593 / 763
新たな町へ
536話 イリヤ 7
しおりを挟むそれから…「ガタン」と大きな音がしてイリヤが目覚めた。
「あれ、ここ何処……?」
大きな音で目が覚めたイリヤは、ガバリと頭を上げた。
すると、誰かに声を掛けられた。
「おや?起きたのかい?」
声を掛けて来たのは女の人だった……えっと…誰かな?
「ったく、死んでるのかと思ったぜ!」
「気味悪い…」
「え?えっと…ここは…」
「おお、初めて声を聞いたぜ…」
「す、すみません…」
と、謝ってしまった…。
「えっと……?」
「もう、朝だよ…あんたずっとその格好でよく寝れたねぇ?腰痛くないのかい?」
「あっ!えっと?」
外套のフードを外して、馬車の中を見回すと馬車に乗る人達の目線が私を見てる。
なんだろう?
「あの、痛くないので…だいじょう……ぶ……です?」
なに?みんなであたしの顔を見てるよね…というかここは?何処だろう?
「おい、あんた!奴隷なのか?」
「えっ?ど、奴隷?えっ?」
何でそんなの……えっ?
「あんた首に奴隷紋があるじゃないか!ひぃ~」
「お、おいおい、奴隷と一緒かよ!どおりで馬車から出てこないと…」
「気味わりぃ~!おい!お前の主人は何処にいんだよ!」
「えっ、あ、あたしは…その……奴隷じゃ…?」
「奴隷じゃないなんて嘘つくなよ!なら何で紋があんだよ!」
「そ、それは…その……………あれ?何でだっけ?」
****#
一方の暁彦は……屋敷の中でボンヤリのんびり…とはい出来ていなかった。
イリヤが出ていったと聞かされてなんとも憤りを感じたが…まぁ、出ていったのであればそれはそれで良いと思って居たのだが…。
《主…出ていった者の記憶はどうするのですか?》
こいつもう、あの子の名前すら言わないんだな…クク、はっきりしてるというか…ドライだな。
『別に良いんじゃないかな?あんなのが出ていったからと言って…家に不履行に為る訳でもないんだから…』
《甘いですねぇ…。人間どんな事があるか、分かりませんよ?ポロッと、ここの秘密でも喋ったりしたら?後々どんな事に為るやら…》
『ん~取りあえず、それは後だな!今はこっちが先だよナビ。今夜多分するよ…』
《了解しました》
と、この場はこれで話しは終わったのだが……。
その後、屋敷に新しく人を雇い入れてからの夜に暁彦は出て行ったイリヤの事を思い出した。
「あっ!そう言えば、あの人!以外と口が軽かったよな…」
《思い出しましたか?》
『えっ?うん…ねっ?どうしょうかと思ってさっ!やっぱり記憶は改竄しないと駄目だよな?』
《当たり前では?》
な、なんか切れ気味なのはなんでだ?
『ハイハイ、分かったよ。なら……明日の朝には記憶が消えてて、奴隷紋が戻ってる様に……?』
《それでOKです!》
何処でそれを覚えた……OKって……あっ!俺か…ハハ。
なら、マップを開いて…イリヤを検索…。
おっ、居たよ……見つけた!もう王都から出てるなぁ……。
馬車に乗ってるんだ……よく乗れたね?
金は余りない筈だと、聞いたけど……。
まっ、どうでも良いか…なら~イリヤの記憶改竄してぇ~それから奴隷紋を、お返ししますよっと!
「はい!修了!」
《フフフ、明日の朝の……光景が目に……》
『ナビさん……』
君……性格歪んでない?
44
あなたにおすすめの小説
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
最初から最強ぼっちの俺は英雄になります
総長ヒューガ
ファンタジー
いつも通りに一人ぼっちでゲームをしていた、そして疲れて寝ていたら、人々の驚きの声が聞こえた、目を開けてみるとそこにはゲームの世界だった、これから待ち受ける敵にも勝たないといけない、予想外の敵にも勝たないといけないぼっちはゲーム内の英雄になれるのか!
前世は最強の宝の持ち腐れ!?二度目の人生は創造神が書き換えた神級スキルで気ままに冒険者します!!
yoshikazu
ファンタジー
主人公クレイは幼い頃に両親を盗賊に殺され物心付いた時には孤児院にいた。このライリー孤児院は子供達に客の依頼仕事をさせ手間賃を稼ぐ商売を生業にしていた。しかしクレイは仕事も遅く何をやっても上手く出来なかった。そしてある日の夜、無実の罪で雪が積もる極寒の夜へと放り出されてしまう。そしてクレイは極寒の中一人寂しく路地裏で生涯を閉じた。
だがクレイの中には創造神アルフェリアが創造した神の称号とスキルが眠っていた。しかし創造神アルフェリアの手違いで神のスキルが使いたくても使えなかったのだ。
創造神アルフェリアはクレイの魂を呼び寄せお詫びに神の称号とスキルを書き換える。それは経験したスキルを自分のものに出来るものであった。
そしてクレイは元居た世界に転生しゼノアとして二度目の人生を始める。ここから前世での惨めな人生を振り払うように神級スキルを引っ提げて冒険者として突き進む少年ゼノアの物語が始まる。
転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?
よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ!
こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ!
これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・
どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。
周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ?
俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。
異世界帰りの最強勇者、久しぶりに会ったいじめっ子を泣かせる
枯井戸
ファンタジー
学校でイジメを受けて死んだ〝高橋誠〟は異世界〝カイゼルフィール〟にて転生を果たした。
艱難辛苦、七転八倒、鬼哭啾啾の日々を経てカイゼルフィールの危機を救った誠であったが、事件の元凶であった〝サターン〟が誠の元いた世界へと逃げ果せる。
誠はそれを追って元いた世界へと戻るのだが、そこで待っていたのは自身のトラウマと言うべき存在いじめっ子たちであった。
【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!
まにゅまにゅ
ファンタジー
平均レベルの低い底辺パーティ『龍炎光牙《りゅうえんこうが》』はオーク一匹倒すのにも命懸けで注目もされていないどこにでもでもいる冒険者たちのチームだった。
そんなある日ようやく資金も貯まり、神殿でお金を払って恩恵《ギフト》を授かるとその恩恵《ギフト》スキルは『拡大解釈』というもの。
その効果は魔法やスキルの内容を拡大解釈し、別の効果を引き起こせる、という神スキルだった。その拡大解釈により色んなものを回復《ヒール》で治したり強化《ブースト》で獲得経験値を増やしたりととんでもない効果を発揮する!
底辺パーティ『龍炎光牙』の大躍進が始まる!
第16回ファンタジー大賞奨励賞受賞作です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる