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新たな町へ
511話 緩い?
しおりを挟む隣の部屋に、戻るメイドのマリーさんと入れ替わりに入って来たのはまた男だな。
「どうぞ、そこへ座ってください」
「失礼します」
ふむ、きっちりした人だね?
どれどれ鑑定っと……。
「さて、お名前、年齢、前職を教えてください」
「名前はケイルスと言います。年は29才、仕事は貴族の屋敷で執事の見習いでした」
ふむ……嘘はないね。
結構出来る人だよ?この人なんで首になった?
ん……ああ、主に逆らっちゃった感じかな?
我は強いのかな?
「執事見習いですか、そんな方が何故応募を?」
「貴族に、勤めてましたが。そこの主と揉めまして、首にして貰いました」
「貰いました……ですか?」
「(ニングス変わるよ)」
「えっとケイルスさん?」
「えっ?は、はい、なんでしょうか?僕」
「ぶっ………!」
「カナル!」
「すみません……」
「えっと、俺が今回募集している屋敷の主なんだけどね?」
「……えっ!貴方がですか?」
「です。で、」
「は、はいなんでしょうか?」
「うちにくるなら第二執事の、位置になるけど大丈夫かな?それと馬は操れる?算術と字は書けるのかな?」
「もちろんです!全て出来ますそれが何か?」
「なら子供は苦手なの?」
「いえ、別に?」
「そう、なら屋敷に来たら子供がいて、その子達に勉強教えられる?」
「ま、まあそれは出来ますが……」
「ケイルスさんが、もしうちで働くことに為ったら、何か?条件とかあるの?」
「条件ですか?」
「そうそう」
「そうですね…主が貴方でしたら、貴方は私のする事に文句を言いますか?」
「はあ?する事とは?」
「そう…例えばですが、私が朝旦那様のを起こしに部屋に行けば、煩いと文句を言い。食事を出せば、私に不味いと文句を言う。私の執事としての尊厳を悉く汚す、貴方はそんな人ですか?」
………絶句です。
「「……ぶっ!」ハハハ」
「お、おい!そこの二人なに笑うかな?」
「だ、だって旦那に最も見合わない話しですからね。これは笑うしかないでしょ?」
「ですねぇ……ククク」
「カシュー!」
「すみません…フフフ」
「フフフ、旦那様はそんなことはしませんよ?」
「そうなのですか?」
「貴方が勤めて居た主と、その屋敷は随分酷い場所だったのですか?」
「ええ、割りと大きな屋敷で。ですが、爵位は低い方でしたね。それに見栄張りな所が、私は嫌いでそれで付いて行けず暇を貰いました」
「そ、そうなのですか……。でしたら、うちは緩いですよぉ~その辺は。しかも、旦那様は貴族ではありませんしね」
「そうそう、旦那自ら手料理を使用人に振る舞うんだぜ?ククク」
「そんな、金持ちは居ないと思うぜ?この世の中に」
「カナル!面接中だよ?」
「は、はい!」
「ま、まあ安心してよ朝起きるのは自分で起きるし。朝からうちは、使用人達の点呼があるからね。家の一番辛い仕事は、朝が早いのが辛い事かな」
「そ、そんなことで良いのですか?」
「ええ、旦那様は約束事を守らないと厳しいですが、それ以外は緩いですよ?」
「それは、どんな?」
「それは……屋敷で働いてからだよね?」
「ああ、そうでしたね?」
「まっ、一週間お試しで働いてから決めてもいいよ?どうします?」
「一週間ですか?」
「ええ」
「…………それでは、少しお世話に為っても良いですか?」
「いいよ?なら隣で待っててくださいね?」
「承知しました」
その後5人と面接をして面接が修了した。
ふぅ~。
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