591 / 763
新たな町へ
534話 イリヤ 5
しおりを挟む……ぃ……お……ぃ……。
あれ…誰か呼んでる?なにかなぁ…あたしまた眠いんだけど……。
「……ぉぃ……………(このガキおきねぇ…なんだこいつ!水一杯で長い時間、粘りやがって挙げ句にねこけやがって!)おい!嬢ちゃん!」
「……えっ!は、はい!」
怒鳴り付けられて目が覚めたけど…。
あれここ何処だっけ?
えっと……邸を出てギルドに来て…あっ!
「嬢ちゃん!いつまで寝てんだよ、こっちはいい迷惑だ!これから客も多くなるんだ、注文しないで寝られても困る。悪いがなにも食わないなら、出ていってくれるか?」
「えっ?食わない……えっ?す、すみません今は何時ですか?」
「はぁ~?今はもう朝の9つだよ!さぁ出ていってくれ、こっちはこれから忙しいんだ!」
えっ、9っ………。
「あーーー寝ちゃったぁーー」
「う、煩せぇ!さぁ早く出ていけ!」
「は、はい……お邪魔しました……」
あ~寝過ごしたゃった……でも走れば間に合うかな?
バタバタ走ってさっき教えてくれた受付の女の人のところまで行きたいんだけど…なに?
なんで、こんなに人が居るの?
それになんか怖い……ギルドの中に居るの人達…なんか殺気だってるし。
「これは…近づけないよ。あっ外に出たら馬車があるかな?」
ギルドから大急ぎで出て、建物のまわりをうろうろすると馬車に乗り込む人達がいた。
イリヤはその側に近寄って乗り込む人に声を掛けた。
「あ、あの…」
「ん?なんだ?」
「この馬車は辻馬車ですか?」
「……そうだが?」
「えっと……」
「なんだ、用が無いならあっちに行ってくれ!」
「あっ!はい……ありがとうございました」
「ふん!」
うぅぅ怖い……えっと、どうしたらいいんだろう。
受付の女の人がなんか言ってたよね…あっそうだ!御者さんにお金払うんだったよね?
それなら馬車の先頭に行けばいいのかな?
色々考えてもたもたしてると、行く先行きの辻馬車の御者が行き先を告げなから乗る人を確認し出した。
「メールマン行きの、馬車に乗る人は?もう居ないかい?いないなら出発するのぞ!」
「ラーマルに行く人は?もう出るぞ!」
「ヤバーイールに行く人!こっちだぞ!」
「カールーバシに行くなら、早くしてくれ!」
えっ!こんなに一杯馬車があるよ!どうしょう?
仕方ない聞いて見よう。
イリヤは手始めに、メールマン行きの馬車の御者に駆け寄って御者に話し掛ける。
「あっ、あの…」
「ん、なんだ馬車に乗るなら早くしてくれ、運賃は銀貨6枚だ前払いだから払ってくれ」
「え…ごめんなさい間違えました…」
うぅぅ…高くて払えないよ。
「ちっ!乗らないならあっちに行きやがれ!こっちは忙しいんだよ!」
「ご、ごめんなさい!」
ひぃ怒られちゃった……つ…次の馬車は?
「あ、あの……すみません」
「嬢ちゃん……乗るのかい?乗るなら銀貨4枚だぜ?」
あっこの馬車だ!よかった…。
「の、乗ります。はいお金です」
「毎度……なら早く乗ってくれ、それと他の人も先に乗ってるんだ、回りに迷惑をかけるなよ?あとカールバシに行くまては3日掛かる。食事は各自で用意してくれよ?こっちは、なにも食わせる物は出さないからな」
「えっ!あたし、何にも食べる物を用意してない…です」
えぇ!知らなかったよそんなこと!ギルドの女の人もそんなこと言ってくれなかったよ。
「そんなのは知らん。乗らないなら金は返すが?」
「い、いえ乗ります」
仕方ないよね乗らないと町から出れないもん。
「……そうか……なら乗ってくれ。あんたで最後だ」
「は、はい」
あたしの乗る馬車は、幌馬車で馬車の中は両方に座る板があって、そこには先に座ってる人が5人いた。
座る場所を目で探して、隅っこが空いていたのでそこに座るとイリヤは小さく溜め息をついた。
「(ふぅ…これから3日もこれに乗るんだ…しかも飲ます食わずで……)」
イリヤが落ち着いて座ると【ガタン】と音がして馬車が動き出した。
「あっ、動いた……」
同じ馬車に乗る人は…子連れのおばさんと、お年寄りの夫婦かな?それと冒険者みたいな二人だ。
なんか……馬車の中の空気重いよね……。
馬車って…乗ったのは何回かあるけど…。
旦那様の馬車に乗った事があるけど…あれに比べたらどれも馬車って貧相なんだもん。
なんか、あたし…お屋敷を出たのは失敗だったかな?
ううん、あたしの判断は間違って無いよね!
うん……それにしてもお尻痛い。
33
あなたにおすすめの小説
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています
異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?
よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ!
こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ!
これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・
どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。
周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ?
俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。
最初から最強ぼっちの俺は英雄になります
総長ヒューガ
ファンタジー
いつも通りに一人ぼっちでゲームをしていた、そして疲れて寝ていたら、人々の驚きの声が聞こえた、目を開けてみるとそこにはゲームの世界だった、これから待ち受ける敵にも勝たないといけない、予想外の敵にも勝たないといけないぼっちはゲーム内の英雄になれるのか!
転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
異世界帰りの最強勇者、久しぶりに会ったいじめっ子を泣かせる
枯井戸
ファンタジー
学校でイジメを受けて死んだ〝高橋誠〟は異世界〝カイゼルフィール〟にて転生を果たした。
艱難辛苦、七転八倒、鬼哭啾啾の日々を経てカイゼルフィールの危機を救った誠であったが、事件の元凶であった〝サターン〟が誠の元いた世界へと逃げ果せる。
誠はそれを追って元いた世界へと戻るのだが、そこで待っていたのは自身のトラウマと言うべき存在いじめっ子たちであった。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
前世は最強の宝の持ち腐れ!?二度目の人生は創造神が書き換えた神級スキルで気ままに冒険者します!!
yoshikazu
ファンタジー
主人公クレイは幼い頃に両親を盗賊に殺され物心付いた時には孤児院にいた。このライリー孤児院は子供達に客の依頼仕事をさせ手間賃を稼ぐ商売を生業にしていた。しかしクレイは仕事も遅く何をやっても上手く出来なかった。そしてある日の夜、無実の罪で雪が積もる極寒の夜へと放り出されてしまう。そしてクレイは極寒の中一人寂しく路地裏で生涯を閉じた。
だがクレイの中には創造神アルフェリアが創造した神の称号とスキルが眠っていた。しかし創造神アルフェリアの手違いで神のスキルが使いたくても使えなかったのだ。
創造神アルフェリアはクレイの魂を呼び寄せお詫びに神の称号とスキルを書き換える。それは経験したスキルを自分のものに出来るものであった。
そしてクレイは元居た世界に転生しゼノアとして二度目の人生を始める。ここから前世での惨めな人生を振り払うように神級スキルを引っ提げて冒険者として突き進む少年ゼノアの物語が始まる。
R・P・G ~女神に不死の身体にされたけど、使命が最低最悪なので全力で拒否して俺が天下統一します~
イット
ファンタジー
オカルト雑誌の編集者として働いていた瀬川凛人(40)は、怪現象の現地調査のために訪れた山の中で異世界の大地の女神と接触する。
半ば強制的に異世界へと転生させられた凛人。しかしその世界は、欲と争いにまみれた戦乱の世だった。
凛人はその惑星の化身となり、星の防人として、人間から不死の絶対的な存在へとクラスチェンジを果たす。
だが、不死となった代償として女神から与えられた使命はとんでもないものであった……
同じく地球から勇者として転生した異国の者たちも巻き込み、女神の使命を「絶対拒否」し続ける凛人の人生は、果たして!?
一見頼りない、ただのおっさんだった男が織りなす最強一味の異世界治世ドラマ、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる