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新たな町へ
499話 ごり押しされた。
しおりを挟むなんで破格の安値で手を打つんだよ!
怪しいのがバレバレだろうがよ!
「よし決まりだな!ハハハ、アキヒコが買ってくれてこれで俺もひと安心だぜ!」
「ギルマス……あんた、嵌めたな?」
「アハハ!まぁ、堅い事を言うなよ!俺とお前の中だろう?なっ!」
このおやじ……思わずジと目で、睨んでしまう。
仕方ない……。
「で、話しは変わるけどはさっ!」
「なんだ?先に屋敷の引き渡しの手続きしたいんだが?」
「んなもんは、後ででもいいだろ?それより家の使用人の募集はどうなってる?」
「それだよ、お前……もう少し賃金下げろよ!募集が殺到し過ぎてギルドの職員が悲鳴を上げてるぜ?ったくよ!」
「ハハハ、それは済まんね?まあ、今回の屋敷の購入の迷惑料だと思って諦めろよ。フフン!」
「んとに、お前性格悪りぃなぁ~!」
「そんなの、お互い様だろ?寧ろギルマスの方が悪い気がするが?」
本当に食わせものだよなぁ……。
まぁそれでギルマスやってるんだろうし?
だけど他のギルマスよりはましだしな。
そこはもう諦めてるが。
「アキヒコてめえ…お前俺に失礼だろうがよ!」
「ふん!なら隣の屋敷は買わねぇが?良いな?」
「っ!そ、それは……すまん俺が悪かった。な、だからよ俺を助けると思ってなっ!」
「ふん!それで、応募してる人達ちゃんと鑑定してるよね?」
「そ、そりゃ~もう!身元もバッチだぜ!今回は学が少しある奴や、メイドの募集だろ?ってか何でメイドなんだ?」
「ああ、一人は、自分で出ていったから理由は分からん。もう人は、前回の募集で雇った女だったけど……あれも使えないからクビにした」
「お前……」
「な、なんだよ」
「い、いや、何でも……ところで執事も雇うのか?」
「ああ、今いるニングスが嫁や子供の様子を見て来たいと言ってるからね。執事の補佐が居ると、楽なんだよ。俺も魔物狩りとか行きたいからさっ、留守を衛れる信頼出来そうな者を雇いたいが……」
「フム……だったら、ギルドの職員を貸すか?」
「はぁーー?なに言ってんの」
止めてくれ、それでなくても秘密が多いんだ。
ギルドの人間が入って来たら…俺の情報が知られてしまう。それはギルマスに筒抜けに為るってことでだよな?それは不味い。
「ギルドの職員は優秀だぜ?」
「そんなのは、遠慮するよギルマス。最悪決まらないなら、また奴隷を買った方がましだよ」
「なんだよそれは!うちの職員が、気に入らねぇのかよ!」
「気に入る、気に要らないとかじゃねぇよ!ギルドで働く職員の身にも為れよ」
「………そ、そうだったな。俺が決めて良いことじゃねぇか」
「そうだぜ?分かってねぇのな?ギルマスの癖に」
「う、五月蝿せぇよ!しっかし、テメーはよ!一体幾つだよ。俺と話してても全く気後れしねぇ」
「ってかさ、ギルマスが考え無しなんだろ?年とか関係ねぇ」
「ワハハハそりゃそうだな!悪かったよ!んで3日後の面接だがよ」
「なに」
「今のところ、応募が殺到しててよ?前回の募集した時の奴らもまた、懲りずに応募して来ゃがって!手間が掛かっててよぉ~全く面倒だぜ!」
まあ、そうなるのか?
「なにそれ?前回落とされてるんだから、今回だってそんなのは雇わないぞ?」
「まあ、普通に考えればそうなんだろうがよ。あわよくば、と思ってるんじゃねえの?まっ、そんなのはお構い無しに落としてるけどな」
ワハハハと、笑うギルマス……。
ああ、これでまた恨まれるかな?
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