだけど…そんなに考えること?」

「え、難しいですよ?」

「え?」

「え?」

「マジ?」

「はい…マジです」

「……わかった、ありがとう」

「い、いえ?」

 仕方ないこれ買うか。

「二人とも悪いけど、それを持ってよ。あそこのおじさんの前に行って、これを買うから」

「「はい」」

 三人で店主の前に立ちどんと本を置く二人。
 丁寧に扱おうよ!それ高いからさっ!
 一応念の為に鑑定したら結構なお値段だよ。

 児童用の本。
 値段は·大銀貨3枚。

 算術の本は金貨一枚。
 と出た。

 たっかぁ~。
 算術の本たっかい!

「おじさん、この二冊買うよ、いくら?」

「おやおや、探してきたのかい!それに、二冊もかい!珍しい……。値段はそうだな……、金貨1枚と大銀貨4枚だね。ニヤリ」

 全く微妙なぼったくりしゃがる!

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